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2020年4月 2日 (木曜日)

ショウのトランペットの再評価

ウッディ・ショウをしっかりと聴き直したくなった。ウッディ・ショウは、1970年代に、メインストリーム・ジャズのトランペッターとして頭角を現し、1980年代の純ジャズ復古の先鞭を付け、その純ジャズ復古の流行に乗って人気ジャズマンになろうとしたところ、1989年2月、ブルックリンで地下鉄のホームから転落し左腕を切断。その後の快方に向かうこと無く、同年5月に逝去している。

彼は、1970年代、ジャズ・ロックやフュージョン・ジャズなど、ポップなジャズに走ること無く、メインストリーム・ジャズを貫き、伝統的なモーダルなハードバップ基調のリーダー作を数多く残した。しかし、1970年代はフュージョン・ジャズ全盛の時代、やや難解で硬派なショウのトランペットはマイナーな存在に甘んじている。加えて、我が国では全く人気が無く、フレディ・ハバードのコピーなどと揶揄された。

Woody Shaw『Little Red's Fantasy』(写真)。1976年6月29日の録音。ちなみにパーソネルは、Woody Shaw (tp), Frank Strozier (as), Ronnie Mathews (p), Stafford James (b), Eddie Moore (ds)。ショウのトランペット、ストロージャーのアルト・サックスのフロント2管のクインテット構成。ジャズ・メッセンジャーズにも参加していた、純ジャズ系ピアニスト、ロニー・マシューズのトリオがリズム・セクションを司っている。
 

Little-reds-fantasy
 
 
自己のオリジナル曲で固めた当アルバムは、のびのびの気合いの入ったショウのトランペットが心ゆくまで堪能出来る。ハイトーンもバッチリ、高テクニックに裏打ちされた、変幻自在、緩急自在なプレイは聴き応え十分。「フレディ・ハバード」のコピーなんて揶揄されたがとんでもない。ハバードの様に目立とう精神は無く、バンド演奏の中で、バランスをしっかりと意識した、速いフレーズの中でもしっかりと感じることの出来る「余裕ある、節度ある」吹き回しが個性的。

モーダルなアドリブ・フレーズもイマージネーション豊かで破綻が無い。機械的では無く、人間的温もりが感じられるテクニカルなフレーズ。このショウが、当時、評価されなかったのが全く意外である。フロントの相棒、ストロージャーのアルト・サックスも好調、このストロージャーとの相性も良く、相当にレベルの高い、適度なテンションが心地良い、当時、最先端のモード・ジャズが展開されている。

テクニックはもちろん、そのブラスの響き、トラペットの音色も良く、何よりハードボイルドな吹き回し。アドリブ・フレーズのイマージネーションとバリエーションが豊かなので、決してマンネリに陥ることは無い。今回、ショウのリーダー作を聴き直して、改めて、ショウのトランペットの凄さを再認識した。ウッディ・ショウのトランペットは再評価に値する。
 
 
 

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Never_giveup_4
 

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コメント

ウッディショウ、ここ10数年愛聴し続けています。フレディはフレディで立派ですが、ショウが彼と似ているなんて論外。どこに耳が付いているのかと怒りを禁じ得ません。最近ライブアルバムが続々と出ていますが、中でもルイスヘイズとのアルバムは、陳腐な表現ながらトランペットのコルトレーンですね。また、彼のソロから聴き取れるピュアな感じ、愛すべき愛すべきトランペッターです。

数年前北海道にツーリングに行った際、根室駅前のジャズ喫茶に寄りました。流れていたのが、発売されて間もない「ザ・ツアーVOL.1」でした。それ以来、 ウッディショウを聞き続けています。最近は、未発表ライブ盤が立て続けに発表され、うれしい限りです。
ただ、ウッディショウが好きになるほど、デクスターゴードンが嫌いになる自分がいます。

このサイトは、大変勉強になります。ありがとうございました。
※恐怖の頭脳改革、LP持ってます。

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