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2020年8月14日 (金曜日)

北欧の「ネオ・ハードバップ」盤

欧州ジャズが気に入っている。欧州ジャズについては、僕がジャズを聴き始めた1970年代後半、我が国ではフュージョン・ジャズが大流行していた訳だが、その裏でメインストリーム・ジャズについては、エリア的広がりが出てきた。いわゆる「欧州ジャズ」のアルバムが我が国でも流通するようになった。代表的なレーベルとしては、ECM、SteepleChase そして、Enjaである。

以降、欧州ジャズのアルバムは定期的に我が国でもコンスタントに流通するようになり、特にインターネットの時代に入ってからは、欧州ジャズの情報がかなり速く入って来る様になり、ネットでの音楽のダウンロード・サイトが開設されて以降は、ダイレクトに欧州ジャズの音源が入手出来る様になった。インターネットのお陰で、ジャズについては、グローバル・サイズで体験できる様になった。

Jesper Thilo『Swing is the Thing』(写真左)。2019年10月23日-25日、コペンハーゲンの「ザ・ヴィレッジ」での録音。ちなみにパーソネルは、Jesper Thilo (ts), Søren Kristiansen (p), Daniel Franck (b), Frands Rifbjerg (ds)。デンマーク・ジャズ界の巨人、テナーマンの Jesper Thilo (イェスパー・シロ)がリーダーの好盤。約10年ぶりとなる新録音となる。
 
 
Swing-is-the-thing  
 
 
解説によると「スタジオ録音ではあるが、編集や修正なしのライヴ的録音」とのこと。確かにライブ感溢れる演奏で、とりわけ、リーダーのイェスパー・シロののテナー・サックスが凄く良い音を出している。端正で骨太、躍動感溢れスケールの大きい、スインギーなテナー・サックス。本場米国ジャズでも十分に通用するどころか、イェスパー・シロに匹敵するテナーマンはなかなかいない。

選曲も実にふるっていて、ディジー・ガレスピー、ジョージ・ガーシュウィン、オスカー・ペティフォード、ヴァーノン・デューク、ジョン・クレナー、アール・ハインズらのスタンダード・ナンバーを披露していて、このスタンダード曲の演奏が実に味わい深い。北欧ジャズらしからぬ、ストレートアヘッドでハードバップな演奏が繰り広げられている。

ピアノのクリスチャンセンはデンマーク、ベースのフランクはスウェーデン、リフビャフはデンマーク。デンマーク出身3人+スウェーデン出身1人の北欧ジャズのワンホーン・カルテット。北欧ジャズと聞くと、ECMレーベルの影響からか、耽美的で静的なジャズを想起するが、この盤はちょっと違う。クールで躍動感溢れる「ハードバップ」な雰囲気。北欧の「ネオ・ハードバップ」盤。好盤です。
 
 
 

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