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2020年8月20日 (木曜日)

夏はボサノバ・ジャズ・その31

夏はボサノバ、というが、今年はボサノバ・ジャズを聴いても、全く涼しい気分にならない。「酷暑」である。もともとボサノバはブラジルの産物なんだが、そもそもブラジルの夏も蒸し暑い。そんなブラジル産のボサノバを基にしたジャズを聴いても、ちっとも涼しくない。朝からエアコンを効かせて、やっとボサノバ・ジャズを聴いて「涼しいねえ」という気分になる(笑)。

Laurindo Almeida『Viva Bossa Nova!』(写真左)。1962年9月の録音。ちなみにパーソネルは、Laurindo Almeida (g, cavaquinho), Al Viola, Howard Roberts (g), Jimmy Rowles (el-org), Bob Cooper (ts), Don Fagerquist (tp), Justin Gordon (fl), Max Bennett (b), Chico Guerrero, Milt Holland, Shelly Manne (ds, perc)。

ボサノバの先駆者の1人、ブラジリアン・ギタリスト、ローリンド・アルメイダが、米国西海岸ジャズの一流ジャズメンと制作したボサノバ・ジャズの好盤。米国西海岸ジャズらしい、しっかりとアレンジされ準備された、イージーリスニング・ジャズ志向の、ライトで脱力系のボサノバ・ジャズである。いわゆる「聴き流し」に最適なボサノバ・ジャズと言える。
 
 
Viva-bossa-nova  
 
 
それでも、アルメイダのギターは切れ味良く、ソロを取るにもリズムを取るにも実に「小気味良い」。カヴァキーニョ(サンバやショーロ等に使われるブラジルの弦楽器)まで持ち込んで気合い十分。ブラジルのボサノバ、サンバの雰囲気が濃厚に漂うギターの調べ。このアルメイダのギターの存在だけで、この盤は「ボサノバ・ジャズ」として成立している。

収録曲を見渡すと、ボサノバの名曲の他、映画音楽、有名スタンダード曲など、バラエティーに富んではいるが、結構、俗っぽい選曲になっていて、よくアルメイダもこの録音企画に乗ったもんだ、と感心する。バックの米国西海岸ジャズのメンバーがとにかくムーディーでブリージーな伴奏に徹しているので、もう少しで「平凡なイージーリスニング・ジャズ」に陥るところを、アルメイダの切れ味の良いボサノバ・ギターが、しっかりと救っている。

このボサノバ・ジャズ盤は、アルメイダのギターを愛でる、これ一本の好盤。西海岸ジャズの優秀どころのバックの演奏については、あまり聴くべきところは無い。しかし、このムーディーでブリージーな甘いバックの伴奏が、アルメイダのギターの引き立て役になっているのだから、音楽っていうのは面白い。
 
 
 

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