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2020年7月 3日 (金曜日)

普遍的なハードバップなジャズ

ホレス・シルヴァーのファンキー・ピアノが長年のお気に入りである。とにかく判り易い。ジャズを聴き始めたジャズ者初心者の頃、ホレス・シルヴァーのピアノは判り易かった。マイナー調の愁いを、時にラテンの哀愁を帯びた、それでいて躍動感のあるフレーズ。これが「ファンキー」というものか、と僕は「ファンキー」というワードを、ホレス・シルヴァーのピアノのパフォーマンスを通じて理解した。

Horace Silver『Song for My Father』(写真左)。1963年10月31日、1964年10月26日 の2回のセッションの寄せ集め。ちなみにパーソネルは、次の2つの編成に分かれる。 1963年10月31日の録音で、Horace Silver (p), Blue Mitchell (tp), Junior Cook (ts), Gene Taylor (b), Roy Brooks (ds)。1964年10月26日の録音で、Horace Silver (p), Carmell Jones (tp), Joe Henderson (ts), Teddy Smith (b), Roger Humphries (ds)。

アルバム冒頭のタイトル曲「Song for My Father」が特に有名。一度聴いたら忘れない、とてもキャッチャーでポップで躍動感溢れるテーマが格好良い。この曲は、1964年の録音なので、テーマの印象的な、溌剌ファンキーなトランペットは「カーメル・ジョーンズ」である。ブルー・ミッチェルでは無い。寄り添うようなテナー・サックスは「ジョー・ヘン」。
 
 
Song-for-my-father  
 
 
この盤、冒頭のタイトル曲「Song for My Father」ばかりが有名だが、2曲目以降も、なかなかのファンキー・ジャズが展開されている。特に、1964年の録音の方が内容的に優れていて、ファンキーでポップな曲で固められたこの盤では、カーメル・ジョーンズとジョー・ヘンのフロント2管の相性がバッチリ。曲で言うと「The Natives Are Restless Tonight」「Que Pasa」「The Kicker」。

時は1960年代前半、モード・ジャズが主流を占めつつあったが、この盤にはスインギーなハードバップ、スインギーなブルースが満載。シルヴァーのピアノがファンキーなので「ファンキー・ジャズ」に分類されたりするが、この盤は古き良き時代のハードバップがメイン。演奏も端正で躍動感溢れ、イマージネーション溢れるアドリブが展開される。普遍的なハードバップなジャズがこの盤に詰まっている。

本作のタイトル曲「Song For My Father」はホレス・シルバーが自分の父親に捧げたもの。この盤のジャケ写の「帽子を被った葉巻のおじいさん」が実はホレス・シルヴァーの父君そのものである。ブルーノート・レーベルって、モダン・ジャズの硬派でならしたレーベルなんだが、こういうジャケ写での「粋な計らい」をする、お茶目なレーベルでもある。
 
 
 

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コメント

右の写真は、フランシス・ウルフの1955年頃のヤツですね。この頃のシルバーが一番イケメンだった。

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