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2020年4月13日 (月曜日)

英国のクロスオーバー・ジャズ

英国のジャズは面白い。他国とは違った、英国独特のこだわりがある。メインストリーム・ジャズは「ビ・バップ」か「ハードバップ」が絶対。ファンキー・ジャズなど、大衆音楽志向のジャズの演奏トレンドは御法度。そして、面白いのは、ロックとジャズとの境界線が曖昧。演奏するミュージシャンが被っていたりして、ロック出身のミュージシャンがジャズをやったり、ジャズ出身のミュージシャンがロックをやったりする。

Brand X『Unorthodox Behaviour』(写真左)。邦題は「異常行為」(すごい邦題だ)。1975年10〜11月の録音。ちなみにパーソネルは、John Goodsall (g), Percy Jones (b), Robin Lumley (key), Phil Collins (ds, perc, vib on "Euthanasia Waltz"), Jack Lancaster (ss on "Touch Wood")。

「Brand X」は、英国を代表するジャズ・ロック(クロスオーバー・ジャズっぽいが)、及びフュージョン・ジャズのバンドである。1975年に結成されている。結成当時、ドラマーをどうするかで色々人選するが、キング・クリムゾン(元イエスでもある)のビル・ブルーフォードは契約の関係上、参加を見送り、結局、プログレ・バンドのジェネシスからフィル・コリンズが招かれている。
 
 
Unorthodox-behaviour-brand-x  
 
 
このドラマーの人選の変遷を見ても、プログレッシブ・ロックとジャズの境界線は曖昧なんだが、演奏内容については、とにかくテクニックが凄い。しかも、英国のロック・バンド特有の黄昏時の様な「ほの暗さ」と「ウェット感」が漂っている。バカテクに情緒的な雰囲気を兼ね備えわせた、いかにも英国出身のクロスオーバー・ジャズのバンドである。

この『Unorthodox Behaviour』は、そんなBrand Xのデビュー盤。とにかく全編に渡って、バカテクな演奏が凄まじい。エレギはファンキーなカッティングと精緻なタッチでの速弾きが凄まじく、キーボードは、スペイシーなモーグ・シンセとシンプルなフェンダー・ローズを併用、ミステリアスな雰囲気を醸し出す。

さらに凄まじいのがリズム・セクションで、ジェネシスでお馴染みのドラマー、フィル・コリンズの切れの良い超高速ドラムが炸裂、パーシー・ジョーンズが自由に操るフレットレス・ベースは凄まじいテクニックを駆使して、縦横無尽に躍動する。バカテクではあるが、情緒、陰影に富んだクロスオーバー・ジャズは、やはり英国独特と言えましょう。フュージョン者には必聴アイテムです。
 
 
 

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