TRI4THのメジャー3作目です
TRI4TH(トライフォース)は、日本の5人組ジャズバンド。ダイナミックなフュージョン系エレ・ジャズをメインとする。結成されたのが、2006年なので、今年で結成12年目になる。もう12年になるのか。日本のフュージョン・バンドと言えば「Casiopea」と「T-Square」の2バンドが大勢を占め、後が続かない状態だった。
が、この「TRI4TH」が出てきて、やっと次世代の日本のフュージョン・バンドが出てきたなあ、と嬉しくなったのを昨日のように覚えている。今では、2004年にバンド名を、固定しアルバムをリリースするなど定期的な活動を開始した「TRIX(トリックス)」とこの「TRI4TH(トライフォース)」が、日本のフュージョン・バンドの「次世代」を担っている。どっちも個人的に「お気に入り」なバンドである。
TRI4TH『Turn On The Light』(写真左)。今年10月のリリース。出来たてホヤホヤである。改めて、ちなみにパーソネルは、伊藤隆郎 (ds), 竹内大輔 (p), 藤田淳之介 (sax), 関谷友貴 (b), 織田祐亮 (tp)。メジャーでの3rd.盤になる。音的には「TRI4TH」のバンドとしての「音世界」がしっかりと確立された印象を受ける。オリジナリティーもあるし、フュージョン・ジャズとしての汎用性もあるし、「TRI4TH」としてのバンドサウンドがしっかりと固まった印象を受ける好盤である。
冒頭の「Move On」を聴けば、「TRI4TH」やな〜、と思わずニヤリとする。こういうダイナミックなフュージョン・ジャズ、大好きです。続く2曲目の「For The Loser」は、Kemuri Hornsとのコラボ。ホーンのアンサンブルが「TRI4TH」のダイナミズムと相まって、極上ダンサフルな「スカ」サウンドが心地良い。そして、3曲目の「The Light」至っては、SANABAGUN.のリベラルa.k.a岩間俊樹をフィーチャーし、フュージョン・ジャズとラップのコラボを実現。
冒頭の3曲でかなり「かまされる」のだが、4曲目の「Bring it on」以降は、充実した「TRI4TH」サウンドが展開される。面白いものとしては、6曲目の「Moanin'」。Art Blakey and the Jazz Messengersの名曲なんだが、最初はこのジャズ・メッセンジャースと同じ雰囲気、いわゆるファンキー・ジャズな演奏が繰り広げられ「あれれっ」と思うのだが、途中から、「TRI4TH」サウンドにアレンジされた「Moanin'」が展開される。ホッとするやら、ハッとするやら(笑)。
メジャー3作目ということで、ある意味、今作は3部作的な集大成な、これぞ「TRI4TH」的な内容になっている。現代の先端をいくフュージョン・ジャズな音作りは実に魅力的。テクニックも非常に高度で、一糸乱れぬアンサンブルは疾走感抜群。ボンヤリした頭の中を覚醒させるのに最適な「ながら聴き」ジャズ盤でもあります。ジックリ聴くも良し、ながら聴きで覚醒するも良し。とにかく格好良い、現代フュージョン・ジャズの好盤です。
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