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2020年11月12日 (木曜日)

コルトレーンのスタンダード集

プレスティッジ契約時に数多くの録音を行なったコルトレーンだが、彼のキャリアの中で、このプレスティッジ時代のコルトレーンが、一番「ジャズ」らしかったのではないかと思う。この後、レギュラー・カルテットを持って、フリーでエモーショナルな演奏を行ったインパルス時代のアルバムがジャズ入門書などで絶賛されて推薦盤となっているが、僕はちょっと違和感を感じる。

コルトレーンのフリーでエモーショナルな演奏は、構えて聴く類ものであって、リラックスして聴けるものでは無い。ましてや、ジャズ者初心者向けでは無いし、ジャズ入門書に載せるのにも注意がいる。決して、コルトレーンのフリーでエモーショナルな演奏が悪いとは言っていない。僕は、今ではこのスタイルのコルトレーンも好きだ。

でも、ジャズ者初心者の頃は、はっきり言うと「嫌いだった」。ジャズ者初心者の耳には、やかましくてメチャクチャに聴こえる。到底、音楽とは思えなかった。ましてや、何が何やら判らない。確かに「ジャズとしての即興演奏」の究極の姿のひとつ、というのは今では判るが、我々ジャズ者が通常聴くジャズ、初心者向けのジャズは「ジャズ」らしく、リラックスして素直に聴けるのが良い。

やはり「ジャズ」らしいコルトレーンは、インパルスの時代よりプレシティッジの時代に軍配が上がる。プレスティッジ時代のコルトレーンのリーダー作には駄作は無い。というか、リーダー作ばかりで無く、サイドマンとしてプレスティッジに録音したコルトレーンのテナー・サックスには外れが無い。
 
 
Standard-coltrane  
 
 
プレスティッジ時代のコルトレーンのリーダー作の難点はプレスティッジらしく「酷いジャケット」(笑)。アルバム・ジャケットは平凡で酷いデザインばかりだけど、このプレスティッジ時代のコルトレーンは、このデザイン・センスの欠片も無いジャケットに騙されてはいけない。

John Colrtane『Standard Coltrane』(写真左)。1958年7月11日の録音。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ts), Wilbur Harden (tp, flh), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds)。このアルバムは、1958年7月11日の全8曲のセッションから、4曲を選曲したスタンダード・ソング集。取り上げられている曲も、実にマニアックで充実している。難点と言えば、曲数がちょっと少ないだけである。

コルトレーン・ジャズの発展途上段階のアルバムではあるが、そのとても優れた内容に改めて感服。これ、インパルス時代の「バラード」より内容が良いのではないか。ストレートにしっかりとした音で吹くテナー・サックス。そして、耳に付かない、適度な長さの高速早弾き「シーツ・オブ・サウンド」のテクニック。歌うように感情の抑揚をくっきり付けて、時には優しく時には激しく、聴いていて、全く飽きの来ないその構成力。

インパルス時代のコルトレーンも優れている。でも、プレスティッジ時代の隠れ好盤にもスポットライトを当てて欲しい。ジャケットの稚拙さとインパルス時代盲信主義だけで見過ごしてしまうには、あまりに惜しい。リラックスして聴きたい時のコルトレーンは「インパルス時代よりプレスティッジ時代を」ですね。
 
 
 

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