« CTIにも純ジャズ好盤がある | トップページ | ポーランド・ジャズの古典的名盤 »

2020年5月18日 (月曜日)

ながら聴きのハモンド・オルガン

ジャズは何も米国と日本だけのものでは無い。1950年代から欧州各国でジャズは根付いていた。今でも、欧州各国を旅行すると、大きな都市にはジャズのライヴスポットがあることに気付く。また、普通の大きめのレストランでは、店の中でライブ演奏していたりする。

日本人の印象は以前から「欧州の音楽と言えばクラシック」だったが、これはとんでもない誤解である。もともと欧州各国は移民を受け入れている。様々な民族が寄せ集まっているので、様々な音楽のジャンルに対する許容範囲が広い。ジャズだって、1950年代後半から、英、仏、独、伊各国、はたまた北欧諸国で演奏されていた。

Rhoda Scott『Movin' Blues』(写真左)。2020年1月のリリース。ちなみにパーソネルは、Rhoda Scott (hammond B-3), Thomas Derouineau (ds)。米国出身、フランスで活躍するオルガニスト、ローダ・スコットが、リエージュで発見した若いドラマー、トーマス・ドゥルイソーとデュオで吹き込んだ最新作。

ネットの触れ込みでは「ハモンド・オルガンの女王」。が、僕はローダ・スコットの名前を知らなかった。シャーリー・スコットは知っている。でも、ローダは知らない。誰だこれ、と思って、以前刊行されたジャズ批評のオルガン特集を繰って、やっと理解した。

ローダ・スコットはもともとは米国のオルガニスト。1967年にフランスへ移住して以降、フランスが活動拠点となっている。経歴としてユニークなのは、クラシックを学び、さらにパリへ留学した折、あのナディア・ブーランジェ(最高水準にある音楽教師の一人)に師事したということ。そんな経歴の人がジャズ・オルガンをやるのだ。確かに、ローダのハモンドの響きはユニーク。
 
 
Movin-blues  
 
 
テクニックが端正かつ堅実。変な弾き回しの癖が無い。歯切れの良い、正確なピッチ。ハモンドの弾き回しながら、ジャジーではあるがファンクネスはほどんど感じられない。アドリブの展開がゴージャズでスケールが広い。まず米国では聴けないジャズ・オルガンである。欧州ならでは、とも言えるが、ジャジーな雰囲気濃厚なところは、欧州出身のジャズ・オルガンとは異なるところ。

さて、この盤であるが、オルガンはフット・ペダルでベースラインを弾けるので、ベースレスというのはよくあるが、ドラムとオルガンだけのデュオというのはあまり聴いた事が無い。シンプルな構成なので、演奏のバリエーションが乏しくなり、飽きが来る危険性があるので、ギターを入れたり管を入れたりするのだが、ドラムとのデュオというのは珍しい。

オルガンとドラムのデュオなので、演奏内容はシンプルになる。長いソロは必要無いので、いきおい1曲の演奏時間は4〜5分程度とポップス曲なみの短さになる。全部で12曲収録されているので、飽きが来るかなあ、と思ったが、ローダのオルガンのテクニックが優秀なので、ドゥルイソーの多彩なドラミングのおかげと併せて、なんとか全編聴き通すことが出来る。

ローダ・スコットは1938年生まれ。今年で82歳になる。ちょっと長時間のアドリブの弾き回しには体力的に無理があるかな。それでも、シンプルではあるが弾き回しは流麗、メリハリも効いていて、聴き流しのジャズとしては有効なアルバムである。我が「バーチャル音楽喫茶・松和」では、構えて聴き込むのでは無く、何かしながらの「ながら聴きのジャズ」として、この盤、現在、ヘビロテ中である。
 
 
 

《バーチャル音楽喫茶『松和』別館》の更新状況
 

 ★ AORの風に吹かれて     【更新しました】2020.05.11更新。

  ・『Another Page』 1983

 ★ まだまだロックキッズ       2020.04.19更新。

  ・レッド・ツェッペリン Ⅰ

 ★ 松和の「青春のかけら達」   2020.04.22更新。

  ・チューリップ 『TULIP BEST』
  ・チューリップ『Take Off -離陸-』
 
 
Matsuwa_billboard  

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から9年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 

« CTIにも純ジャズ好盤がある | トップページ | ポーランド・ジャズの古典的名盤 »

コメント

サドメルwithローダスコットのマッハ2がとてもかっこよく。テーマ聞いただけでゾクゾクして、ライブの別バージョンだったかも買って、学生の頃何度も聞きました。
拝見してして思い出して、現役なのもなんだか嬉しく、どうしてもお伝えしたくてコメントさせていただきました。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« CTIにも純ジャズ好盤がある | トップページ | ポーランド・ジャズの古典的名盤 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー