TZB結成20周年記念ライブ盤
「結成20周年記念ライブ」の文字を見て、へ〜っ、東京ザヴィヌルバッハも結成20周年になるのか、と感慨深い思いがした。東京ザヴィヌルバッハは、キーボード奏者&コンポーザーの坪口昌恭のリーダーユニット。坪口=TZBO の頭文字に東京発、ジョーザヴィヌル、スイッチトオンバッハの意を込めて命名された、とのこと。ユニークである。
Tokyo Zawinul Bach・Reunion『20th Anniversary Live』(写真左)。2019年9月、東京・代官山の「晴れたら空に豆まいて」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、坪口昌恭 (key), 菊地成孔 (sax, rap), 五十嵐一生 (tp), 織原良次 (b), 守真人, 石若駿 (ds), 河波浩平 (vo)。いやはや、東京ザヴィヌルバッハの「オールスター・キャスト」である。
今回「リユニオン」と称し、盟友・菊地成孔と、初期に在籍した五十嵐一生が、2010年代以降、バンド編成に生まれ変わった「東京ザヴィヌルバッハ」に復帰、代表曲の数々を再演したライヴ盤。結成当初は、動変奏シーケンサーM を駆使したマン× マシーン・ランダム・コラージュ感で近未来ジャズのイメージだったが、2012年以降は若手メンバーを採用し、人系バンド編成に変更、ダイナミックなサウンド志向に変わった。
このライブ盤は、2012年以降のバンド志向を踏襲したもの。菊地- 五十嵐- 坪口という強烈な個性のフロント・トライアングルが凄まじいインタープレイを展開する。エレクトロ・ジャズユニットの面目躍如的なスリリングな展開は、現代最高峰の「エレ・ジャズ」の1つと言って良い。特にエレ・ジャズ者には堪らんですな、この演奏。織原良次 (b), 守真人, 石若駿 (ds)のドラム隊も素晴らしい。
特にシンセの使い方が絶妙。日本発のエレ・ジャズとして最高峰のものじゃないかと思う。この音世界って、ウェザー・リポートや、チック・コリア・エレクトリック・バンドに比肩するじゃないかと思うのだ。和ジャズらしい、乾いたファンクネス、端正で整った切れ味の良いパフォーマンス。キャッチャーなメロディーと毒のあるメロディーの融合。思わずウットリと聴き込む。
最後の曲「Drive Inn High」は菊地のラップで、9.11をテーマにしたワードが語られ、メンバー紹介然としたソロまわしでエンディング。このエレ・ジャズのラップが「今様」で良い感じ。ジャズとラップは合いそうで合わないと思っているのだが、この曲はなんとか健闘している。現代の、我が国の「今」のエレ・ジャズ。かなり充実した内容。好ライヴ盤です。
《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況》
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・『Middle Man』 1980
★ まだまだロックキッズ 【更新しました】 2020.10.07 更新。
・The Band の「最高傑作」盤
★ 松和の「青春のかけら達」 【更新しました】 2020.10.07 更新。
・僕達はタツローの源へ遡った
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