マクパートランドの好トリオ盤
もともと、自分が中学生まで、クラシック・ピアノを弾いていたこともあって、ジャズにおいても「ピアノ」が大好きである。自分で弾いていたので、そのテクニックの素晴らしさとか、その技術の高さが体験的に理解出来るところが良い。ジャズを聴き始めて40年以上になるが、所有する盤も圧倒的に「ジャズ・ピアノ」のリーダー盤が圧倒的に多い。
Marian McPartland『From This Moment On』(写真左)。1979年のリリース。ちなみにパーソネルは、Marian McPartland (p), Brian Torff (b), Jake Hanna (ds)。女性ジャズ・ピアニストの草分け、マクパートランド61歳のトリオ盤。時代はフュージョン・ジャズ全盛時代。そんな時代に、バリバリの純ジャズ志向のピアノ・トリオ盤である。
マリアン・マクパートランドは女性ジャズ・ピアニストのパイオニア。オスカー・ピーターソン女性版と評されたこともある、スイング期からビ・バップ期を始めとして今日まで、ジャズの歴史のほとんどをリアルタイムで活躍した、本格派のジャズ・ピアニスト。また、ジャズ版 「徹子の部屋」みたいな感じのラジオ番組「The Mariian McPartlland Piiano Jazz radiio shows」の司会としても有名でしたね。
この盤は、まさに「正統派ピアノ・トリオ」といった演奏が詰まっていて、全9曲中、マクパートランド作の1曲を除いて、残り8曲はスタンダード曲といった構成。弾きっぷりは見事なバップ・ピアノだが、そこはかとなくロマンティシズム漂う耽美的な響きが特徴的。バリバリとダイナミックに弾きまくるのでは無く、バリバリとテクニックよろしく耽美的に弾きまくるのが、マクーパートランドのピアノ。
誰のピアノか判らずに聴いていると、時々「あれ、チックのピアノかな」と思うところが、ロマンティシズム漂うところ。しかし、バップに弾きまくるところで「あれ、チックと違うな」と思う。そして、繊細なタッチが出てくると、これって女性ピアニストかな、と思う。とにかく素性確かな、正統派のバップ・ピアノ。ジャズの良心のような演奏が見事である。
特にスタンダード曲が実に心地良く響く。唄うが如く、語るが如くの「見事なモダン・ピアノ」。こんなマクパートランド、我が国では全く無名に近く、知る人ぞ知る的な存在であるのが残念でならない。再評価を望みたい。そんなマクパートランドであるが、2013年8月13日、鬼籍に入っている。享年95歳。大往生であった。
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