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2020年8月 6日 (木曜日)

ボサノヴァ・オルガンの第一人者

夏真っ盛りである。かなり強力で長い梅雨が終わったと思ったら、連日の夏空、連日の真夏日である。しかも陽射しは強く、湿気は多い。これは辛い。家に引きこもるのは良いが、熱中症には要注意である。そうなってくると、日頃聴くジャズも志向が変わってくる。やっぱり夏は「ボサノヴァ・ジャズ」だ。爽やかで軽快で暑さを精神的に凌げる「ボサノバ・ジャズ」が一番だ。今年も「ボサノヴァ・ジャズ」の季節がやってきた。

Walter Wanderley『Batucada』(写真)。1967年5〜6月、ハリウッドの Western Recorders での録音。ちなみにパーソネルは、Walter Wanderley (org), Jose Marino, Sebastian Neto (b), Dom Um Romao, Paulinho (ds), Marcos Valle (g),Lu Lu Ferreira (perc), Claudio Miranda, Talya Ferro (vo)。オルガンのワンダレイをリーダーに、オルガン・トリオ+ギター、パーカッションのクインテット構成。2曲ほど、ヴォーカルが入る。

録音年は1967年。レーベルはヴァーヴ。プロデューサーはクリード・テイラーとくれば、大衆向けのポップでイージーリスニング志向のライトなジャズが思い浮かぶ。この盤もその志向を踏襲していて、オルガンによる「ボサノヴァ・ジャズ」だが、聴き心地と聴き易さを追求した作りになっている。リズム&ビートも無難にまとめ、オルガンの響きは何処までも耳当たりが良い。
 
 
Batucada
 
 
時代の要請をよく反映しているイージーリスニング志向の「ボサノヴァ・ジャズ」なんだが、意外とリーダーでオルガン担当のワンダレイの弾きっぷりが、耳当たりは良いが、結構切れ味良く尖っていて、アルバム全体の雰囲気をグッと締めている。イージーリスニング風に甘きに流れないところがこの盤の良いところ。繰り出されるフレーズは、ポップで流麗ではあるが甘さは極力控えめ。

アルバムの帯紙には「ボサノヴァ・オルガンの第一人者」とあるが、そう言えば、ワルター・ワンダレイって、ブラジル出身のオルガニスト。ボサノヴァをしっかり体で理解しているオルガニスト故、ボサノヴァ・ジャズをやっても甘きに流れないのだろう。耳当たりの良いボサノバのメロディーの本質を知っている。ボサノバはムード音楽ではない。ボサノヴァの本質は「サウダージ(郷愁、哀愁)」にある。意外と硬派な音楽なのだ。

ブラジル出身のオルガニストの上質な「ボサノヴァ・ジャズ」盤。聴き流しに好適と思いきや、意外と何かをしながらの「ながら聴き」には向かない。暑い夏の昼下がり、夏空を見ながら涼しい部屋の中で耳を傾けるのが一番良い塩梅。おそらく、この盤の演奏の底に流れる「サウダージ(郷愁、哀愁)」が耳に残り、意識を演奏の「音」に集中させるからではないか、と思っている。聴き応え十分な「ボサノヴァ・ジャズ」。
 
 
 

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