ジャズ喫茶で流したい・173
緊急事態宣言は解除になったとは言え、東京、神奈川はまだまだ予断を許さない状況が続いている。しかしながら、季節は着実に前に進んでいて、一昨日、昨日は「梅雨前の真夏日」がいきなりやってきて、熱中症になるんじゃないか、と思う位の蒸し暑さ。そして、今日はほとんど梅雨に入ったかのような、どんより曇り空。梅雨になれば、また家に引き籠もる日が増える。またジャズを聴く機会が増える。
さて、現代の「コンテンポラリーな純ジャズ」基調のジャズ・ギターの特集3連発である。一昨日は「カート・ローゼンウィンケル(Kurt Rosenwinkel)」、昨日は「ウォルフガング・ムースピール(Wolfgang Muthspiel)」。次世代を担う中堅ギタリストと思われる二人の好盤をご紹介した。そして、今日は「ケヴィン・ユーバンクス(Kevin Eubanks)」。
Kevin Eubanks『East West Time Line』(写真左)。2017年の作品。パーソネルは2グループに分かれる。前半の1-5曲目については、Kevin Eubanks (g), Orrin Evans (p, rhodes), Dave Holland (b), Nicholas Payton (tp), Jeff ‘Tain’ Watts (ds)。後半の6-10曲目については、Kevin Eubanks (g), Rene Camacho (b), Mino Cinelu (per), Bill Pierce (ts), Marvin ‘Smitty’ Smith (ds)。
ユーバンクス作曲の1-5曲目と、ジャズメン・オリジナル、その他カヴァー曲の6-10曲目とに分かれ、パーソネルも異なっている。前半のユーバンクス・オリジナルで固めた演奏は、演奏メンバーの個性通り、モーダルではあるが、自由度の高い演奏がメイン。ニュージャズ志向のイメージが強い。ファンキーなビートも見え隠れするんだが、ふんわりとした透明感が漂うところが「クールなスピリチュアル・ジャズ」の印象で、いかにも現代のジャズ・ギターらしい。
ジャズメン・オリジナル、その他カヴァー曲の6-10曲目は、規律に則ったネオ・ハードバップ志向が強くなる。エリントン作の「Take The Coltrane」、チック・コリアのRTF時代の名曲「Captain Señor Mouse」、レイ・ブライアントの人気曲「Cubano Chant」、そして、R&Bのマーヴィン・ゲイの大ヒット作「What's Going On」と魅力的な楽曲がズラリと並ぶ。ストレート・アヘッドな、グッと締まったネオ・ハードバップ。
この盤は、現代のジャズ・ギターの二面性である(と僕が考える)、「ニュージャズ志向のクールなスピリチュアル・ジャズ」と「規律に則ったストレート・アヘッドなネオ・ハードバップ」の両方がしっかりと確認出来る好盤。ケヴィン・ユーバンクスのクールで尖ったギターは歌心&テクニック共に冴え渡り、現代のジャズ・ギターを代表する好盤の一枚、一聴の価値ありかと思います。
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