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2020年8月 2日 (日曜日)

ヤング・ホルト・アンリミテッド

ジャズを聴き始める前、高校時代の後半は、米国ルーツ・ミュージックが大好きになり、FMのエアチェックについては、ソウルやR&Bにも手を出すようになっていた。そして、大学に入ってジャズを聴き始めて、ジャズの合間の耳休めには、ソウルやR&Bを聴いたり、クロスオーバー・ファンクのアルバムを紹介して貰ったりして、足で拍子を取りながら、研究論文を読みながら、秘密のジャズ喫茶の昼下がりを過ごしていた記憶がある。

Young-Holt Unlimited『Oh Girl』(写真左)。1972年5月はシカゴ、1972年8月はNYでの録音。ちなみにパーソネルは、Eldee Young (b), Ralph MacDonald (perc), Isaac "Redd" Holt (ds), Marcus Curry (el-g), Bobby Lyle, Ken Chaney (el-p, ac-p)。内容としては、クロスオーバー・ジャズの範疇、ソウル・ミュージックとエレ・ジャズの融合。こってこてファンクで、むっちゃグルーヴィーな音世界である。

「Young-Holt Unlimited」は、ベースのエディー・ヤングとドラムのレッド・ホルトのリズム隊コンビがメイン。我が国では一般には知られていない。しかし、レア・グルーヴ、サンプリングの世界では有名。とにかくこの盤のファンクネスとグルーヴ感、ブラック・ミュージック好きには堪らない。しかも、この盤、ボーカルが入らない。クロスオーバー・ファンクな演奏だけで、このグルーヴ感を醸し出す。堪らない。
 
 
Oh-girl-youngholt-unlimited
 
 
リズム隊がメインなので、ドラムブレイクやうねるようなファンキー・ビート、粘るベースラインなど、ジャズ・ファンクな要素がギッシリ詰まっていて、聴き始めると、足でリズムを取る、腰が動く、体を揺する。とにかく強烈なグルーヴ感。キーボードもソウルフルで、コロコロとした単音のエレピが心地良さを増幅。時代として、まだまだ電気楽器の性能が低いなか、このうねるようなグルーヴ感は凄まじいものがある。

ポインター・シスターズ名曲のカヴァー「Yes We Can」、デオダートの指揮でチャイ・ライツの名曲をカヴァーした「Oh Girl」など、ファンクネスのうねりが芳しく、レッド・ホルト作の「Rubber Lips」のむっちゃ渋いドラムブレイク、ダンディズム溢れるジャズ・ファンク曲「Bumpin' On Young Street」等、聴きどころ満載。

実はこの盤、ヤング・ホルト・アンリミテッドの最後のアルバムで、1974年にバンドを解散、ヤングとホルトは1980年代にラムゼイ・ルイスのグループに戻っている。そう、このヤング・ホルト・アンリミテッド、やっぱり、1960年代後半のラムゼイ・ルイスが関係しているんですね。こってこてファンクでグルーヴィーでありながら、破綻せず端正でポジティヴなジャズ・ファンクを叩き出す。何となく、ラムゼイ・ルイスを彷彿とさせますね。なんか納得しました
 
 
 

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