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2020年9月 1日 (火曜日)

魅力的な新主流派カウエルです

ブルーノート・レーベルやECMレーベルなど、ジャズの老舗レーベルのカタログの中には、そのレーベル「ならでは」のミュージシャンが、アルバムが存在する。特に、ECMレーベルには、その「ならでは」のミュージシャンの存在がユニーク。どう考えたって、他のレーベルでは絶対に制作しないであろうアルバムを何気なく制作する。ECMレーベルには、独特の「音のポリシー」が存在する。

Stanley Cowell『Illusion Suite』(写真左)。1972年11月、NYのSound Ideas Studioでの録音。ECM 1026番。ちなみにパーソネルは、Stanley Cowell (p, rodes), Stanley Clarke (b), Jimmy Hopps (ds)。ピアノ・トリオの編成。ECMレーベルでは意外と珍しい「NY録音」。演奏するトリオの3人が皆、米国出身でNYを中心に活動していたからか、と思われる。

スタンリー・カウエル自身、3枚目のリーダー作になる。邦題は「幻想組曲」。基本的にカウエルのピアノは「新主流派」に分類される。が、そのピアノはこってこての「モード奏法」では無く、モードもあれば、スピリチュアルもあり、フリーもあれば、現代音楽の様なニュー・ジャズな要素もあり、意外と多様性が個性の「新主流派」である。
 
 
Illusion-suite  
 
 
カウエルのピアノと電子ピアノ(多分、フェンダー・ローズと思われる)は、理知的で流麗で端正、かつ躍動感溢れるもの。クリアで知的なフレーズが印象的で、米国風では無い、どこか理屈で積み上げた様な欧州風なモード演奏が面白い。恐らく、ECMの総帥、アイヒヤーはその「欧州風」な音に着目したのではないか。カウエルのピアノは明らかにECM向きなのだ。

そして、チック・コリアの盟友ベーシスト、スタンリー・クラーク(略称スタン)のベースも聴きもの。ここではアコベを使っているが、このアコベのプレイが凄い。骨太でソリッドで切れ味の良い、ド迫力の重低音でブンブン唸るが、しっかりとメロディアスなベース音。しかも、テクニックは最高。スタンがこんな凄いアコベを弾くなんて。第一期RTFのスタン再来。いやほんと、凄いアコベである。

1980年代以降は教育者としての活動がメイン、リーダー作はほぼスティープルチェイス・レーベルからのリリースに留まったが、1970年代のカウエルのピアノは実に個性的。フュージョン・ジャズ全盛時に、知的なモード・ジャズ。実にクールなピアノで、ちょっとマニアックな存在ではあったが、一度聴けば「その虜になる」。そんな魅力的な新主流派カウエルである。
 
 
 

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