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2020年8月19日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・184

ライブラリを眺めていて、久し振りにこのピアニストの名前に出くわした。Denny Zeitlin(デニー・ザイトリン)。「医師とジャズピアニスト」という二足の草鞋を履く異色の人物。医師は医師でも精神科医。これは異色も異色、大異色である。

ザイトリンは1938年の生まれ。今年で82歳になる。もう大ベテランというか、レジェンドの域である。本業である精神科医の仕事をこなす傍ら、プロのピアニストとしての活動も続けてきたザイトリン。しかも双方の仕事において、それぞれ一流の域に達していたと言うのだから凄い。

Denny Zeitlin & Charlie Haden『Time Remembers One Time Once』(写真)。1981年7月、サンフランシスコのライブハウス「Keystone Korner」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Denny Zeitlin (p), Charlie Haden (b)。

ジャケットを見ながら、どこのレーベルからのリリースかしら、と思って調べてみたら、なんとECMレーベルからのリリースである。もちろん、プロデューサーは Manfred Eicher(マンフレッド・アイヒヤー)。

ザイトリンがECMレーベルからアルバムをリリースしていたことは全く知らなかった。実はこのライヴ盤を聴く前、どのレーベルからのリリースか全く知らず、ジャケットを見ても判らず、ザイトリンのピアノの音を聴いていて、なんだかECMレーベルっぽい音やなあ、とボンヤリ思っていた次第。ピアノにかかっているエコーがECMらしいのだ。ザイトリンのピアノをグッと引き立てている。
 
  
Time-remembers-one-time-once  
 
 
ザイトリンのピアノは耽美的でリリカル。タッチは硬質で明確、フレーズはちょっとクラシックっぽい。ファンクネスは皆無、どちらかと言えば、欧州的なピアノである。ビル・エヴァンスを欧州風にした様な感じ、とでも形容したら良いか。流麗でエッジの効いた聴き味満点のジャズ・ピアノである。

そんなザイトリンのピアノに絡むヘイデンのベース。このヘイデンのベースが素晴らしい。ソロでも唄うが如く、流麗で力強い骨太のベースが鳴り響くのだが、そんなヘイデンのベースがザイトリンのピアノに絡むと、これまた素晴らしい、硬軟自在、濃淡自在、緩急自在のインタープレイが展開される。

ヘイデンのベースはどちらかと言えば、前に前に出る、主張するベースなのに、決して、ザイトリンのピアノの邪魔にならない。どころか、ピアノのフレーズの良さを増幅している。ザイトリンの紡ぎ出すフレーズを明確に浮き立たせている様だ。デュオの達人、チャーリー・ヘイデンの面目躍如。

ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌で採り上げられたことは滅多に無いデュオ盤ですが、これがまあ、素晴らしい内容です。ザイトリンとヘイデン、相性バッチリです。そんなザイトリンとヘイデンの「一期一会」なデュオ演奏。ECMレーベルからのリリースということもあって、とても硬派な、そして欧州的な純ジャズ盤に仕上がっています。お勧めの好盤です。
 
 
 

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