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2020年8月の記事

2020年8月31日 (月曜日)

現代のジャズ・ギターの好盤

ジャズ・ギタリストの中で、大のお気に入りではないのだが、どうにも隅に置けない、リーダー作に出会うと、ついつい聴き込んでしまうギタリストがいる。「Bill Frisell(ビル・フリセール)」である。この人のギターは「変わっている」。良い意味で「変態ギター」と言っても良い。ジャズトしてノーマルなフレーズが出てこない。圧倒的に個性的な「捻れた」ギターが飛び出してくる。

初めて聴いた時には、この怪しく捻れたエレギの音、そして、どう聴いてもモダン・ジャズギターとは言えない、独特なビート感とスレーズを持った弾き回しに唖然とした。あまりに個性的なので一聴すれば、フリセールのギターと判るが、その癖と個性が強烈で、そう、ピアノで言えば「セロニアス・モンク」に似たところがある。とにかく「変わった(ユニークな)」変則ジャズ・ギターである。

Bill Frisell『Valentine』(写真左)。2020年08月のリリース。ちなみにパーソネルは、Bill Frisell (g), Thomas Morgan (b), Rudy Royston (ds)。ブルーノート・レーベルからリリース。現代ジャズ・ギターの重鎮の1人、個性的な変則ギタリスト、ビル・フリゼールの最新作。フリゼールが切望してレコーディングに至ったという作品である。
 
 
Valentine-bill-frisell
 
 
ベースのトーマス・モーガンとは、昨年2019年にデュオ盤をECMレーベルからリリース、そして、同年、ビレッジ・バンガードでライヴを実施した折のドラマーのルディ・ロイストン(トーマス・モーガンもベースで参加)。そんな緊密な関係を創り上げてきた3人でのトリオ作品。フリゼールが最も信頼しているメンバーと創り上げたトリオ演奏である。

全編、コンテンポラリーなニュー・ジャズな演奏がてんこ盛り。フリゼールお得意の、従来のジャズには無いユニークなフレーズ展開の数々。そんな限りなく個性的で捻れたフリゼールのフレーズに、ベースのモーガンとドラムのロイスマンが硬軟自在、縦横無尽、緩急自在に応対する。その応対の柔軟性は、フリゼールのあまりに個性的なフレーズを阻害すること無く、逆に個性を浮き立たせ増幅させる様なサポートはお見事。

あまりに個性的で捻れたエレギなので、アブストラクトにフリーキーに展開するかと思いきや、しっかりとベースのモーガンとドラムのロイスマンがリズム&ビートをコントロールし、フリゼールのあまりに個性的なエレギをコンテンポラリーな純ジャズの範疇に帰結させる。そんな良きリズム隊を得て、フリゼールはその個性を最大限に発揮させながら、捻れたエレギを弾きまくる。フロントとバックの相乗効果が素晴らしい、現代のジャズ・ギターの好盤である。
 
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況
 

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2020年8月30日 (日曜日)

ジャズ喫茶で流したい・186

ハードバップの流行時期は諸説あるが、1950年代〜1960年代前半と僕は思っている。それではそれ以降、ハードバップは演奏されなくなったのか、と問われれば、答えは「否」で、1970年代〜1980年代前半のフュージョン流行期にも、ハードバップは演奏されていた。それだけ需要があったということで、ジャズという音楽ジャンルの裾野は意外と広い。

ハードバップの流行期に活躍したジャズマンの中には、以降、1970年代〜1980年代前半のフュージョン流行期を乗り切り、1980年代後半以降の「純ジャズ復古ムーブメント」のモード・ジャズ偏重をものともせず、中には米国を離れて欧州にその活躍の場を求めた者もいるが、1950年代に流行したハードバップを頑なに守り続け、演奏し続けた強者ジャズマンは多数いる。

Art Farmer『Soul Eyes』(写真左)。1991年5月、福岡ブルーノートでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Art Farmer (flumpet), Geoff Keezer (p), Kenny Davis (b), Lewis Nash (ds)。ハードバップ時代から第一線で活躍してきた、トランペット&フリューゲルホーン奏者、アート・ファーマーがワンホーンのカルテット盤である。
 
 
Soul-eyes-art-farmer
 
 
このライブ盤では、ファーマーは「flumpet(フランペット)」という、トランペットとフリューゲルホルンの構造と音色を併せ持つハイブリッド型金管楽器を吹いている。この楽器、とても珍しく、トランペットとフリューゲルホーンの名手であるアート・ファーマーの為に考案されたらしい。このフランペットを演奏するトランペット奏者は少ない。まず、ジャズ界ではファーマーのみである(私の知る限りであるが)。

録音当時、63歳のファーマーであるが、この不思議な楽器「フランペット」をバリバリに吹きまくっている。その吹きっぷりは、暖かい音色と鋭いアタック、厚くて豊かな、そして柔らかで丸い音質。フランペットの導入が成功している。このライブ盤でのファーマーのダンディズム溢れる、力強い、ハードバップな吹きっぷりは特筆に値する。

当時、若手有望株なピアニストであったジェフ・キーザーも頑張っています。ガンガンにハードバップなフレーズを弾きまくります。そして、バックで容赦なくファーマーをキーザーを鼓舞するルイス・ナッシュのドラム。これまた見事なバップ・ドラム。1991年という、メインストリーム・ジャズとして微妙な時期のライブ録音ですが、素晴らしいハードバップなパフォーマンスに圧倒されます。好盤です。
 
 
 

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2020年8月29日 (土曜日)

アラン・ホールズワース入門盤

アラン・ホールズワースを腰を据えて聞き始めたのも、21世紀に入ってからである。それまで存在だけは知っていたし、テンペスト、ソフト・マシーン、ゴング、U.K.などといったプログレッシブ・ロック、ジャズ・ロックのバンドを渡り歩いていた時の彼の演奏も聴いている。

ジャズ寄りのアルバムとしては、1976年、CTIレーベルからのリリース『Velvet Darkness』は所有していた。まあ、このアルバムは、ホールズワースからすると、本人の了解無く、CTIレーベルが勝手にリリースしたもの、とのことで、ホールズワースは正式な彼のリーダー作とは認定していないらしい。

Allan Holdsworth『The Sixteen Men of Tain』(写真左)。1999年の録音、2000年のリリース。ちなみにパーソネルは、Allan Holdsworth (g, SynthAxe), Gary Novak (ds), Chad Wackerman (ds,track 6 only), Dave Carpenter (b), Walt Fowler (tp)。テクニカル系ギタリストの大御所、アラン・ホールズワース通算10枚目のリーダー作。

今回、聴き直した盤は「スペシャル・エジション盤」。オリジナル盤と何が違うのかと見たら、「Above And Below」という曲の別テイクが追加された、そして曲順が変更されている。どういう意図でこういう対応がなされたのか、本人から明確な説明が無いのだが、なんしか、やりたかったのでしょう(笑)。奇人ホールズワースの面目躍如っぽい仕業ではあります(笑)。
 
 
The-sixteen-men-of-tain  
 
 
さて、その内容は、というと、いつものホールズワース節が「てんこ盛り」で、唯我独尊、天涯孤独、我が道を往く風の弾きっぷりがたまりません。ホールズワースのエレギは、ストレートに「ひねる」様なギターで、同様な個性を持つギタリスト、ジョンスコは「ねじれる」のですが、ホールズワースは「ひねる」。

スーッと伸びて小粋に「ひねる」。フレーズはストレートでシンプル。音の端々で「ひねって」いるんですが、あんまり気にならない。個性の範囲内での「ひねり」で、なかなか聴き応えがあります。

何故か評判の芳しく無い「SynthAxe(シンタックス)」についても、この盤では趣味良く使い回していて、耳に付かない。ひねり方もこの盤では、どこか「穏やか」で、ジャズっぽくて聴き易い。ホールズワーズのジャズ・エレギを聴く上で、とても入り易い盤です。

フレーズはストレートでシンプル。音の端々で「ひねって」いるんですが、あんまり気にならない。個性の範囲内での「ひねり」で、なかなか聴き応えがあります。ホールズワース入門盤としてお勧めの好盤です。

実はこの盤の後は自主制作盤が出ただけで、レコード会社からのメジャーなアルバムはこの『The Sixteen Men of Tain』最後でした。そして、2017年、70歳で鬼籍に入りました。この唯我独尊、天涯孤独、我が道を往く風のホールズワースのエレギが聴けなくなった訳ですが、音源はある程度残っているのが救いです。今では徐々に聴き直しをしつつ、彼を偲んでいます。
 
 
 




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2020年8月28日 (金曜日)

ナチュラルなエレ・フュージョン

TRIX(トリックス)は、熊谷徳明(元CASIOPEA)、須藤満(元T-SQUARE)、AYAKI、佐々木秀尚からなるフュージョン・ジャズバンド。2004年にバンド名をTRIXに固定しアルバムをリリースするなど定期的な活動を開始。バンド名「TRIX」の由来については、楽曲にコミカルな要素があったり、ライヴに仕掛け的要素が多い面を強調して、英単語の「TRICK」をもじって「TRIX」と名付けらしい。

TRIX『PRESENT』(写真左)。今月リリースされたてのホヤホヤ。改めてメンバーは、 熊谷徳明 (ds), 須藤満 (b), AYAKI (key), 佐々木秀尚 (g)。この盤の内容は一言で言うと、テクニック優秀、パワー全開のエレ・フュージョンである。今回の『PRESENT』は、2004年発表のファースト作『INDEX』以来、17年連続リリースとなる最新アルバムになる。
 
熊谷徳明が元CASIOPEA、須藤満が元T-SQUARE。このバンドを語る上で、絶対に出てくるフレーズが「我が国のフュージョン・シーンの2トップ、カシオペアとTスクエア両方の DNA を受け継いで、その王道をひた走るフュージョン・バンド」。確かに、音作りは、日本のエレ・フュージョンの2トップの音作りを踏襲している、というか、メンバー編成はほぼ同じなので、エレ・フュージョンをやったら、その音は自ずと似てきてしまう。
 
 
Present-trix  
 
 
リーダーの熊谷がこのバンドを「ハイパーテクニカル・コミック・フュージョン・サービス団体」と称しているが、納得の内容である。エレ・フュージョンな音世界だが、CASIOPEAやT-SQUAREに比べて、あっけらかんとしていて明るいサウンドである。特にこの新盤については、シンプルでスッキリとしたナチュラルな音作りになっている。

もともとこのバンド、テクニックは素晴らしいのだが、そのハイ・テクニックを前面には押し出していない。あくまで、メロディーとアドリブの「流れと展開」重視の演奏内容が好ましい。演奏の「圧」は強力で、どの曲もポジティヴなフレーズでグイグイ押してくる。が、切れ味良く、フレーズがメロディアスなので、耳が疲れることは無い。聴いていて、何だか心が明るくなる様な、良心的な「圧」が、このバンドの個性かな。

CASIOPEAでもなければ、T-SQUAREでもない。我が国のエレ・フュージョン・バンドの3つ目の個性「TRIX」。コロナウィルスの件で、まだまだ大変な状況は続いているが、そんな環境下で、今回の新盤は、コミカルな要素を極力控えた、ストレートでナチュラルなエレ・フュージョンな音が爽快である。暫くヘビロテ盤の予感。好盤です。
 
 
 




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2020年8月27日 (木曜日)

現代のジャズ・ファンクなギター

僕がジャズを聴き始めて、ジャズ・ギターは一番後回しにした楽器である。ジャズをかれこれ聴き始めて40年余になるが、ジャズ・ギターについて本腰を入れて、アルバム・コレクションを始めたのが21世紀に入ってからである。しかも、現代の、その時点での第一線で活躍していたギタリストをメインにコレクションを始めたので、ちょっと偏りがある。

そんな中で、最初にお気に入りのギタリストになったのが、パット・メセニー、ジョン・スコフィールド、アラン・ホールスワーズの3人。正統なモダン・ジャズの歴史に沿ったセレクションでは無かった。1950年代から1960年代のいわゆるハードバップ系のギタリストについては、どうも皆、同じに聴こえてしまう(今は違うけど)。ジャズ・ギターについては、とにかく個性的な音が欲しかったので、パット・ジョンスコ・アランの3人になったのだろう。

John Scofield『Bump』(写真左)。2000年のリリース(1999年の秋の録音)。ちなみにパーソネルは、John Scofield (g), Mark De Gli Antoni (key), Chris Wood, David Livolsi, Tony Scherr (b), Eric Kalb, Kenny Wollesen (ds), Johnny Almendra, Johnny Durkin (perc)。ジョンスコの元にジャムバンド・シーンを代表するバンドからツワモノどもが集結している。
 
 
Bump
 
 
捻れまくった、変幻自在のオーバードライヴしたジョンスコのエレギが無茶苦茶に格好良い。ウネウネうねりまくり、ウワーンと拡がり、キュキューと捻れて伸びる「変態ギター」。ビートは重いファンク・ビート。現代の、21世紀のジャズ・ファンクがこの盤に詰まっている。冒頭の「Three Sisters」のギターのフレーズをちょっと聴くだけで「ジョンスコ」と判る、むっちゃ個性的なギターである。

メデスキ・マーティン&ウッド、ソウル・コフィング、ディープ・バナナ・ブラックアウト、セックス・モブといった、ロック~ファンク系・オルタナ~アンダーグラウンド系のジャム・バンドのメンバーを集めてセッションを繰り広げた「ジョンスコの考えるジャムバンド・ミュージック」。ジョンスコは当時49歳。年齢的にベテランの域に入ってはいたが、この新しい音へのチャレンジ精神は素晴らしいの一言。

とにかく、ジョンスコのギターが「捻れに捻れまくって」います。それも素敵に爽やかに心地良く「捻れる」。それがジョンスコの個性。「捻れて」はいるものの、フレーズの作り、フレーズのビートはジャズの域にしっかり留まっていて、捻れフレーズの底にスイング感が見え隠れするところが「ニクい」。この盤のジョンスコ、大のお気に入りです。
 
 
 

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2020年8月26日 (水曜日)

硬派なボサノバ&サンバ・ジャズ

酷暑がぶり返した。先の日曜〜月曜は涼しくなって「そろそろ秋ですかね〜」という気候だったのだが、昨日の昼過ぎから一気に酷暑がぶり返した。乾いた熱風の南風が吹き込んで、部屋で窓を開けっ放しにして昼寝をしていたら、なんだか体に熱気が籠もって、嫌な暑さで目が覚めた。頭がボンヤリして、変な汗をかいていて、思わず熱中症になりそうになった。危ない危ない。

Lee Konitz & The Brazilian Band『Brazilian Rhapsody』(写真左)。1995年1月28ー31日、NYでの録音。Venus Recordからのリリース。ちなみにパーソネルは、Lee Konitz (as, ts), Romero Lubambo (ac-g), Peggy Stern (p), Dave Finck (b), Duduka Dafonseca (ds), Waltinho Anastacio (perc), Adela Dalto (vo)。

リーダーのリー・コニッツは、レニー・トリスターノに師事した「トリスターノ派」と呼ばれるクール・ジャズを代表するサキソフォニスト。クールではあるが、テクニック優秀、エッジの明確な、ダンディズム溢れる流麗なサックスを吹く。1940年代末にクロード・ソーンヒル楽団で頭角を現して以来、2018年「Prisma」まで多くのリーダー作をリリース。しかし、今年の4月15日、92歳で惜しくも鬼籍には入ってしまった。

タイトルと収録された曲目を見れば「硬派なクール派サキソフォニスト、リー・コニッツは、小洒落たボサノバ&サンバ・ジャズをやった」安易な企画盤に思える。アルバム・ジャケットを見ても、お洒落なイラスト・イメージから、なんだか「大丈夫かな」と思う。しかも、ベテラン・ジャズマンを担ぎ出して、人工的なハードバップを創り出しがちなヴィーナス・レコードの制作である。
 
 
Brazilian-rhapsody  
 
 
やっぱりイージーリスニング風なボサノバ&サンバ・ジャズの企画盤だと敬遠したくなる。が、これが意外と面白い、興味深い内容のボサノバ&サンバ・ジャズに仕上がっているのだから、やっぱりジャズって自分の耳で聴いてみないと、その盤が持つ「本当」が判らない。

この『Brazilian Rhapsody』は、コニッツが68歳の時の録音。ほぼレジェンドの域に達したコニッツ。そのサックスの吹きっぷりは堂に入っていて素晴らしい。音にも張りと伸びがあって太いブロウ。そんなコニッツが、情熱的に、かつリリシズムたっぷりにクールなパフォーマンスを展開した、意外と硬派な「現代のボサノバ&サンバ・ジャズ」である。

1960年代のボサノバ&サンバ・ジャズというのは、イージーリスニング風で、聴き易くポップでライトなイメージ。本来の純ジャズの硬派で骨太な演奏では無く、優しく爽やかな演奏が主流。ボサノバ&サンバのジャズ版として聴き流すには良いのだが、ジャズとして聴くには、ちょっと物足りない。しかし、この『Brazilian Rhapsody』は、意外と本来の純ジャズの硬派で骨太な演奏がメイン。

甘さや優しさ、爽やかさを極力抑え、従来の純ジャズ風の硬派で骨太な、いわゆる「ネオ・ハードバップ」風の演奏が意外と「耳新しい」。クール派の名手が、硬派にクールにボサノバ&サンバ・ジャズを吹きまくる。今までに「ありそうで無かった」アルバム作りに感心する。

もともとボサノバ&サンバ・ジャズはメロディアスな旋律が多いので、硬派でクールなコニッツのサックスとの相性が良いようだ。クールに硬派に吹き進める中に、そこはかとない哀愁が漂うところがグッド。なかなかに聴き応えのある「硬派なボサノバ&サンバ・ジャズ」盤である。
 
 
 

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2020年8月25日 (火曜日)

現代音楽テイストなECMジャズ

そのレーベルの名は「ECM(Edition of Contemporary Music)」。創立者はマンフレート・アイヒャー。演奏家としての素養と録音技術の経験を基に、自らが選んだ「今日的」な音楽を記録し、世に問うべく、自らのレーベルを1969年に立ち上げる。西洋クラシック音楽の伝統にしっかりと軸足を置いた「ECMの考える欧州ジャズ」。限りなく静謐で豊かなエコーを個性とした録音。そんな、アイヒャー自らの監修・判断による強烈な「美意識」。

Tom van der Geld & Children At Play『Patience』(写真左)。1977年5月の Tonstudioでの録音。ECMの1113番。ちなみにパーソネルは、Tom Van Der Geld (vib, perc), Roger Jannotta (fl, oboe, b-cl, ss, bs), Bill Elgart (ds, perc), Kent Carter (b)。ボストン出身のジャズ・ヴィブラフォン奏者Tom Van Der Geldの初リーダー作。

この盤に詰まっている音は、実にECMレーベルらしい。聴けば即興演奏なのは判る。ヴァイヴと管だけが目立つようだが、パーカッションとベースもしっかり参入した高度なインタープレイが素晴らしい。しかし、スインギーなリズム&ビートは存在しない。時々スインギーなビートも供給されるが、基本的には現代音楽風の打楽器の無調のパフォーマンス。これがジャズか、と問われれば、狭義の意味では「ジャズでは無い」。
 
 
Patience  
 
 
しかし、即興演奏という切り口とリズム&ビートの存在、使用楽器の類似性を勘案すると、これは「ジャズである」。この現代音楽のテイストがしっかり入った即興演奏は、その録音の個性と独特の深いエコーと相まって、これが「ECMの考える欧州ジャズ」の好例と言える。この盤の音世界は他のレーベルでは大凡聴けることは無い。ECMレーベルだからこそ「ジャズ」として成立するのだ。ECMの総帥、アイヒャーのプロデュースの成せる技だろう。

この盤でのECMレーベルならではの「ニュー・ジャズ」の音世界。高度なテクニックに裏打ちされた、レベルの高いインタープレイが展開される。時に幽玄に、時にアブストラクトに、時にクールに、とても自由度の高い、スピリチュアルなジャズが展開される。しかも、音の響きが、音のアンサンブルが印象的で、即興演奏のメロディーを楽しむ事が出来る。

これも「ジャズ」。別に絶対に体験することが必要とは言わないが、これも「ジャズ」。朝の喧噪が落ち着いた午前中の一時、昼食が終わって一息ついた午後の一時。人気の少ないジャズ喫茶で流すと、なんとも言えず、味わい深い音世界が耳に広がります。録音も素晴らしい。エンジニアはECMに数多くの名録音を残している「Martin Weiland」である。
 
 
 

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2020年8月24日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・185

ケニー・ドーハムのトランペットの特徴は「ヘタウマ」。誤解しないで欲しいが「下手」と言っている訳では無い。音色は明朗で滑らか。テクニックもまずまず確か。しかし、そのフレーズはちょっと危うい。滑らかにアドリブ・フレーズを吹き進めていくのだが、ところどころで音の端々で「よれる」もしくは「ふらつく」。

しかし、ドーハムのパフォーマンスは「良い」と「普通」が混在するので、「良い」方向に振れると、それはそれは素晴らしいトランペットを吹いたりするから困る。つまり、ドーハムのリーダー作は全部聴いてこそ、ドーハムのトランペッターとしての個性と力量が理解出来る、ということ。「普通」のリーダー作に出会っても諦めず、どんどん他のリーダー作を聴き漁ることが肝要である。

Kenny Dorham『Whistle Stop』(写真左)。1961年1月15日の録音。ブルーノートの4063番。ちなみにパーソネルは、Kenny Dorham (tp), Hank Mobley (ts), Kenny Drew (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds)。「良い」と「普通」のパフォーマンスがリーダー作毎に混在するドーハムとモブレーのフロント2管。聴く前にパーソネルだけ見て、ちょっと不安になる。

ハードバップが成熟仕切った時代の録音。我が国では、ジャズ盤紹介本でこの盤の名前が挙がることはまず無い。ドーハムの紹介の中でも、ドーハムの代表的好盤として紹介されることはまず無い。
 
 
Whistle-stop
 
 
が、である。まず、このジャケットを見て欲しい。なんか「好盤っぽい」面構えをしている。ブルーノート・レーベルはもともとジャケット・デザインは優秀だが、そんな中でもこのジャケットは良い。ということで聴いてみて「あらビックリ」。成熟したハードバップな演奏がギッシリ。演奏内容、演奏テクニック、どれをとっても「素晴らしい」の一言。

まず、リーダーのドーハムのトランペットが素晴らしい。がっしりと気合いの入った、ブリリアントで骨太なトランペットを吹きまくる。決して「ブレない」ドーハムのトランペット。ちょっと優しくラウンドした音のエッジと流麗なフレーズの吹き回しが、ドーハムらしい。

が、何と言っても、この番の最大の「サプライズ」は、ハンク・モブレーのテナーサックス。堂々として力感溢れる骨太なサックスをガンガンに聴かせてくれるのだ。あの気分屋の「迷える」モブレーがである。「ブレない」ドーハムと「迷わない」モブレーのフロント2管が相当な迫力を持って、我々の耳に迫ってくる。

そして、当時、過小評価されていたピアニストのケニー・ドリューが、黒くてブルージーな弾き回しで我々の耳を驚かせる。ベースの名手「ポールチェン」とドラムの「フィリージョー」とのリズム隊が実に良い「フロント2管のサポート」をしている。

堂々とブレないドーハムのトランペットが最大の魅力。もっともっと評価されていいアルバムだとしみじみ思う。
 
 
 

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2020年8月23日 (日曜日)

モーダルなケニー・ドーハム

どうにも、僕は「ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)」に対して印象が良くない。『Quiet Kenny』という哀愁のトランペット好盤なんかを残していて、ベテランのジャズ者の方から人気を得ているが、僕はどうにもいけない。

このケニー・ドーハムのトランペットの特徴は「ヘタウマ」。誤解しないで欲しいが「下手」と言っている訳では無い。音色は明朗で滑らか。テクニックもまずまず確か。しかし、そのフレーズはちょっと危うい。滑らかにアドリブ・フレーズを吹き進めていくのだが、ところどころで音の端々で「よれる」もしくは「ふらつく」。

この「よれる」もしくは「ふらつく」が、すごく「気になる」。テクニック全体としては水準以上のものがあるのに、フレーズの端々で、フレーズの終わりが、不定期に突然「よれる」もしくは「ふらつく」のだ。聴いていて、そこだけ「オヨヨ」となる。スリリングではあるのだが、精神衛生上、あまり宜しくない。

Kenny Dorham『Una Mas』(写真左)。1963年4月1日の録音。ちなみにパーソネルは、Kenny Dorham (tp), Joe Henderson (ts), Herbie Hancock (p), Butch Warren (b), Tony Williams (ds)。録音時期は1963年、ジャズの多様化の時代。ハードバップから様々な演奏志向のジャズが展開されていた時代。そして、この面子。でもなあ、ドーハムってハードバッパーなんだけど。

結論から言うと、この盤、内容充実の「モード・ジャズ」である。ドーハムのスタイルからすると、完全に「異質」の演奏志向なのだが、フロントの相棒テナー、そして、バックのリズム・セクションの面子を見渡すと、当時の若手精鋭の「モード・ジャズ」大好きメンバー。このメンバーが大人しくドーハムに従って、旧来のハードバップをやるとは思えない。
 
 
Una-mas
 
 
恐らく、ブルーノートの総帥、プロデューサーのアルフレッド・ライオンが、ドーハムに対して「モード、やってみなはれ」と指導したんではないか。ジャズの世界でも、新しい演奏志向や技術が出てきたら、それに適応するに越したことはない。生き残るためには必要なこと。そういう意味で、ライオンはドーハムに引導を渡したのでは無いかと推察している。

で、ある。この盤で、ドーハムは見事に「モード・ジャズ」に適応している。「よれる」もしくは「ふらつく」ことも全く無い。端正で明確なトランペットで「モーダルなフレーズ」を吹きまくる。

フロントの相棒テナー、そして、バックのリズム・セクションはバリバリのモード・ジャズを展開しているのだが、そのバッキングに対して全く違和感無く、モードなトランペットを流麗に吹き回している。

ドーハムもモード・トランペットはゴツゴツしていないし、雄々しくも無い。思慮深く流麗なのだ。しかも「端正で正確」なトランペット。「なんやドーハム、やれば出来るやん」と嬉しくなる。

ドーハムのトランペットの本質を殺すこと無く、無理をせず「モード・ジャズ」に適応している。これ、ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオンの慧眼のなせる技。この後、1970年代、欧州に渡っても、ドーハムはモード・トランペットを引っさげて、活躍するのだから、先見の明があったと思うし、ドーハムにとっても、大変「実になった」チャレンジであった。
 
 
 

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2020年8月22日 (土曜日)

Buddy Rich Big Bandの秀作

米国ではまずまずの人気を得ているのに、日本では全く人気の無いジャズ・ミュージシャンが結構いる。テクニックが不足している訳でも無い、音楽性に問題がある訳では無い。どう聴いても他の一流人気ミュージシャンと引けを取らないのに、我が国では人気が無い、評価が低いジャズ・ミュージシャンが結構いるのだ。

原因として、そもそも情報不足、我が国のレコード販売会社が契約上扱っていなくて、情報どころかアルバム自体が我が国に届かないケースがひとつ。もう1つは、我が国のジャズ評論家の方々やジャズ愛好家の方々の「耳に合わない」ケース。スイングしないとか、音が派手で情緒に欠けるとか、侘びさびが無いとか、主観の評論が我が国で定評として定着してしまった、トホホなケースである。

Buddy Rich『The Roar of '74』(写真左)。1973年の録音。The Buddy Rich Big Bandのスタジオ録音になる。このビックバンドは当時の固定のメンバーがアサインされていて、従来からのメインストリーム系ジャズの名手達の名前は無い。1970年代前半は、商業ロック、ポップスの全盛期、そんな時期に、これだけの実力を持った、これだけの規模のビッグバンドを維持していたのは、ちょっと驚きである。
 
 
The-roar-of-74
 
 
このビッグバンド、その演奏力は半端無い。ダイナミズム&パンチ力満点、ユニゾン&ハーモニーの正確さ、アンサンブル&フレーズの力強いドライヴ感、ソロのテクニック、どれをとっても不満の無い、破綻の無い、ビッグバンドのお手本の様な演奏が続く。若干、単純で大味な面も見え隠れするが、それを越えて余りある、迫力のある気味の良い演奏である。

そんなビッグバンドを牽引し鼓舞しまくるバディ・リッチのドラミングが、これまた凄まじい。このビッグバンドのパンチ力、ドライヴ感は、リッチのドラミングの賜である。リッチのドラミング自体が豪快で力強くドライヴ感満点なのだ。そんな豪放磊落なドラミングに呼応するかの様に、リッチ率いるビッグバンドが疾走する。楽器毎のそれぞれに良い音出しているのにも感心する。

このビッグバンドの演奏のどこに問題があるのか、僕には判らない。それでも、我が国のバディ・リッチの低評価には常々疑問を感じている。時代を反映する様な「エレピの端正で疾走感溢れるソロ」が良く無かったか。ビッグバンドに電気楽器は御法度だったか。とにかく、このバディ・リッチのビッグバンドは素晴らしい。まずは自分の耳で聴いて、自分の耳で判断する、ですね。
 
 
 

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2020年8月21日 (金曜日)

ノルウェーからクールなトリオ盤

とにかく暑い。酷暑である。エアコンを入れた家の中でも何だか暑い。昼間に外へ出たら湿気で「むっ」とする。そして、途端におでこに汗が噴き出てくる。陽向にいるとジリジリと太陽が肌を突き刺す。グリルで焼かれる魚って、こんな気分なんだろう。とにかく暑い。あまりに暑いので、涼しさを感じさせてくれる様なジャズを聴こうと思い立つ。

涼しさを感じさせてくれる、いわゆる耽美的でクールなジャズと言えば「欧州ジャズ」だろう。北欧ジャズ系か、ECMレーベルの音系がクールで透明感があって涼しげで良い。いろいろとアルバムの1曲目を聴きながら選盤を進める。5枚目くらいで、ふとこの盤の音が気になった。

ECMレーベル系のクールで耽美的でエコーがかかった音世界ではあるが、ECMレーベルの音では無い。ECMレーベルの盤よりエコーは浅め、そして、選曲がECMレーベルらしくない。それでもピアノなど楽器の響きはECMレーベルっぽい。この盤の素性が知りたくなった。今回の「酷暑対策」の欧州ジャズ盤はこの盤に決定。

Olga Konkova, Carl Morten Iversen & Audun Kleive『Going with the Flow』(写真左)。1996年8月26, 27日、ノルウェーはオスロの Rainbow Studio での録音。ちなみにパーソネルは、Olga Konkova (p), Carl Morten Iversen (b), Audun Kleive (ds)。ロシア生まれの才媛、オルガ・コンコヴァ(写真右)がピアノを担当したトリオ盤である。
 
 
Going-with-the-flow  
 
 
先に述べた、この盤の1曲目を聴いた時の感想は「当たらずといえども遠からず」。ECMレーベルっぽい音は、オスロの Rainbow Studioでの録音だからだろう。ECMレーベルもよくこのスタジオを使う。

そして、この盤はノルウェーのレーベル「Curling Legs」からのリリース。あのECMレーベルらしい「深いエコー」が浅めなのが、これで納得。そう言えばジャケット・デザインもECMレーベルのデザイン志向とは異なる。

1969年、ロシア生まれの才媛オルガ・コンコヴァ28歳の作品。耽美的でクールなピアノであるが、タッチはエッジは丸いが硬質。ミッドテンポの透明感溢れる弾き回しは確かに「ECMレーベル風」。ノルウェー出身、ベースのイヴェルセンの重低音ベースがグイグイ迫る。ドラムのクレイヴは、切れ味良く柔軟かつ堅実なリズム&ビートを供給する。こちらもノルウェー出身。

選曲は親しみ易いものが多く、レノン=マッカートニーの「Michelle」のカヴァーはアレンジも新鮮で聴き応え十分。スタンダード曲の「Yesterdays」はしみじみ、エヴァンスの十八番「Nardis」は明確なタッチで、硬質なクリスタル感溢れる弾き回しに思わず耳をそばだてる。そして、楽器の音にかかるエコーが実に心地良い。聴き味爽やかでクールな、「北欧ジャズ」志向満点のピアノ・トリオ盤である。
 
 
 

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2020年8月20日 (木曜日)

夏はボサノバ・ジャズ・その31

夏はボサノバ、というが、今年はボサノバ・ジャズを聴いても、全く涼しい気分にならない。「酷暑」である。もともとボサノバはブラジルの産物なんだが、そもそもブラジルの夏も蒸し暑い。そんなブラジル産のボサノバを基にしたジャズを聴いても、ちっとも涼しくない。朝からエアコンを効かせて、やっとボサノバ・ジャズを聴いて「涼しいねえ」という気分になる(笑)。

Laurindo Almeida『Viva Bossa Nova!』(写真左)。1962年9月の録音。ちなみにパーソネルは、Laurindo Almeida (g, cavaquinho), Al Viola, Howard Roberts (g), Jimmy Rowles (el-org), Bob Cooper (ts), Don Fagerquist (tp), Justin Gordon (fl), Max Bennett (b), Chico Guerrero, Milt Holland, Shelly Manne (ds, perc)。

ボサノバの先駆者の1人、ブラジリアン・ギタリスト、ローリンド・アルメイダが、米国西海岸ジャズの一流ジャズメンと制作したボサノバ・ジャズの好盤。米国西海岸ジャズらしい、しっかりとアレンジされ準備された、イージーリスニング・ジャズ志向の、ライトで脱力系のボサノバ・ジャズである。いわゆる「聴き流し」に最適なボサノバ・ジャズと言える。
 
 
Viva-bossa-nova  
 
 
それでも、アルメイダのギターは切れ味良く、ソロを取るにもリズムを取るにも実に「小気味良い」。カヴァキーニョ(サンバやショーロ等に使われるブラジルの弦楽器)まで持ち込んで気合い十分。ブラジルのボサノバ、サンバの雰囲気が濃厚に漂うギターの調べ。このアルメイダのギターの存在だけで、この盤は「ボサノバ・ジャズ」として成立している。

収録曲を見渡すと、ボサノバの名曲の他、映画音楽、有名スタンダード曲など、バラエティーに富んではいるが、結構、俗っぽい選曲になっていて、よくアルメイダもこの録音企画に乗ったもんだ、と感心する。バックの米国西海岸ジャズのメンバーがとにかくムーディーでブリージーな伴奏に徹しているので、もう少しで「平凡なイージーリスニング・ジャズ」に陥るところを、アルメイダの切れ味の良いボサノバ・ギターが、しっかりと救っている。

このボサノバ・ジャズ盤は、アルメイダのギターを愛でる、これ一本の好盤。西海岸ジャズの優秀どころのバックの演奏については、あまり聴くべきところは無い。しかし、このムーディーでブリージーな甘いバックの伴奏が、アルメイダのギターの引き立て役になっているのだから、音楽っていうのは面白い。
 
 
 

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2020年8月19日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・184

ライブラリを眺めていて、久し振りにこのピアニストの名前に出くわした。Denny Zeitlin(デニー・ザイトリン)。「医師とジャズピアニスト」という二足の草鞋を履く異色の人物。医師は医師でも精神科医。これは異色も異色、大異色である。

ザイトリンは1938年の生まれ。今年で82歳になる。もう大ベテランというか、レジェンドの域である。本業である精神科医の仕事をこなす傍ら、プロのピアニストとしての活動も続けてきたザイトリン。しかも双方の仕事において、それぞれ一流の域に達していたと言うのだから凄い。

Denny Zeitlin & Charlie Haden『Time Remembers One Time Once』(写真)。1981年7月、サンフランシスコのライブハウス「Keystone Korner」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Denny Zeitlin (p), Charlie Haden (b)。

ジャケットを見ながら、どこのレーベルからのリリースかしら、と思って調べてみたら、なんとECMレーベルからのリリースである。もちろん、プロデューサーは Manfred Eicher(マンフレッド・アイヒヤー)。

ザイトリンがECMレーベルからアルバムをリリースしていたことは全く知らなかった。実はこのライヴ盤を聴く前、どのレーベルからのリリースか全く知らず、ジャケットを見ても判らず、ザイトリンのピアノの音を聴いていて、なんだかECMレーベルっぽい音やなあ、とボンヤリ思っていた次第。ピアノにかかっているエコーがECMらしいのだ。ザイトリンのピアノをグッと引き立てている。
 
  
Time-remembers-one-time-once  
 
 
ザイトリンのピアノは耽美的でリリカル。タッチは硬質で明確、フレーズはちょっとクラシックっぽい。ファンクネスは皆無、どちらかと言えば、欧州的なピアノである。ビル・エヴァンスを欧州風にした様な感じ、とでも形容したら良いか。流麗でエッジの効いた聴き味満点のジャズ・ピアノである。

そんなザイトリンのピアノに絡むヘイデンのベース。このヘイデンのベースが素晴らしい。ソロでも唄うが如く、流麗で力強い骨太のベースが鳴り響くのだが、そんなヘイデンのベースがザイトリンのピアノに絡むと、これまた素晴らしい、硬軟自在、濃淡自在、緩急自在のインタープレイが展開される。

ヘイデンのベースはどちらかと言えば、前に前に出る、主張するベースなのに、決して、ザイトリンのピアノの邪魔にならない。どころか、ピアノのフレーズの良さを増幅している。ザイトリンの紡ぎ出すフレーズを明確に浮き立たせている様だ。デュオの達人、チャーリー・ヘイデンの面目躍如。

ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌で採り上げられたことは滅多に無いデュオ盤ですが、これがまあ、素晴らしい内容です。ザイトリンとヘイデン、相性バッチリです。そんなザイトリンとヘイデンの「一期一会」なデュオ演奏。ECMレーベルからのリリースということもあって、とても硬派な、そして欧州的な純ジャズ盤に仕上がっています。お勧めの好盤です。
 
 
 

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2020年8月18日 (火曜日)

スピリチュアルなラテン・ジャズ

音楽のサブスク・サイトが充実してきて、ジャズ盤のリイシューについても、CDと同時にサブスク・サイトにアップされる様になった。これはとても喜ばしいことで、お目当てのリイシュー情報が入ってきても、CDショップに走ることもなく、オンラインショップで購入して、宅配便で受け取る手間も無い。お目当てを見つけたら、即ゲットし即聴けるのだから、便利な世の中になったものだ。

Hugo Heredia『Mananita Pampera(マナニタ・パンペラ)』(写真左)。1976年10月、西ドイツはルートヴィヒスブルクでの録音。ちなみにパーソネルは、Hugo Heredia (sax, fl, per, Written-By), Horace Parlan (p), Peter Frei (b), Ivanir Mandrake Do Nascimento (congas, perc), Peter Schmidlin (ds, perc)。

フランスのレーベル「コートダジュール」から1976年にリリースされた、アルゼンチン出身のマルチリード奏者、ヒューゴ・ヘレディアのリーダ作品のリイシューになる。僕はこの盤を知らない。しかし、このジャケットを見れば、これは「ええんちゃうか」と思う(笑)。恐らく瓶ビールであろう、栓を歯で抜こうとしている「こってこてファンキー」なジャケット。このジャケットだけで「グルーヴ感」が伝わってくるようだ。
 
 
Mananita-pampera  
 
 
パーカッション担当が3人もいる、タフで生々しいパーカッシブなリズムが心地良い刺激のラテン・ジャズである。激情溢れるサックスのソロは実に「スピリチュアル」。フュージョン・ジャズの時代に、こってこてファンキーでグルーヴィーな「スピリチュアル・ラテン・ジャズ」の音世界。徹頭徹尾「ノリノリ」である。

癖の強い、ファンキーでアーシー、そして、アフロキューバンなモダン・ピアニスト「ホレス・パーラン」が参加して、こってこてグルーヴ感溢れるピアノ・パフォーマンスを繰り広げる。そして、ブラジルの名パーカッション奏者マンドレイクが、生粋ラテンなリズム&ビートを叩きだしている。そんなリズム隊をバックに、南米出身のヒューゴ・ヘレディアのサックスがフルートが乱舞する。

ラテン・グルーヴの洪水。この「スピリチュアル・ラテン・ジャズ」の音世界、強烈です。思わず腰が動き、思わず足でリズムを取り出す。こんなに強烈なグルーヴ感を湛えたラテン・ジャズ盤を僕は他に知らない。唯一無二の「ワールド・ミュージック系」のフュージョン・ジャズとも解釈できるかと思います。レア・グルーヴの好盤です。
 
 
 

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2020年8月17日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・183

このブログを始めたのが、2006年4月なので、運用を始めて、はや丸14年になる。ほぼ毎日の更新なので、のべ約4,800枚程度のアルバムをご紹介してきたことになる。その中でジャズ盤については、のべ約4,500枚程度をご紹介したことになる。しかも、基本的には同じアルバムを複数回に渡ってご紹介するのは、そんなに無いので、こうやって見てみると大変な数である。

それでも、ジャズ盤の好盤でご紹介が漏れている盤もまだまだ沢山ある。そもそもジャズ盤って、メジャー・デビューしたジャズマンのアルバムは、その内容レベルは基本的に高い。よって、毎月、世界レベルでメジャー・デビューしたジャズマンのアルバムって、数十枚は下らないだろうから、毎月毎月、数十枚の好盤が世界でリリースされていることになる。

年間に約500枚程度の好盤がリリースされていることになるのだから、毎日、好盤ご紹介のブログ記事を書いたからって、ネタが尽きることが無いし、そのリリース数には追いつかない。

Gerry Mulligan『Night Lights』(写真左)。1963年、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Gerry Mulligan (bs, p), Art Farmer (flh), Bob Brookmeyer (valve-tb), Jim Hall (g), Bill Crow (b), Dave Bailey (ds)。バリトン・サックスの名手であり、作編曲家としても活躍したジェリー・マリガンのリーダー作。知る人ぞ知る「大人のジャズ」の好盤である。
 
 
Night-light
 
 
ジェリー・マリガンは基本的には米国西海岸ジャズの範疇。トロンボーンのブルックマイヤーも同様で、この盤には西海岸ジャズの良い個性である「ほどよくアレンジされた、洒脱で小粋な、聴かせるジャズ」が満載。じっくり聴くも良し、何かをしながら聴くも良し、米国西海岸ジャズ志向の耳当たりの良い、それでいてテクニックに優れた上質のジャズがこの盤に溢れている。

タイトル通り、都会の夜の光を感じる、アーバンな雰囲気がとても素敵で落ち着いた「大人のジャズ」。冒頭のタイトル曲「Night Lights」がとても素敵だ。マリガンの弾くピアノの単音が静寂感を増幅する。録音年は1963年、ボサノバの人気曲「Morning Of The Carnival From 'Black Orpheus'(カーニバルの朝)」も、クールで小粋なアレンジが施されて好演。

そうそう、故・油井正一の「アスペクト・イン・ジャズ」のテーマ曲であった「Prelude In E Minor」もこの盤に入っている。この曲を聴いていると、故・油井正一さんの語る声が聞こえてきそうだ。

この盤はアルバム全体の演奏クオリティが高く、タイトルの「Night Lights」をテーマにした統一感が半端ない。マリガンの作曲家として、編曲家としての代表盤でしょう。深夜に近い「夜」に耳を傾けるのにピッタリの好盤。お勧めです。
 
 
 

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2020年8月16日 (日曜日)

「避暑」にピッタリの好盤です

今年も、はや「お盆」である。今日は京都で言うと「送り火」の日。お盆休みも終わって、8月も後半である。今年は酷暑。それでも、このところ、風が吹くようになってきた千葉県北西部地方。風が吹けば部屋の中もちょっと涼しくなって、午前中はエアコン要らずになる。

さて、酷暑が続くと、日頃聴くジャズについても、清涼感溢れるジャズばかりを選ぶ様になった。清涼感溢れるメインストリーム系のジャズと言われれば、僕は「北欧ジャズ」に走る。

北欧ジャズの特徴は「透明度の高い、エッジの効いた音の響き。深いエコー。ミッドテンポがメインの落ち着いたアドリブ展開。耽美的であるが甘さに流されない。凛とした音の美しさと切れ味」。酷暑の夏の「避暑」にピッタリである。

Esbjörn Svensson Trio『Good Morning Susie Soho』(写真左)。2000年のリリース。ちなみにパーソネルは、Esbjörn Svensson (key), Dan Berglund (b-g, b), Magnus Öström (ds, gopichard, perc, tabla)。北欧ジャズの有名トリオ、Esbjörn Svensson Trio=略して「EST」の好盤である。
 
 
Good-morning-susie-soho
 
 
北欧のジャズ・ピアノは決まって「耽美的でリリカル」。しかし、スベンソンのピアノは、その「耽美的でリリカル」な共通の個性に加えて、まるでロックの様なリフが続き、独特のグルーヴ感を醸し出す。

米国東海岸ジャズのファンキーなグルーヴ感とは全く異なる、この北欧ジャズ独特の「耽美的であるが甘さに流されない。凛とした音の美しさと切れ味」をベースとしたグルーヴ感は癖になる。

そして、この北欧トリオの演奏の、ピアノ=ベース=ドラムが三位一体となったインタープレイが素晴らしい。北欧ジャズのピアノ・トリオ独特の、クールに静的に耽美的に絡む、三位一体のインタープレイ。そのインタープレイの「透明度の高い、エッジの効いた音の響き」に深いエコーがかかる。清涼感抜群である。

表現力が多彩で、北欧ジャズの中でも「独特の個性を持つ」ピアノ・トリオ。それが「EST」。そんなESTの密かに尖った、北欧ジャズの中でも「一歩先を行く」音が、この盤に詰まっている。とにかく北欧ジャズの中でも「ユニーク」な存在。クールで清涼感溢れる耽美的な音世界は「凛」としていて聴き応えがある。「避暑」にピッタリの好盤ですね。
 
 
 

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2020年8月15日 (土曜日)

越智巌『Dem New York Dues』

暑いですね。酷暑です。長い梅雨の頃には「今年は冷夏かも」なんていう3ヶ月予報もありましたが、どうして、とびきりの酷暑です。連日35度越え。さすがに体に堪えます。朝9時くらいでも、散歩に出るのに憚られる気温になっていて、加えて、陽射しが肌を射るように強い。このところ、散歩も控えていて、どうにも運動不足気味です。

好きなジャズ盤のリスニングも開けっぱなしの部屋では絶対に無理。ジャズを聴いているだけで、汗をジンワリかいて、不快指数MAXになります。さすがに部屋の温度が32度に達すると、もうエアコン無しでは生活できません。エアコンを入れて室温を28度辺りに下げて、やっとジャズを落ち着いて聴く気になります。そう言えば最近、ジャズ盤の聴く枚数がグッと減っています(笑)。

越智巌『Dem New York Dues』(写真左)。今年3月のリリース。ちなみにパーソネルは、越智巌 (g), Sam Yahel (org), Anthony Pinciotti (ds)。僕はオルガン奏者の「Sam Yahel(サム・ヤエル)」がお気に入りで、彼の担当するセッションについては、気がつく都度、聴く様にしています。この新盤もその類の中で見つけました。

リーダーの「越智 巌(おち・いわお)」。僕はこのギタリストを全く知らない。ネットの情報を総合すると、1992年、単身渡米。1997年帰国。東京を拠点に活動を始め、KANKAWA(org)との活動で注目を集める。ジャズ・ギタリストとして活動する傍らインスト・ヒップホップバンドを結成、これまでに3枚のアルバムをリリース。とある。う〜む。
 
 
Dem-new-york-dues  
 
 
オルガンのサム・ヤエル と ドラムのアンソニー・ピンチオッティについては、NY時代の盟友とのこと。しかし、とても良い共演者に恵まれているではないか。演奏を聴いてみても、越智のギターは実にオーソドックスで堅実な、現代のジャズ・ギター。テクニックも良好、緩急自在な弾きっぷりは実に安定している。

こんな正統派ギタリストがいたとは。この盤を聴いて、ちょっとビックリした。アルバムに収録された全8曲中、4曲が越智のオリジナル。残りはスタンダード曲になるが、有名スタンダード曲に頼らない、なかなか小粋な選曲に感心する。越智のオリジナル曲もなかなかで、コンポーザーとしての才も十分に感じさせてくれる。

ヤエルのオルガンは「モーダルでクール」。特にこの盤では充実の弾きっぷりである。最初、この盤を聴いていて、サム・ヤエルのリーダー作と勘違いした位だ。ピンチオッティは柔軟かつ堅実。硬軟自在、緩急自在なドラミングで越智のギターとヤエルのオルガンを盛り立てる。聴き応えのあるドラミングに嬉しくなる。

サム・ヤエルの名前を見つけて「まあ、聴いてみるか」と再生ボタンを押したんですが、その見事なギター・パフォーマンスについつい引き込まれ、アルバムを一気に聴き切ってしまいました。オルガン+ドラムと組んだギター・トリオの最近の好盤としてお勧め。いや〜、偶然とはいえ、なかなか良い内容の盤に出会いました。
 
 
 

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2020年8月14日 (金曜日)

北欧の「ネオ・ハードバップ」盤

欧州ジャズが気に入っている。欧州ジャズについては、僕がジャズを聴き始めた1970年代後半、我が国ではフュージョン・ジャズが大流行していた訳だが、その裏でメインストリーム・ジャズについては、エリア的広がりが出てきた。いわゆる「欧州ジャズ」のアルバムが我が国でも流通するようになった。代表的なレーベルとしては、ECM、SteepleChase そして、Enjaである。

以降、欧州ジャズのアルバムは定期的に我が国でもコンスタントに流通するようになり、特にインターネットの時代に入ってからは、欧州ジャズの情報がかなり速く入って来る様になり、ネットでの音楽のダウンロード・サイトが開設されて以降は、ダイレクトに欧州ジャズの音源が入手出来る様になった。インターネットのお陰で、ジャズについては、グローバル・サイズで体験できる様になった。

Jesper Thilo『Swing is the Thing』(写真左)。2019年10月23日-25日、コペンハーゲンの「ザ・ヴィレッジ」での録音。ちなみにパーソネルは、Jesper Thilo (ts), Søren Kristiansen (p), Daniel Franck (b), Frands Rifbjerg (ds)。デンマーク・ジャズ界の巨人、テナーマンの Jesper Thilo (イェスパー・シロ)がリーダーの好盤。約10年ぶりとなる新録音となる。
 
 
Swing-is-the-thing  
 
 
解説によると「スタジオ録音ではあるが、編集や修正なしのライヴ的録音」とのこと。確かにライブ感溢れる演奏で、とりわけ、リーダーのイェスパー・シロののテナー・サックスが凄く良い音を出している。端正で骨太、躍動感溢れスケールの大きい、スインギーなテナー・サックス。本場米国ジャズでも十分に通用するどころか、イェスパー・シロに匹敵するテナーマンはなかなかいない。

選曲も実にふるっていて、ディジー・ガレスピー、ジョージ・ガーシュウィン、オスカー・ペティフォード、ヴァーノン・デューク、ジョン・クレナー、アール・ハインズらのスタンダード・ナンバーを披露していて、このスタンダード曲の演奏が実に味わい深い。北欧ジャズらしからぬ、ストレートアヘッドでハードバップな演奏が繰り広げられている。

ピアノのクリスチャンセンはデンマーク、ベースのフランクはスウェーデン、リフビャフはデンマーク。デンマーク出身3人+スウェーデン出身1人の北欧ジャズのワンホーン・カルテット。北欧ジャズと聞くと、ECMレーベルの影響からか、耽美的で静的なジャズを想起するが、この盤はちょっと違う。クールで躍動感溢れる「ハードバップ」な雰囲気。北欧の「ネオ・ハードバップ」盤。好盤です。
 
 
 

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2020年8月13日 (木曜日)

こんなアルバムあったんや・133

酷暑である。午前中でも外を歩くのが憚られる暑さ。午後などは、外を歩くなんてとんでもない。ジリジリと肌を焼くような陽射しとムッとするような湿気。数分外に出るだけで、着ている服やズボンがモワーッと生暖かくなるのだから、酷い暑さだ。こんな酷暑の日にはエアコンは欠かせない。今日もエアコンの効いた部屋の中に引きこもってジャズを聴いている。

J.J.Johnson & Milt Jackson『A Date In New York』(写真左)。1954年の録音。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), J. J. Johnson (tb), Al Cohn (ts), Henri Renaud (p), Percy Heath (b), Charlie Smith (ds)。トロンボーンの名手J.J.ジョンソンとヴァイブの名手ミルト・ジャクソンの双頭リーダー盤。ピアノに仏のピアニスト、アンリ・ルノーが参加している。

不思議なパーソネル構成のアルバム。何故、フランスのジャズ・ピアニスト、アンリ・ルノー(写真右)がこのコッテコテな米国東海岸ハードバッパーの中に入っているのか不思議だった。調べてみたら、アンリ・ルノーが単身NYに渡ってきて、当時最先端のビバップを演奏する若手ミュージシャンとセッションした、とのこと。なるほど。
 
 
A-date-in-new-york  
 
 
ということならば、まず仏出身のアンリ・ルノーのピアノに着目したい訳だが、何だか、J.J.ジョンソンとミルト・ジャクソンの2人がやけに元気で、ソロ演奏についても前に前に出てくる。特にJ.J.ジョンソンのトロンボーンが元気溌剌で、いつもはビバップよろしく短時間ソロをバシッと決めるJ.J.が、こんなにハードバップな長く印象的なソロを取る人だったけ、と改めてビックリ。

故に、仏からわざわざ渡米してきたアンリ・ルノーが目立ってこない。それでも、この目立ちたがり屋の米国ジャズマンのバックで、端正で明確なタッチの伴奏ピアノを聴かせてくれる。ソロも端正、癖が無くややクラシックっぽい、破綻の無い無難なソロ。それでも一生懸命ソロを弾いている感じがビンビンに伝わってくる。

まあ、そりゃそうで、ジャズの本場、米国はNYでの、当時最先端をいく一流ジャズマン達とセッションする訳だから、気合いも入るし緊張もするよな。それでも、演奏全体の雰囲気は、仏出身のピアニスト、アンリ・ルノーも健闘していて、「スイング感良好な良質なハードバップ」に仕上がっている。昼下がりのジャズ喫茶でノンビリ聴きたい。
 
 
 

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2020年8月12日 (水曜日)

「ジャケ買い」の一枚に出会う

ジャケ買いの一枚である。ジャケ買いとは「その盤のジャケットのデザインが優秀で、その盤の中身を知らなくても、思わず衝動買いしてしまうこと」なんだけど、ジャズ盤の場合、そのジャケ買いが往々にあるから面白い。ジャズの場合、ジャケットのデザインが優秀な盤にハズレは無い、というジンクスがあるので、「ジャケ買い」って意外と知らなかった好盤に当たる確率が高いから、止めるに止められない(笑)。

Farnell Newton Quartet『Rippin’& Runnin』(写真左)。2020年3月のリリース。ちなみにパーソネルは、Farnell Newton (tp), Brandon Wright (ts), Brian Charette (org), Rudy Royston (ds)。トランペッター、ファーネル・ニュートンのリーダー作である。が、僕はこの「ファーネル・ニュートン」を知らなかった。この盤、完全に「ジャケ買い」である。

ネットで調べてみる。Farnell Newton=ファーネル・ニュートンはウディ ・ショウを敬愛するマイアミ出身の中堅実力派トランペッター、とある。1977年3月の生まれ。今年で43歳になる中堅ジャズマンである。リーダー作は数枚程度。我が国ではあまり知られていない(と思う)。この盤を聴いてみると、骨太なトーンで切れ味鋭く、ストレートでパワフルな吹きっぷりは、ファーネル・ニュートンがなかなかの実力者であることを教えてくれる。
 
 
Rippin-and-runnin  
 
 
全8曲中、ニュートン自作曲が4曲、残りの4曲はスタンダード曲だが、知る人ぞ知るマイナーでマニアックなスタンダード曲を選曲しているところも隅に置けない。自作曲の出来もまずまず良好。選曲が良い分、盤全体の演奏レベルはとても高く、聴き応えのあるものになっている。良曲が良演を引き出している、と言える。いずれの曲も、実に良い感じのストレート・アヘッドで骨太な「ネオ・ハードバップ」演奏。

テナーのブライドン・ライトと2管フロントがとにかく良い。そして、ジャズ ・オルガンの名手(らしい)ブライアン ・シャレットのオルガンがとても良い味を出している。シャレットって米国では人気の実力オルガニストらしく、確かにその弾きっぷりたるや見事。スマートで適度に粘り捻れるが、オーバーアクションに陥ることは無い、実に品の良い、それでいて力感溢れるオルガン。目から鱗である、いや、耳から鱗か(笑)。

骨太なトーンで切れ味鋭く、ストレートでパワフルなニュートンのトランペットとブルージーでグルーヴィーなジャレットのオルガンとのユニゾン&ハーモニーも魅力。どっぷりとジャジーな雰囲気に浸れる好演の数々。加えて、そんな優れたパフォーマンスを想起させる、優れたアルバム・ジャケット。とても良いジャズ盤に巡り会った気がする。暫くヘビロテ状態である。
 
 
 

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2020年8月11日 (火曜日)

ジャズ喫茶で流したい・182

昨日、Diane Schuur(ダイアン・シューア)の新盤をご紹介したんだが、ボーカルものついでに、John Pizzarelli(ジョン・ピザレリ)の現時点での新盤もご紹介した。2019年、昨年のリリースで、入手して聴いて「これは良いなあ」と感心したんだが、どうも、当ブログでご紹介するのを失念していたらしい。

John Pizzarelli Trio『For Centennial Reasons: 100 Year Salute to Nat King Cole』(写真左)。2019年2月のリリース。ちなみにパーソネルは、John Pizzarelli (g, vo), Mike Karn (b), Konrad Paszkudzki (p)。ギター弾き語りの名手ジョン・ピザレリのリーダー作である。ピザレリの弾き語りの妙技を堪能できる、ドラムレスのシンプルなトリオ構成。

ナット・キング・コールの生誕100周年記念の「ナッキンコール」トリビュート盤である。ピザレリはトリビュートものが大好きみたいで、これまで、デューク・エリントンやジョニー・マーサー、ポール・マッカートニーにフランク・シナトラ、アントニオ・カルロス・ジョビンのトリビュート盤をリリースしている。まあ、アルバムのテーマを明快に設定することは良いことである。
 
 
For-centennial-reasons
 
 
ナット・キング・コールの名曲をピザレリ流にアレンジしたものなのだが、これがなかなか洒落ている。「The Very Thought Of You」「It's Only A Paper Moon」「Body And Soul」「When I Fall In Love」などが選曲されているが、どらもが
ナット・キング・コールの歌唱で有名なものばかり。それらをピザレリはコールに似せるのでは無く、ピザレリ流に焼き直して、お洒落に聴かせてくれる。

ピザレリのボーカルについては、スインギーでムード満点。加えて、ギターとお得意のスキャットはスイング感満点。曲毎にしっかりと情感を込めて歌い込む様は素晴らしいの一言。この手のコンテンポラリーなジャズ・ボーカルって、やっぱり良いな、と思う。ピザレリは1960年生まれだから、この盤の録音時は59歳。ベテラン・ジャズマンの域に達しつつあり、この盤の歌唱は特に堂に入ったもの。

ナット・キング・コールのトリビュート盤ゆえ、このピザレリ・トリオの構成は、ドラムレスのピアノ、ギター、ベースの構成になっている。これって、ナット・コール・トリオが広めた構成。今では殆ど見かけ無くなったが、1950年代に入る頃まで、ピアノ・トリオと言えばこの「ドラムレス構成」が主流だった。こんなところにも、この盤に対するピザレリの拘りが垣間見えて面白い。
 
 
 

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2020年8月10日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・181

グローバルな視点で見ると、ジャズでは、毎月、新しい若手がメジャー・デビューしているみたいで、まだまだジャズを志すミュージシャンがいるんやなあ、と嬉しくなったりする。そんな中で、ジャズを聴き始めた頃にデビューした「当時の若手ジャズ・ミュージシャン」が、今ではバリバリのベテラン・ミュージシャンの類になっている訳だが、突如、リーダー作をリリースするのに出くわすと、これまた、とても嬉しくなったりするのだ。

Diane Schuur『Running on Faith』(写真左)。今年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、Diane Schuur (vo, p), Ernie Watts (ts, ss), Kye Palmer (tp, flh), Thom Rotella (g), Bruce Lett (b), Kendall Kay (ds)。現代メインストリーム・ジャズの名手達がバックをしっかり担って、ダイアン・シューアのボーカル&ピアノをガッチリとサポートした好盤である。

小粋なピアノ、ハッピーな人柄で魅了するダイアン・シューア。1953年12月、米国ワシントン州オーバーン生まれ。生まれて間もなく失明。9歳の時から歌を、16歳で作詩作曲を始める。1982年『Pilot of My Destiny』でデビュー。僕は1987年リリースの『Diane Schuur & the Count Basie Orchestra』で彼女のボーカルを知った。
 
 
Running-on-faith  
 
 
正統な唄いっぷりでありながら、どこかポップで今様。様々な有名ジャズマンと共演し、様々なポップ曲をカヴァーしている。適応力がずば抜けて高いのだろう。どの共演もどのカヴァーもその出来は良い。あまり着目されないが、彼女の小粋なピアノも聴きもの。正統なジャズ・ピアノで小粋に弾き回すのだから、聴いていてとても楽しい。そんな自前のピアノに乗って自らが唄うのだ。良いに決まってる。

この盤では、そんな彼女の特質の全てがギッシリと詰まっている。Percy Mayfieldの「Walking on a Tightrope」と「The Danger Zone」では彼女のアレンジ能力の高さを垣間見る。お得意のポップス曲のカヴァーについては、Paul Simonの「Something So Right」と ビートルズの「Let it Be」をチョイスしている。これがまたご機嫌な出来なのだから堪らない。

ラストの「Swing Low Sweet Chariot」の唄いっぷりを聴けば、ああジャズはやっぱり米国ルーツ・ミュージックの根幹をなすものなんやなあ、ということを再認識したりする。ダイアン・シューア健在。この新盤を聴いて、まだ彼女は元気、まだまだ彼女は第一線の女性ジャズ・ボーカリストだということを確信する。ジャジーでポップな現代のジャズ・ボーカルである。好盤です。
 
 
 

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2020年8月 9日 (日曜日)

酷暑の夏に「ライトなジャズ」

遅い梅雨明け以降、かなり暑い日が続いている。朝から陽の当たる場所は既に30度越えの真夏日。湿度も高くて蒸し蒸しして、もう朝9時くらいにはエアコンのお世話になっている。今年は久し振りの冷夏かも、なんて予報もあったがとんでもない。今年の暑さ、去年一昨年より厳しい様な気がする。

これだけ蒸し暑いと、まずエアコンの無い部屋で音楽を聴くなんてとんでもない。聴くとしたって耳当たりの良い、刺激の少ないソフト・ロックやAORがせいぜい。エアコンを入れて、外の喧噪をシャットダウンして、やっとこさ、ジャズを聴こう、と思い立つ。それでも、ハードで硬派な純ジャズは辛い。ましてやフリー・ジャズなど論外。耳当たりの良い、イージーリスニング志向のジャズやボサノバ・ジャズに手が伸びる。

Cal Tjader『Sounds Out Burt Bacharach』(写真左)。1968年の録音。ちなみにパーソネルは、Cal Tjader (vib), Mike Melvoin (org), Marvin Stamm (flh), Garnett Brown (tb), Harvey Newmark (el-b), James Helms (g), Jim Keltner (ds), George Berg, Joseph Grinaldi (Bassoon), Ray Alonge (French Horn), Lew Del Gatto (Oboe), George Marge, Jerome Richardson, Jerry Dodgion, Walter Kane (reeds), Albert Wagner, Henri Aubert (vln)。
 
 
Sounds-out-burt-bacharach  
 
 
ジャズ・オーケストラをバックに従え、キーボードはピアノではなくオルガンを採用、ギターも入れて、ベースはエレベ。パーソネルを見るだけで、これは1960年代後半のイージーリスニング志向のライト・ジャズでは無いかと思う。聴けばズバリ。しかし、演奏されるそれぞれの曲がこれまた良い曲ばかりで、それもそのはず、この盤、タイトルからも判る様に、カル・ジェイダーによるバカラック作品のカヴァー集である。

カル・ジェイダーは、米国西海岸はサンフランシスコ出身の彼は、クール聴かせる西海岸ジャズにラテンのリズムを融合させ、ポップでソウルなジャズを展開、この盤についても、どこかラテン風のフレーズが見え隠れしつつ、そこはかとなくソウルフルでファンキーなライト・ジャズである。プロデューサーはGary McFarland。アレンジはマクファーランド含め3名が分担して担当しているが、どの曲のアレンジも優秀。聴いていて爽やかである。

バカラック作品のカヴァー集なので、楽曲自体がしっかりしている分、優れたアレンジと相まって、クールで上質なイージーリスニング志向のライトなジャズに仕上がっている。とにかく肩肘張らずに心地良く聴きながせるのが良い。この季節にピッタリの企画盤です。
 
 
 

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2020年8月 8日 (土曜日)

こんなアルバムあったんや・132

ジャズがこの世に現れ出でて100年が経つという。ハードバップが大流行したのが1950年代。もう60年以上も前のことになる。1970年代後半から1990年代辺りは「未発表音源」や「発掘音源」のリリースがちょくちょくあった。21世紀になって、特に2010年代に入って、さすがに下火になった感がある。

磁気テープのマスター音源のデジタル環境への移行(ハードディスクへの移行)がほぼ完了したのだろう。と思っていたら、今でも未だほんのたまに「こんな音源あったんや」と驚くような「発掘音源」がリリースされることがある。この盤もそうで、リリース報を読んだ時は「え〜、まだそんな音源あったんや」とビックリ。

Art Blakey & The Jazz Messengers『Just Coolin'』(写真左)。1959年3月8日の録音。ブルーノートの音源。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp), Hank Mobley (ts), Bobby Timmons (ts), Jymie Merritt (b)。あのfンキー・ジャズの名盤『Moanin'』の約4ヶ月後の録音。テナーがゴルソンからモブレーに代わっている。

ゴルソンがアート・ファーマーとジャズテットを結成するため1959年に入って離脱。ここでゴルソンの代役をつとめたのが「ハンク・モブレー」。後に2代目音楽監督となる ウエイン・ショーターが加入する端境期のラインアップである。このなかなか魅力的なラインアップで『At The Jazz Corner Of The World, Vol. 1ー2』をリリースしている。
 
 
Just-coolin
 
 
この音源は、ディスコグラフィー上にセッションの記載はあったものの、60年以上も一度も世に出ていなかった幻の音源。収録曲を見ると、約1ヶ月後にライヴ録音される『At The Jazz Corner Of The World』のリハーサル的位置づけのスタジオ録音だったのかなあ、と感じている。

迫力満点のファンキー・ジャズを旨とするジャズ・メッセンジャーズの演奏としてはちょっと「こぢんまりとまとまった」感じがする。約1ヶ月後にライヴ録音される『At The Jazz Corner Of The World』と比較すると、モブレーのテナー・サックスが「真面目一本槍」というお行儀の良いブロウに徹していて、やや躍動感に欠けるきらいがある。

この1959年3月8日のセッションから、「Hipsippy Blues」「M And M」「Just Coolin'」という3曲のモブレー作品と、スタンダード区奥「Close Your Eyes」の計4曲が『At The Jazz Corner Of The World』で演奏されている。で、この4曲についても、『At The Jazz Corner Of The World』の方が、躍動感溢れ、演奏の迫力もある。

スタジオ録音の全6曲中、4曲が後発のライヴ盤と収録曲が被って、ライヴ盤の方が躍動感溢れ、演奏の迫力もあるのだから、何も正式盤としてリリースしなくても良い、というのが、ブルーノートの総帥アルフレッド・ライオンの判断だったのだろうか。

こぢんまりまとまった感のあるスタジオ録音だが、演奏の雰囲気、ハードバップ&ファンキー・ジャズの典型的な演奏がギッシリ詰まっていて、この盤はこの盤なりに聴いていてとても楽しい。まだ、こんな音源が残っているんですねえ。ビックリしました。
 
 
 

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2020年8月 7日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・180

ジャズで扱う楽器は基本的には「何でもあり」。ジャズで扱わない楽器って、ほとんど無いんじゃないかと思えるくらい「何でもあり」である。例えば「ハーモニカ」。これはどう考えたってジャズ演奏には向かないだろうと思っていたが、これがかなりマイナーな存在ではあるが「アリ」。トゥーツ・シールマンス、リー・オスカー、グレゴア・マレ、と何人かのジャズ・ハーモニカ奏者の名が浮かぶ。

Grégoire Maret, Romain Collin & Bill Frisell『Americana』(写真左)。今年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、Grégoire Maret (harmonica), Romain Collin (piano, key), Bill Frisell (g, banjo), Clarence Penn (ds)。スイス・ジュネーブ出身のジャズ・ハーモニカ奏者、グレゴア・マレが筆頭名義の新盤である。

筆頭名義のグレゴア・マレ。今もっとも売れっ子のひとりで、ジャズ・ハーモニカ奏者。多くのジャズ・ジャイアントのアルバムやライヴにその名を連ねている。トゥーツ・シールマンスの後を継ぐ者として、ジャズ・ハーモニカの世界を一手に引き受け、牽引している。第2名義のロメイン・コリンは、フランスが生んだ注目のピアニスト。フランスに育ち、バークレーへの留学を機に米国に移住、現在は米国を中心に活動。

そんな若手有望株の2人に、ベテランの「捻れたアメリカン・ルーツな」ギタリスト、ビル・フリゼールが参加。タイトルが「Americana」なので、恐らくこの盤、米国の原風景を感じさせるフォーキーでネイチャーな「ニュー・ジャズ」な音世界が展開されるのか、と予想する。そう言えば、グレゴア・マレって、パット・メセニー・グループのメンバーとしても活躍してたなあ。
 
 
Americana  
 
 
出てくる音は予想通り、ブルース、カントリー、ブルーグラス、ゴスペル... アメリカのルーツ音楽の要素を取り込んだ、フォーキーでネイチャーな「ニュー・ジャズ」な、静的でスピリチュアルな音世界が展開されている。明らかにパット・メセニー・グループやビル・フリゼールの音世界を想起させる、同一志向の「ネイチャー・ジャズ」(と僕が勝手に呼んでいる)。米国のルーツ・ミュージックにスピリチュアルなロマンティシズムを加えて、独特な音世界を展開している。

そこはかとなく哀愁感が漂い、郷愁を誘う音世界。メロディアスではあるが、ところどころでアブストラクトに展開し、スピリチュアルな雰囲気を醸し出している。ハーモニカとピアノがメインだが、フリゼールは絶妙な間と音の揺らぎと捻れで、その存在感をアピールする。フリゼール独特の哀愁感と寂寞感を漂わせ、その音世界を一気に米国の原風景を感じさせるフォーキーでネイチャーな「ニュー・ジャズ」なものに変化させるところは、さすがフリゼール。

アルバム名義にはその名は無いのだが、ドラマーのクラレンス・ペンが参加している。パーカッションとして数曲、三人のサウンドに彩りを加えるような形での客演。これがまた効果的。

米国の原風景を感じさせるフォーキーでネイチャーな「ニュー・ジャズ」な音世界。暑い夏の昼下がり、ジャズ喫茶で流すのに良い雰囲気の好盤です。思わずとことんリラックスして、ストレス解消。時には寝息を立ててしまうことも(笑)。真夏の昼下がり、こういう盤もまた良し、です。
 
 
 

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2020年8月 6日 (木曜日)

ボサノヴァ・オルガンの第一人者

夏真っ盛りである。かなり強力で長い梅雨が終わったと思ったら、連日の夏空、連日の真夏日である。しかも陽射しは強く、湿気は多い。これは辛い。家に引きこもるのは良いが、熱中症には要注意である。そうなってくると、日頃聴くジャズも志向が変わってくる。やっぱり夏は「ボサノヴァ・ジャズ」だ。爽やかで軽快で暑さを精神的に凌げる「ボサノバ・ジャズ」が一番だ。今年も「ボサノヴァ・ジャズ」の季節がやってきた。

Walter Wanderley『Batucada』(写真)。1967年5〜6月、ハリウッドの Western Recorders での録音。ちなみにパーソネルは、Walter Wanderley (org), Jose Marino, Sebastian Neto (b), Dom Um Romao, Paulinho (ds), Marcos Valle (g),Lu Lu Ferreira (perc), Claudio Miranda, Talya Ferro (vo)。オルガンのワンダレイをリーダーに、オルガン・トリオ+ギター、パーカッションのクインテット構成。2曲ほど、ヴォーカルが入る。

録音年は1967年。レーベルはヴァーヴ。プロデューサーはクリード・テイラーとくれば、大衆向けのポップでイージーリスニング志向のライトなジャズが思い浮かぶ。この盤もその志向を踏襲していて、オルガンによる「ボサノヴァ・ジャズ」だが、聴き心地と聴き易さを追求した作りになっている。リズム&ビートも無難にまとめ、オルガンの響きは何処までも耳当たりが良い。
 
 
Batucada
 
 
時代の要請をよく反映しているイージーリスニング志向の「ボサノヴァ・ジャズ」なんだが、意外とリーダーでオルガン担当のワンダレイの弾きっぷりが、耳当たりは良いが、結構切れ味良く尖っていて、アルバム全体の雰囲気をグッと締めている。イージーリスニング風に甘きに流れないところがこの盤の良いところ。繰り出されるフレーズは、ポップで流麗ではあるが甘さは極力控えめ。

アルバムの帯紙には「ボサノヴァ・オルガンの第一人者」とあるが、そう言えば、ワルター・ワンダレイって、ブラジル出身のオルガニスト。ボサノヴァをしっかり体で理解しているオルガニスト故、ボサノヴァ・ジャズをやっても甘きに流れないのだろう。耳当たりの良いボサノバのメロディーの本質を知っている。ボサノバはムード音楽ではない。ボサノヴァの本質は「サウダージ(郷愁、哀愁)」にある。意外と硬派な音楽なのだ。

ブラジル出身のオルガニストの上質な「ボサノヴァ・ジャズ」盤。聴き流しに好適と思いきや、意外と何かをしながらの「ながら聴き」には向かない。暑い夏の昼下がり、夏空を見ながら涼しい部屋の中で耳を傾けるのが一番良い塩梅。おそらく、この盤の演奏の底に流れる「サウダージ(郷愁、哀愁)」が耳に残り、意識を演奏の「音」に集中させるからではないか、と思っている。聴き応え十分な「ボサノヴァ・ジャズ」。
 
 
 

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2020年8月 5日 (水曜日)

再びフェンダー・ローズを愛でる

いや〜、この盤を聴いた時、久し振りに「やられたなあ」と思った。久し振りに、フェンダー・ローズだけで演奏するジャズ盤に出会った。なかなか無い、というか、最近、少しずつ、メインストリーム系のジャズの中でもフェンダー・ローズが使われることが増えてきたので、もしや、とは思っていたのだが、今回、やっとそんな「フェンダー・ローズだけで演奏するジャズ盤」に出会った。

フェンダー・ローズとは、もともとは、ローズ・ピアノ(Rhodes Piano)と呼ばれ、1940年代にハロルド・ローズ(Harold Rhodes)によって発明された鍵盤楽器。エレクトリック・ピアノの一種。その中で、楽器メーカーの「フェンダー社」が出しているものを、フェンダー・ローズと呼んでいる。

これが、それはそれは、エレピ系の独特の音がする。鋭い打撃音と長く伸びる減衰音から鳴る独特の音色を発するのが特徴。生の音は、特徴ある澄んだ、アタックの強い音がするが、ピアノに内蔵のトーンコントロールの調整や、アンプをオーバードライブ気味に歪ませた時の低音のうなるような力強い音は独特。

ピアニストにとって、エレピ、特にこのローズは扱い難い楽器みたいで、アコースティック・ピアノが主体の1960年代、後半にマイルスが電気楽器を全面的に採用して、いわゆる「エレ・ジャズ」をやるんだが、ここでこのエレピ、フェンダー・ローズがクローズアップされる。しかし、ほとんどのピアニストは拒否反応を示す。当時、フェンダー・ローズを弾きこなしていたのは、チック・コリアとキース・ジャレットくらいかなあ(ちなみに、当時、ハービー・ハンコックは強烈な拒絶反応)。
 
 
Bennys-crib
 
 
Benny Green『Benny's Crib』(写真左)。今年6月のリリース。Benny Green (el-p, ac-p), David Wong (b), Aaron Kimmel (ds), Anne Drummond (fl), Veronica Swift (vo), Josh Jones (congas)。ベニー・グリーンのピアノがリーダーのトリオがベースで、そこにフルート、ボーカル、コンガが客演する編成。特に、この盤の特徴は、ベニー・グリーンが全編エレクトリック・ピアノのフェ ンダー・ローズを使用していること。

それほどアコースティック・ピアノ出身のジャズ・ピアニストからすると、扱い難い楽器であるフェンダー・ローズ。そのフェンダー・ローズをベニー・グリーンは違和感無く、アコピの如く流麗に弾き回している。フェンダー・ローズの特性を良く理解した弾き回しは見事。鋭角に尖った音の特性を抑えて、エッジの丸い柔らかなタッチと少しの揺らぎと伸びのあるトーンを上手く活かして、グリーンはフェンダー・ローズを弾きまくる。

特に、スタンダード曲の中でもミュージシャンズ・チューンズ、「Tivoli (Dexter Gordon)」「Coral Keys (Walter Bishop Jr.)」「Something In Common (Cedar Walton)」「For Tomorrow (McCoy Tyner)」のフェンダー・ローズによる解釈がとてもユニークで面白い。フェンダー・ローズは何もフュージョンやスムース・ジャズだけに使用される「パチもん楽器」では無い。純ジャズに十分に対応するメイン楽器であることがよく判る。

昔、このブログで「フェンダー・ローズを弾きこなすコツって、もしかしたら、爽快感と疾走感溢れるファンキーなピアノが弾けることが最低条件なのかもしれない」と書いたが、意外と言い得て妙かもしれない。ベニー・グリーンもアコピを弾かせたら、爽快感と疾走感溢れるファンキーなピアノを弾く人だったよなあ。
 
 
 

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2020年8月 4日 (火曜日)

どう考えても初心者向けでは無い

暑いですね〜。今日は朝からエアコンのお世話になっています。年齢的に熱中症になってもつまらないので(笑)。

さて、初心者向けのジャズ盤紹介に出てくる盤の中で、どう考えても初心者向けでは無い盤が紹介されていたりする。ジャズの歴史を知る上で重要な盤とか、ジャズの演奏スタイルを全て知る上で必要な盤とかがそれに当たる。逆に、この類の盤をジャズ初心者の時に聴いてしまったら、ジャズを敬遠してしまうことにもなりかねない「危険な盤」である(笑)。

『Louis Armstrong At Town Hall "The Complete Town Hall Concert" 17 May 1947』(写真左)。タイトル通り、1947年5月17日、NYの Town Hal でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Louis Armstrong (tp,vo), Jack Teagarden (tb), Bobby Hackett (tp), Sidney Catlett (ds), Peanuts Hucko (cl), Dick Cary (p), Bob Haggart (b), George Wettling (ds)。

ルイ・アームストロング、愛称サッチモの好ライヴ盤。演奏の合間にサッチモへのインタビューが入っていたりで、臨場感溢れるライヴ盤である。サッチモのトランペットは、力強く音が大きく、それでいて正確な音程が素晴らしく、アドリブにおいては自由奔放さ溢れる展開が個性。バップ以前のスイング時代の音作りだが、そんなスタイルなんて無関係、サッチモのトランペットを通じて、ジャズの楽しさがビンビンに伝わってくる。
 
 
Louis-armstrong-at-town-hall-22the-compl  
 
 
この頃のジャズは人気抜群の「大衆演芸」。サッチモのトランペットの演奏そしてヴォーカル、どれもが「演芸」として突出していて、このライヴ盤を聴いていて良く判るのだが、とにかく聴衆から「大ウケ」である。他のメンバーも同様で、それぞれの楽器で、とても「良い音」を出している。ジャズというもの、まずは「それぞれの楽器がとても良い音を出す」ことが絶対条件、ということをこのライヴ盤は教えてくれる。

サッチモのボーカルだってそうだ。このサッチモの唄いっぷりって、ジャズ・ヴォーカルの「基本・大本」ではないだろうか。ダンディズム溢れる「ジャズとして正統な歌唱法」での歯切れの良い歌唱。肉声が「もうひとつの楽器」となって鳴り響くようなヴォーカルは圧巻だ。このサッチモのヴォーカルは「ジャズ・ヴォーカル」の基本と言って良い。とにかく上手い。こちらも聴衆に「大ウケ」。

「ジャズの基本・ジャズの大本・ジャズの楽しさ」をこのライブ盤は教えてくれる。この盤を聴いて「ジャズの基本・ジャズの大本・ジャズの楽しさ」を感じることが出来るのは、ジャズを聴き込んでいって、ジャズ者中堅になった頃だろう。しかもこの盤、録音は1947年なので良く無い。この盤、たまに初心者向けのジャズ盤紹介に出てくる。しかし、ジャズ者初心者の方々は無理して聴かなくて良い。ジャズ者初心者が楽しめる盤は他に沢山ある。
 
 
 

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2020年8月 3日 (月曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・85

現代のジャズ・ピアノの源は、やはり「バド・パウエル」と「ビル・エバンス」だと思うのだ。ジャズ・トリオのインタープレイの祖、ビル・エバンスだって、弾きっぷりの底にあるのは、バド・パウエルが確立した「バップ」な弾きっぷり。バドのバップな弾きっぷりに、ビルのインタープレイの弾きっぷりを合わせて、現代のジャズ・ピアノの大本があると思うのだ。

Barry Harris『At The Jazz Workshop』(写真左)。1960年5月、米国サンフランシスコの The Jazz Workshop でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Barry Harris (p), Sam Jones (b), Louis Hayes (ds)。バド・パウエル直系、バップな弾きっぷりのピアニスト、バリー・ハリスのライヴ盤の快作である。

「ノリ」が命のバップ・ピアノ。バリー・ハリスのピアノは、右手は良く回り、左手のベースラインはゴンゴン骨太に爽やかに響く。逆に、トリオでの三者一体となったインタープレイの要素はほとんど無い。あくまで「バップ」。まさに、バップ・イディオムが、盤全体に横溢する、パウエル直系の爽快なライブ・パフォーマンスである。
 
 
At-the-jazz-workshop  
 
 
とにかく元気なバップ・ピアノ。この「元気」がバリー・ハリスの好盤の印。思索的な、耽美的なバリー・ハリスは似合わない。ガンガンに行くのではなく、ノリノリで行くタイプ。力よりは技で勝負するバップ・ピアノ。その良いところを余すところなく発揮したライヴ盤。聴いていて気持ちが良い。聴いていて、思わず足が動き、手でリズムを取る。

バップなピアノを支えるには「重い」ベースが良い。この盤では「バップ」なピアノを支える正統なベース、ひたすらリズムキープに徹する、サム・ジョーンズの重低音ベースが良い。そして、「バップ」なピアノのパフォーマンスにリズムの緩急を、リズムのキープを司る、大胆かつ繊細な、ルイス・ヘイズのドラムが良い。

ハリスの典型的なバップ・ピアノ。それを支えるジョーンズの重低音ベース。リズム&ビートを司る大胆かつ繊細なヘイズのドラム。バップなピアノ・トリオの好パフォーマンスがこの盤に詰まっている。そして、ジャケットを見れば、なかなかお洒落なロゴタイプにあしらわれた「ジャズらしい」ジャケット。ピアノ・トリオの好盤である。
 
 
 

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2020年8月 2日 (日曜日)

ヤング・ホルト・アンリミテッド

ジャズを聴き始める前、高校時代の後半は、米国ルーツ・ミュージックが大好きになり、FMのエアチェックについては、ソウルやR&Bにも手を出すようになっていた。そして、大学に入ってジャズを聴き始めて、ジャズの合間の耳休めには、ソウルやR&Bを聴いたり、クロスオーバー・ファンクのアルバムを紹介して貰ったりして、足で拍子を取りながら、研究論文を読みながら、秘密のジャズ喫茶の昼下がりを過ごしていた記憶がある。

Young-Holt Unlimited『Oh Girl』(写真左)。1972年5月はシカゴ、1972年8月はNYでの録音。ちなみにパーソネルは、Eldee Young (b), Ralph MacDonald (perc), Isaac "Redd" Holt (ds), Marcus Curry (el-g), Bobby Lyle, Ken Chaney (el-p, ac-p)。内容としては、クロスオーバー・ジャズの範疇、ソウル・ミュージックとエレ・ジャズの融合。こってこてファンクで、むっちゃグルーヴィーな音世界である。

「Young-Holt Unlimited」は、ベースのエディー・ヤングとドラムのレッド・ホルトのリズム隊コンビがメイン。我が国では一般には知られていない。しかし、レア・グルーヴ、サンプリングの世界では有名。とにかくこの盤のファンクネスとグルーヴ感、ブラック・ミュージック好きには堪らない。しかも、この盤、ボーカルが入らない。クロスオーバー・ファンクな演奏だけで、このグルーヴ感を醸し出す。堪らない。
 
 
Oh-girl-youngholt-unlimited
 
 
リズム隊がメインなので、ドラムブレイクやうねるようなファンキー・ビート、粘るベースラインなど、ジャズ・ファンクな要素がギッシリ詰まっていて、聴き始めると、足でリズムを取る、腰が動く、体を揺する。とにかく強烈なグルーヴ感。キーボードもソウルフルで、コロコロとした単音のエレピが心地良さを増幅。時代として、まだまだ電気楽器の性能が低いなか、このうねるようなグルーヴ感は凄まじいものがある。

ポインター・シスターズ名曲のカヴァー「Yes We Can」、デオダートの指揮でチャイ・ライツの名曲をカヴァーした「Oh Girl」など、ファンクネスのうねりが芳しく、レッド・ホルト作の「Rubber Lips」のむっちゃ渋いドラムブレイク、ダンディズム溢れるジャズ・ファンク曲「Bumpin' On Young Street」等、聴きどころ満載。

実はこの盤、ヤング・ホルト・アンリミテッドの最後のアルバムで、1974年にバンドを解散、ヤングとホルトは1980年代にラムゼイ・ルイスのグループに戻っている。そう、このヤング・ホルト・アンリミテッド、やっぱり、1960年代後半のラムゼイ・ルイスが関係しているんですね。こってこてファンクでグルーヴィーでありながら、破綻せず端正でポジティヴなジャズ・ファンクを叩き出す。何となく、ラムゼイ・ルイスを彷彿とさせますね。なんか納得しました
 
 
 

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2020年8月 1日 (土曜日)

不思議と紹介本でよく挙がる盤

ミシェル・サルダビー(Michel Sardaby)。我が国では、ジャズ・ピアノ盤の紹介本には必ず出てくる『Night Cap』というピアノ・トリオ盤だけで、意外と有名な存在である。恐らく、当時のジャズ評論家の方か、ジャズ喫茶のマスターが見つけて、欧州のピアノ・トリオ盤の隠れ好盤としてもてはやした結果だと思っている。サルダビーはもともと「寡作の人」で、50年余のキャリアの中で、15枚程度のリーダー作しかリリースしていない。

このサルダビーのというピアニスト、その個性について、意外としっかりと表現しているものが無くて、3日前の当ブログにも書いたソロ・ピアノ盤を含めて、5〜6枚の彼のリーダー作を一気に聴き通してみた。その結果、このサルダビーというピアニスト、ちょっとクラシックの要素も入った、端正で堅実な「正統ジャズ・ピアノ」。タッチは歯切れが良く、アドリブ・フレーズは流麗。ジャジーな雰囲気はしっかり保持している。つまりは「総合力で勝負」する類のピアニストである。

Michel Sardaby『Night Cap』(写真左)。1970年10月30日、パリでの録音。ちなみにパーソネルは、Michel Sardaby (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)。ピアノのサルダビーがリーダーの「トリオ編成」盤である。どういった経緯でそうなったか不思議だが、バックのリズム隊は、当時、モダン・ジャズ・カルテットのパーシー・ヒースとコニー・ケイが担当している。
 
 
Night-cap  
 
 
そのサルダビーを我が国で有名にしたピアノ・トリオ盤である。もともと彼が「マルティニーク島フォールドフランスで生まれ」というちょっと変わった出身であること、そして、このトリオ盤の出だしの「Traveling On」のピアノが、どこかエスニック風で、なんとなく中東や東欧をイメージするマイナーなフレーズを多用しているので、なんとなく怪しげな、胡散臭い印象を残すのだろう。ただ、残りの演奏含め、全編を聴き通して、サルダビーのピアノは決して怪しげでも無ければ、胡散臭さも無い。

ただ印象に残るほどの強烈な個性や弾き回しは無いので、中くらいかそのちょっと上くらいの「総合力で勝負する」ピアニストなんだな、と思ってしまう。ただし、バックのリズム隊、パーシー・ヒースのベース、コニー・ケイのドラムのパフォーマンスがなかなかに優れていて、このリズム隊含めたピアノ・トリオ全体としての演奏はなかなかのものである。確かに、この盤での3者一体となったインタープレイは「聴きもの」である。
 
今ではこの盤レベルの欧州ジャズのピアノ・トリオ盤については色々あるが、インターネットが普及する前は、特に欧州のジャズ盤については情報不足で、こういった「口コミ」による情報が貴重だったのだろう。サルダビーの個性については明確な「掴みどころ」はないが、フランス発のピアノ・トリオ盤として、欧州ジャズのピアノ・トリオ盤として、その雰囲気を楽しめる盤ではある。悪くは無い。好盤である。
 
 
 

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