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2020年7月24日 (金曜日)

ウィントンはライヴ盤が一番

ウィントン・マルサリス。クリフォード・ブラウン〜マイルス・ディヴィスの後を継ぐ者として嘱望されたトランペッターである。デビュー当時は弱冠20歳。ジャズ史上最高の「若き天才」と褒め讃えられた。が、歳を取るにつれて人気がどんどん落ちていく。テクニック最高、歌心満載なトランペットでありながら、である。「ウィントンは面白く無い」。今でもよく言われる評価である。

ジャズマンとしてのスタンスがウケない原因だろう。ジャズは「ハードバップ」のみを認める。ジャズの起源とされる「ニューオリンズ・ジャズ」がジャズの絶対的存在とする。エレクトリック・ジャズやフュージョン・ジャズ、フリー・ジャズは「堕落したジャズ」と切り捨てる。自らが提唱した「純ジャズ復古」については、内容的には「モード・ジャズ」一辺倒。それも小難しいものばかり。

そんなウィントン・マルサリス。マルサリスはライヴ盤が一番とされる。小難しいことを考えずに吹きまくるマルサリスは素晴らしい。スタジオ録音盤は、スタジオに閉じ籠もって、理想とするジャズとは何かを突き詰めて考えて、モード・ジャズを複雑に複雑に展開してしまう。しかし、テクニックが最高なので、そんな複雑極まりないモード・ジャズを楽々吹き切ってしまう。聴き手はついていけない。
 
 
Live-at-blues-alley  
 
 
Wynton Marsalis『Live at Blues Alley』(写真)。1986年12月19ー20日、Washington, D.C.のライブ・スポット「Blues Alley」でのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Wynton Marsalis (tp), Marcus Roberts (p), Robert Hurst (b), Jeff "Tain" Watts (ds)。次世代ジャズのリーダー格として、最高に「尖っていた」頃のウィントンのライヴ盤である。

CD2枚組。全16曲、これでもか、と言わんばかりの「モード・ジャズ」のオンパレード。これまた、最高テクニックを誇るカルテットが、難解なモード・ジャズをやりまくる。が、リーダーのウィントンは一心不乱にトランペットを吹きまくっている。速いテンポのアドリブ展開の指捌きの速さと正確さは凄い。その切り口では「史上最高」のトランペッターだろう。フレーズもバリエーションに富み、飽きることは無い。CD2枚を一気に聴き切ってしまう。

ここで奏でられている「モード・ジャズ」。お手本はマイルスの1960年代黄金のクインテットのモード・ジャズだろう。1960年代マイルスのモード・ジャズを、1980年代の最高なテクニックで、迷い無く確信を持って、これ以上無いレベルのモーダルな演奏で再現する。この辺は21世紀の今の耳で聴けば、新しい音の発見が無いので、ちょっとつまらない。しかし、史上最高のトランペッターの一人、ウィントンのパフォーマンスを愛でるに最適なライヴ盤ではある。
 
 
 

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