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2020年5月11日 (月曜日)

温故知新な現代ジャズです。

溜まりに溜まったジャズの新盤の整理をしている。整理するにしても、先ずは自分の耳で聴いてみないことには整理出来ない。まず聴くべし、聴くべしである。そういう点では、今回のコロナウィルスの緊急事態宣言については、ジャズの新盤を集中して聴く時間が取れたので、ステイホームを有効に活用していると言えるかな。

新盤を聴き進めていると、これは、という好盤にいきなり出会ったりする。しかも、その好盤のリーダーの名前を見ると、決まって知らない名前だったりする。それでは困る。よって、ググって「これはいったい誰なんだ」と調べに走る。そういう時、言語は何でも良い。情報があれば良い。無いと困る。好盤なのに評価が出来ない状況に陥る。ネット時代の音源過多の弊害でもある。

Emanuele Cisi『No Eyes : Looking at Lester Young』(写真左)。2018年6月、Warner Music Italy からのリリース。リーダーは、テナー’サックス奏者の Emanuele Cisi=「エマヌエーレ・チーズィ」。ちなみにパーソネルは、Emanuele Cisi (ts), Dino Rubino (p, flh on 5,11), Rosario Bonaccorso (b), Greg Hutchinson (ds), Roberta Gambarini (vo on 1,2,4,6,8)。
 
 
No-eyes-looking-at-lester-young  
 
 
エマヌエーレ・チーズィは、イタリアの実力派テナー・サックス奏者。1964年生まれ。今年で56歳になる。イタリアのトリノ出身。1994年に初リーダー作をリリース。1999年以降は、主にフランスに拠点に移して活動している、とのこと。イタリアン・ジャズについては10年以上、折につけ耳にしていたが、チーズィの名前は知らなかった。が、この敬愛するレスター・ヤングに捧げたオマージュ作品を聴けば、チーズィの実力の高さが良く判る。

レスターに捧げたチーズィのオリジナル曲に加え、「Jumpin' At The Woodside」や「These Foolish Things」等のレスターの愛奏曲を選曲。そして、面白いのは、レスターの様なオールド・スタイルで吹けば面白いであろう、ショーター作の「Lester Left Town」や、ミンガスの「Goodbye Pork Pie Hat」を演奏しているところ。これらの曲を、オールド・スタイルを基本としたテナーで吹き進めている。が、出てくるフレーズは、現代ジャズの先端を行く、ネオ・ハードバップでモーダルな自由度の高いもの。このギャップが面白い。

ゲストで参加しているロベルタ・ガンバリーニのボーカルも味があって、「レトロなモダンジャズ」風で良い感じ。オールド・スタイルを基本に「古き良き時代のスインギーなバップ」をやりながら、出てくるフレーズは「現代のネオ・ハードバップ」。まさに「温故知新」な内容の現代ジャズである。盤全体の雰囲気はムーディーで落ち着きのあるもの。ジャズ者の方々全てにお勧めの好盤です。
 
 
 

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