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2020年7月14日 (火曜日)

久し振りのタイガー大越です。

ネットの音楽系サブスク・サイトを徘徊していて、懐かしい名前を見つけて喜んでいる。「タイガー大越」。1981年にメジャー・デビュー。フュージョン・ジャズの大ブーム後期に、ちょっと遅れて出てきた印象があった。でも、デビュー盤の『Tiger's Baku』は、良質のフュージョン・ジャズ盤で、当時、結構ヘビロテだった。
 
Gary Burton『Times Square』(写真)。1978年1月の録音。ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Gary Burton (vib), Steve Swallow (b), Roy Haynes (ds), Tiger Okoshi (tp)。バートンのリーダー作については、ホーンが参入した盤は珍しい。この盤については、師匠格のヴァイブ奏者、ゲイリー・バートンがレギュラー・メンバーに抜擢して、日本人トランペッター、タイガー大越がレコーディング・デビューしている。

1983年以降、タイガー大越の名前を見なくなったが、この10年ほど前から、バークリー音楽院で教鞭を執っている話から、彼の情報が再び入る様になった。タイガー大越は、1950年芦屋生まれ。バークリー音楽院に進み、首席で卒業している。ゲイリー・バートンは、タイガー大越のバークリー音楽院時代の先生だったわけですね。

この盤のリーダー、ゲイリー・バートンは1970年代初めより、バークリー音楽大学で教鞭を取っており、このタイガー大越をはじめ、パット・メセニー、エバーハルト・ウェーバー、ラルフ・タウナー、小曽根真 等、有望な新人を数多く世に紹介している。
 
 
Times-square   
 
   
ゲイリー・バートンのリーダー作としては、珍しくトランペットが入ったコンボでの演奏なので、何故が耳新しく響く。トランペットならでは、の音の流れ、吹きやすいフレーズがあって、それに合わせて、タイガー大越のトランペットを引き立たせる様なバートンのヴァイブのフレーズが耳新しく響くのだろう。それにしても、バートンのフロントのトランペットに対するサポートは見事。さすが、タイガー大越の「お師匠様」である。
 
そのタイガー大越のトランペットも見事である。柔らかくて暖かい音。テクニックは優秀だが、それをひけらかすことは無い。嫌味の無い「流麗さ」。フレディ・ハバードを温和に柔らかにした様な感じ。日本人トランペッターであるが故、ファンクネスは希薄。アドリブ・フレーズは、どこまでも「メロディアス」。当時、ありそうで無い、個性的なトランペットである。
 
ベースのスワローは、バートンの片腕みたいな存在で、曲毎に適正な「リズム&ビート」を供給する。そして、バートンにとっては珍しい客演、ドラマーのロイ・ヘインズがご機嫌なドラミングを披露している。
 
良質のメインストリーム系のジャズ演奏に思わずニンマリ。とりわけバートンのヴァイブが絶品。優れた教え子をフロントに迎えてのリーダー・セッションである。気合いが入っていたんだろうなあ。この盤の「バートン先生」のパフォーマンスには脱帽です。
 
 
 

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