現代の, 最近のモード・ジャズ
昨日、ジョーヘンのモード・ジャズについて語った訳だが、現代の, 最近のモード・ジャズってどんな状況なのだろうか。というか、最近のネオ・ハードバップって、基本的にモード・ジャズがメインなのだ。その基本的なモードが、判り易い聴き手志向モードと難解だが良い意味で技術志向のモードと大きく二分されているのではないか、と感じている。
Gerald Clayton『Happening : Live at The Village Vanguard』(写真左)。2019年4月、NYのライブハウス「The Village Vanguard(略称「ビレバガ」)でのライブ録音。ブルーノート・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Gerald Clayton (p), Logan Richardson (as,track1, 2, 4, 7), Walter Smith III (ts, track1, 2, 4, 5, 7), Joe Sanders (b), Marcus Gilmore (ds)。最近、人気急上昇のピアニスト、ジェラルド・クレイトンのブルーノート・デビュー作。
リーダーのピアニスト「ジェラルド・クレイトン」は、ベース奏者のジョン・クレイトンを父に持ち、アルト・サックス奏者のジェフ・クレイトンを叔父に持つ、ジャズ界のサラブレッド的存在。1984年5月11日、オランダのユトレヒトで生まれ、ロサンゼルスで育った。今年で36歳。ジャズ界では「中堅」の位置づけ。Billy ChildsとKenny Barronからピアノを学んでいる。
しかし、彼のピアノは、Billy ChildsとKenny Barronからピアノを学んだとは思えない、完璧なまでの「モード」。しかも、ハイ・テクニックと独特の感性を最大限に活かした「難解だが良い意味で技術志向のモード」である。聴き味は取っ付き難い。捻れたスイング感とでも評したら良いだろうか。アドリブのリズム&ビートが聴き慣れない独特なもの。とても新しい響きに感じる。
このクレイトンの「独特なモード」に追従する、フロント2管の二人も素晴らしい。クレイトンのモードをよく理解し、よく予測しつつ、クレイトン志向のモーダルなアドリブ・フレーズを繰り出している。リズム隊もその適応力は素晴らしい。フロント2管とリズム隊の適応力と応用力の素晴らしさは、このライブ音源を聴けば直ぐに判る。
確かに難解ではある。しかし、バンド全体の高度なテクニックで、難解で捻れたモーダルな演奏を理解しやすく、鑑賞に耐えるものに仕立て上げている。このテクニックたるや見事である。難解で捻れたモードではあるが、意外とその「難解で捻れた」ところが癖になって、また聴きたくなるから不思議。現代の, 最近のモード・ジャズの良好なサンプルがこのライブ盤にぎっしり詰まっている。
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