トリヴァーの新盤にビックリ。
ジャズ盤の新作を眺めていて「あらビックリ」。チャールズ・トリヴァー(Charles Tolliver)が新作を出しているではないか。チャールズ・トリヴァーと言えば、スタンリー・カウエルと「Music Inc.」というグループを作り、それと同時にストラタ・イーストというレーベルを立ち上げる等、特に1970年代、積極的な活動を繰り広げました。
彼の吹き鳴らす、繊細さや洒落っ気なんて表現には全く無縁な、それはそれはパワフルなトランペットは、ジャズ喫茶などでちょくちょく聴かせてもらったのを覚えています。力感と疾走感を兼ね備えたトランペッターだったと記憶しています。そうそう、Music Inc.は、ツアーで日本にも来ましたね。1970年代は、トリヴァーは日本のジャズ者の方々の中で、結構、人気があったか、と記憶しています。
Charles Tolliver『Connect』(写真左)。2019年11月、ロンドンの「RAKスタジオ」にての録音。今年7月のリリース。ちなみにパーソネルは、Charles Tolliver (tp), Jesse Davis (as), Binker Golding (ts), Keith Brown (p), Buster Williams (b), Lenny White (ds)。リズム・セクションのベースにバスター・ウィリアムス、ドラムにレニー・ホワイトが担当。うむむ、これは好盤の予感。
チャールズ・トリヴァー・オールスターズ、13年振りのスタジオ録音盤、とのこと。トリヴァーの、パワフルで力感と疾走感を兼ね備えたトランペットは相変わらず。1970年代に活躍した折の、明快でモーダルな演奏や、「キリッ」と切れ味の良いアドリブ・フレーズは、1970年代の演奏に比べて、ほど良い「こく」が滲み出ている感じ。
トリヴァーのトランペットなど、フロント楽器をバックで支えるリズム・セクションがやはり良い。さすがに、モーダルな演奏については、ウィリアムスのベースもホワイトのドラムも超一流。淀みの無い、流れる様な、素敵にモーダルなバッキングを披露している。フロントのモーダルなパフォーマンスとぶつかることが全く無い。現代のネオ・ハードバップの演奏と比べて全く遜色が無い。
フロント楽器のパートナーである、ジェシー・デイヴィスのアルト・サックス、ンカー・ゴールディングのテナー・サックスも見事なパフォーマンス。アルバム全体の収録時間は40分とちょっと短いが、内容が充実しているので全く気にならない、というか、もうちょっと聴きたい感じが残る。何はともあれ、1970年代の人気トランペッター、今年で78歳になる大ベテラン、トリヴァーの快作である。
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