ジャズ喫茶で流したい・165 『Ain't But a Few of Us Left』
コロナウィルスに関する緊急事態宣言の下、基本的に「引きこもり」の毎日が続いている。一昨日は北風が強くて外出できず、今日はヒンヤリしていて外出出来ない。最近は、ジャズのアルバム・ライブラリーの整理と更新、そして、ジャズ盤紹介本の読み直しをしつつの、まだ聴いたことのない「隠れ好盤」の発掘作業が楽しい。
かなりの数のジャズ盤紹介本が書庫にストックされていて、昔のジャズ盤紹介本を読み返すと「こんな盤、あったんや」とビックリすることもしばしば。ジャズ盤の評価については、評価者の「音に対する志向」が結構影響するので、1冊で済ますと危険だ。僕は最低3種類の異なった選定基準の紹介本を読み返すことにしている。
Milt Jackson『Ain't But a Few of Us Left』(写真)。1981年11月30日の録音。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), Oscar Peterson (p), Ray Brown (b), Grady Tate (ds)。プロデューサーは、Norman Granz。パブロ・レーベルからのリリースになる。僕はこの盤を最近まで全く知らなかった。どのジャズ盤紹介本にも無い。大した盤や無いのかな、と期待せずに聴いてみた。
これが、である。なかなかの「好内容」なのだ。まあ、パーソネルを見れば、これはこれは、実に渋い、玄人好みのメンバーが集結している。逆に先進的なジャズが好きな方々から見ると、なんだまた「懐古趣味のハードバップでしょ」ということになるのだが、かなりハイ・レベルの、かなり硬派なハードバップが展開されているのだから無視出来ない。
恐らく、メンバー全員が精神面、体調面ともども好調だったのだろう。この録音面子だとお互いが良く知った仲なので「手慣れた」お決まりのハードバップをササッとやって終わり、って感じになりがちなんだが、この盤ではそうはなっていない。それぞれのメンバーが当時の年齢でのベストに近いプレイを披露している。6曲中5曲がスタンダード曲なんだが、全く「手慣れた」感が無い。
それどころか、適度な緊張感が漲っていて、緩んだところが全く無い。他のセッションでは前面に出て目立つ傾向の強い、ピアノのピーターソンも、ベースのブラウンも趣味良く、リラックスした演奏を聴かせていて、決して変に目立ったりはしない。テイトのドラムの妙技にも耳を奪われる。良い意味で「仲の良い、手慣れた演奏」の数々。この盤は、まだ聴いたことのない「隠れ好盤」。いやはや、今回の「発掘」には大満足です。
《バーチャル音楽喫茶『松和』別館》
【更新しました】2020.03.29
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