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2020年9月10日 (木曜日)

『スヌーピー』の音楽の作曲者

米国西海岸ジャズ(ウエストコースト・ジャズとも言う)は、ほど良くアレンジされた、聴かせるジャズが多くある。東海岸ジャズの様に、飛び散る汗と煙の中の丁々発止のインタープレイがお好みのジャズ者の方々からすると、西海岸ジャズは、かったるしくて地味なジャズに聴こえるみたいだが、西海岸ジャズには西海岸ジャズの良さがある。頭から否定する様なものでは無いと昔から思っている。

『Vince Guaraldi Trio』(写真左)。1956年4月、San Franciscoでの録音。 Fantasy Recordsからのリリース。ちなみにパーソネルは、Vince Guaraldi (p), Eddie Duran (g), Dean Reilly (b)。オールド・スタイルなピアノ・トリオ編成(1950年代半ば辺りまで、ピアノ・トリオと言えば、このピアノ+ギター+ベースの編成がポピュラーだったのだ)。

ドラムが無い分、洒脱に聴こえる、米国西海岸ジャズ独特の「ほど良くアレンジされた、聴かせるジャズ」である。収録された全10曲中、ヴィンスのオリジナル曲は2曲目の「Fenwyck's Farfel」のみ。残りの9曲はスタンダード曲。スタンダード曲を、ドラムレスの「ピアノ+ギター+ベース」でしっかりと聴かせてくれる。曲毎のアレンジがとても小粋で洒落ているので、飽きずに最後まで楽しめるのだ。
 
 
Vince-guaraldi-trio  
 
 
Vince Guaraldi(ビンス・ガラルディ)って、どこかで聞いたことがある名前なんだがなあ、と思って調べたら、『スヌーピー』の音楽の作曲者。チャーリー・ブラウンとピーナッツの仲間たちの、可愛く楽しいサウンド・トラックを数々手掛けてきたジャズ・ピアニスト。確かに、この初リーダー作でのヴィンスのピアノは暖かく柔らかいタッチで、そのユニークな将来の片鱗を聴かせてくれる。

アルバム全体のアレンジの志向は、決して、ヴィンスのピアノを目立たせようとするものでは無い。トリオのアンサンブルを心地良く印象良く聴かせようとする、ちょっと温和しめで、ちょっと地味なアレンジ。しかし、そんなジェントルなアレンジをヴィンスのクリアなピアノが、様々なフレーズをクッキリ浮き立たせている。暖かく柔らかいタッチだが、その一音一音に「芯」がある。意外と隅に置けないピアノである。

この初リーダー作を聴くたびに、もっと、純ジャズのフィールドで活躍して欲しかった、と思うのだ。1960年代に入って『スヌーピー』の音楽の作曲を手掛けたり、様々な音楽活動で活躍したが、ファンタジー・レコードに対する訴訟など、1960年代はあまり恵まれた環境では無かった。1970年代は『スヌーピー』の音楽の作曲での成功があったから良かったものの、音楽活動そのものは芳しいものでは無かった様だ。そして、1976年2月、カリフォルニア州メンローパークにて、47歳にて逝去している。
 
 
 

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