現代のジャズ・ファンクなギター
僕がジャズを聴き始めて、ジャズ・ギターは一番後回しにした楽器である。ジャズをかれこれ聴き始めて40年余になるが、ジャズ・ギターについて本腰を入れて、アルバム・コレクションを始めたのが21世紀に入ってからである。しかも、現代の、その時点での第一線で活躍していたギタリストをメインにコレクションを始めたので、ちょっと偏りがある。
そんな中で、最初にお気に入りのギタリストになったのが、パット・メセニー、ジョン・スコフィールド、アラン・ホールスワーズの3人。正統なモダン・ジャズの歴史に沿ったセレクションでは無かった。1950年代から1960年代のいわゆるハードバップ系のギタリストについては、どうも皆、同じに聴こえてしまう(今は違うけど)。ジャズ・ギターについては、とにかく個性的な音が欲しかったので、パット・ジョンスコ・アランの3人になったのだろう。
John Scofield『Bump』(写真左)。2000年のリリース(1999年の秋の録音)。ちなみにパーソネルは、John Scofield (g), Mark De Gli Antoni (key), Chris Wood, David Livolsi, Tony Scherr (b), Eric Kalb, Kenny Wollesen (ds), Johnny Almendra, Johnny Durkin (perc)。ジョンスコの元にジャムバンド・シーンを代表するバンドからツワモノどもが集結している。
捻れまくった、変幻自在のオーバードライヴしたジョンスコのエレギが無茶苦茶に格好良い。ウネウネうねりまくり、ウワーンと拡がり、キュキューと捻れて伸びる「変態ギター」。ビートは重いファンク・ビート。現代の、21世紀のジャズ・ファンクがこの盤に詰まっている。冒頭の「Three Sisters」のギターのフレーズをちょっと聴くだけで「ジョンスコ」と判る、むっちゃ個性的なギターである。
メデスキ・マーティン&ウッド、ソウル・コフィング、ディープ・バナナ・ブラックアウト、セックス・モブといった、ロック~ファンク系・オルタナ~アンダーグラウンド系のジャム・バンドのメンバーを集めてセッションを繰り広げた「ジョンスコの考えるジャムバンド・ミュージック」。ジョンスコは当時49歳。年齢的にベテランの域に入ってはいたが、この新しい音へのチャレンジ精神は素晴らしいの一言。
とにかく、ジョンスコのギターが「捻れに捻れまくって」います。それも素敵に爽やかに心地良く「捻れる」。それがジョンスコの個性。「捻れて」はいるものの、フレーズの作り、フレーズのビートはジャズの域にしっかり留まっていて、捻れフレーズの底にスイング感が見え隠れするところが「ニクい」。この盤のジョンスコ、大のお気に入りです。
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