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2020年6月 1日 (月曜日)

ジャズ・ファンクは永遠に ...

ジャズ・ファンクの担い手達は「遅れてきた世代」。モダン・ジャズ黄金時代に乗り遅れた世代。彼らのデビューは大体1960年代後半。ロック、ソウル・ミュージック、ジャズ・ロック、クロスオーバー・ジャズが最先端とされた時代。もはやハード・バップは時代の遺物とされた時代。そんな彼らは、アップテンポの「ソウル&ファンク・ミュージック寄り」の、いわゆる「ジャズ・ファンク」でその実力を発揮することになる。

Boogaloo Joe Jones『No Way!』(写真左)。1970年11月23日、Van Gelder Studioでの録音。ちなみにパーソネルは、Ivan 'Boogaloo' Joe Jones (g), Sonny Phillips (org, el-p), Butch Cornell (org, tracks: B1, B3), Grover Washington, Jr (ts), Jimmy Lewis (b), Bernard Purdie (ds)。いずれも、ハードバップ・ジャズとは一線を画する、ジャズ・ファンクの担い手がズラリ。

この盤はジャズ・ファンクを代表するギタリスト、ブーガルー・ジョー・ジョーンズが名門プレスティッジ・レーベルに残した1971年発表作品である。時代は商業ロック・ポップスが台頭し、ジャズが存続するのに苦しんだ時代。そんな時代に、このブーガルーの『No Way!』の様に、ファンクネス濃厚、グルーヴ感抜群のソウルフルでポップな盤がリリースされているのだがら、意外とジャズ者の裾野は広かったことが判る。
 
 
No-way
  
 
この盤を聴くと感じるのは、ポップなジャズ・ファンクやな〜、ということ。ファンクネスはコッテコテ濃厚なんだが、グルーヴ感は意外とライト。軽快にポップにグルーヴするジャズ・ファンクで、ブーガルー・ジョー・ジョーンズがその雰囲気を牽引している。この盤に濃厚な「ポップなジャズ・ファンク」は、ブーガルーのギター演奏そのものと言って良い。

ダンサフルな曲はノリノリ、しっとりバラードな曲はしみじみ。かかるような、前のめりのカッティングが心地良いのは従来通りなのだが、意外とポップなところがこの盤の個性。それでも、タイトル曲「No Way!」の超絶速弾きのカッコ良さは相変わらずだ。そして、この盤ではオルガンが大活躍している。こってこてソウルフルなオルガンがバッチリ効いた「Sunshine Alley」「I'll be There」が見事。

しかし、ブーガルー・ジョー・ジョーンズの活動期間は1960年後半~1970年代中盤まで。ジャズ・ファンクは、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズに取って代わり、併せて、ジャズ・ファンクを代表するギタリストであったブーガルー・ジョー・ジョーンズは、ジャズの歴史に埋もれていった。しかし、彼が録音した音源が有る限り、ジャズ・ファンクは永遠に不滅である。
 
 
 

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