« こんなアルバムあったんや・129 | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・169 »

2020年5月14日 (木曜日)

爽やか軽やかなフュージョン

今日の千葉県北西部地方は、実に爽やかな一日だった。空は快晴、ちょっと強いが乾いた薫風が吹き抜ける。外を散歩しても、陽射しは強いが汗ばむことは無い。良い季節になりました。ステイホームのジャズ鑑賞も、いきおい、爽やかなフュージョン・ジャズのアルバムを探しては、CDプレイヤーのトレイに載せてしまいます。

Grover Washington, Jr.『Soulful Strut』(写真左)。1996年のリリース。パーソネルを見渡すと、名前の通ったフュージョン畑の名手達の名前は無い。1996年のフュージョン・ジャズの好盤である。さもありなん、と思う。ワシントン・ジュニアは1999年12月に逝去(享年56歳)しているので、逝去の僅か3年前の「白鳥の歌」、最後のオリジナル盤である。

タイトルの「Soulful Strut」、ニューヨーカーの歩き方で「気取って軽やかに歩く」とか」「魂むき出しで堂々と前に進んでいく」という感じらしい。当アルバムの冒頭を飾るのが、このタイトル曲「Soulful Strut」。「Soulful Strut」という題名としては、1968〜69年にヒットした、Young-Holt Unlimitedのインスト曲のカヴァーなんだが、爽やか軽やかに歩いて行く、って感じで、今の爽やかな季節にピッタリの雰囲気。
 
 
Soulful-strut  
 
 
R&B風の曲想に、キャッチーなブラスのリフが乗り、哀愁感溢れるピアノがフレーズを紡ぎ、グルーヴ感溢れるエレベとシンプルで適度にルーズなドラムがアーバンでソウルフルなビートを醸し出す。そして、ウォームだが切れ味の良い、唄うが如くのワシントン・ジュニアのアルト・サックスが印象的。この1曲だけでも、この盤は「買い」である。

ワシントン・ジュニアについては、1980年の『Winelight』ばかりが語られ、これしかないフュージョン・ジャズ野郎と思われがちですが、他にも内容のある好盤を多数リリースしています。この『Soulful Strut』も、そんな内容のある好盤の一枚。冒頭のタイトル曲がこの盤全体の雰囲気を決定付けていて、全編、爽やかで軽やかな、R&B基調のフュージョン・ジャズが満載です。

曲によって採用されている無機質な打込み系のリズム&ビートも気にならない、ソウルフルでウォーム、切れ味良くクールなワシントン・ジュニアのアルト・サックスが映えに映える。ワシントン・ジュニアのアルト・サックスの個性が良い方向に全開の好盤です。この3年後、56歳で逝去したのが実に惜しい。ジャズマンとしては成熟してこれから、と言う時に残念でなりませんでした。
 
 
 

《バーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況
 

 ★ AORの風に吹かれて     【更新しました】2020.05.11更新。

  ・『Another Page』 1983

 ★ まだまだロックキッズ       2020.04.19更新。

  ・レッド・ツェッペリン Ⅰ

 ★ 松和の「青春のかけら達」   2020.04.22更新。

  ・チューリップ 『TULIP BEST』
  ・チューリップ『Take Off -離陸-』
 
 
Matsuwa_billboard  

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から9年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 

« こんなアルバムあったんや・129 | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・169 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« こんなアルバムあったんや・129 | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・169 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー