ジャズ喫茶で流したい・182
昨日、Diane Schuur(ダイアン・シューア)の新盤をご紹介したんだが、ボーカルものついでに、John Pizzarelli(ジョン・ピザレリ)の現時点での新盤もご紹介した。2019年、昨年のリリースで、入手して聴いて「これは良いなあ」と感心したんだが、どうも、当ブログでご紹介するのを失念していたらしい。
John Pizzarelli Trio『For Centennial Reasons: 100 Year Salute to Nat King Cole』(写真左)。2019年2月のリリース。ちなみにパーソネルは、John Pizzarelli (g, vo), Mike Karn (b), Konrad Paszkudzki (p)。ギター弾き語りの名手ジョン・ピザレリのリーダー作である。ピザレリの弾き語りの妙技を堪能できる、ドラムレスのシンプルなトリオ構成。
ナット・キング・コールの生誕100周年記念の「ナッキンコール」トリビュート盤である。ピザレリはトリビュートものが大好きみたいで、これまで、デューク・エリントンやジョニー・マーサー、ポール・マッカートニーにフランク・シナトラ、アントニオ・カルロス・ジョビンのトリビュート盤をリリースしている。まあ、アルバムのテーマを明快に設定することは良いことである。
ナット・キング・コールの名曲をピザレリ流にアレンジしたものなのだが、これがなかなか洒落ている。「The Very Thought Of You」「It's Only A Paper Moon」「Body And Soul」「When I Fall In Love」などが選曲されているが、どらもが
ナット・キング・コールの歌唱で有名なものばかり。それらをピザレリはコールに似せるのでは無く、ピザレリ流に焼き直して、お洒落に聴かせてくれる。
ピザレリのボーカルについては、スインギーでムード満点。加えて、ギターとお得意のスキャットはスイング感満点。曲毎にしっかりと情感を込めて歌い込む様は素晴らしいの一言。この手のコンテンポラリーなジャズ・ボーカルって、やっぱり良いな、と思う。ピザレリは1960年生まれだから、この盤の録音時は59歳。ベテラン・ジャズマンの域に達しつつあり、この盤の歌唱は特に堂に入ったもの。
ナット・キング・コールのトリビュート盤ゆえ、このピザレリ・トリオの構成は、ドラムレスのピアノ、ギター、ベースの構成になっている。これって、ナット・コール・トリオが広めた構成。今では殆ど見かけ無くなったが、1950年代に入る頃まで、ピアノ・トリオと言えばこの「ドラムレス構成」が主流だった。こんなところにも、この盤に対するピザレリの拘りが垣間見えて面白い。
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