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2020年4月11日 (土曜日)

大ベテランと若手の好コラボ盤

ジャズ・ミュージシャンの演奏者としての「寿命」は意外と長い。若き日、一流ジャズ・ミュージシャンの仲間入りをしてから、80歳を過ぎても、レベルの高い演奏をし続けているジャズ・ミュージシャンは結構沢山いる。ジャズの演奏楽器はアコースティックな楽器ばかりなので、どの楽器を演奏するにも体力が必要になる。老いてなお、体力の衰えをテクニックでカバーして、なにくわぬ顔をして、レベルの高い演奏をし続ける。

Kenny Barron & Dave Holland Trio『Without Deception (feat. Johnathan Blake)』(写真左)。2019年8月17–18日の録音。ちなみにパーソネルは、Kenny Barron (p), Dave Holland (b), Jonathan Blake (ds)。ピアノとベースはレジェンド級の大ベテラン、ドラムは他の2人からは30歳以上の年下。大ベテランと中堅が組んだ、意外と珍しい組合せ。

リーダーでピアニストのケニー・バロン(写真右の左)は1943年生まれなので、録音当時は76歳。同じく双頭リーダーの片割れでベーシストのディヴ・ホランド(写真右の右)は1946年生まれなので、録音当時は73歳。ドラムを担当するジョナサン・ブレイクは1976年生まれなので、録音当時は43歳。年齢70歳以上のレジェンド級ジャズマンが双頭リーダーを張る、そして、二回り以上のリーダーからすると「息子」レベルの中堅ドラマーを採用したピアノ・トリオ盤。
 
 
Without-deception  
 
 
ドラムはピアノ・トリオ演奏においては、リズム&ビートをしっかりとキープし、ピアノとベースのインプロビゼーションをがっちり支える役割と、ピアノとベースがアドリブ・ソロを取る際に、その演奏の雰囲気に合わせて「鼓舞」したり「チェンジ・オブ・ペース」を促したりする。つまり、レジェンド級の大ベテランを向こうに回して、その役割を果たすには、若手にはちょっと荷が重い。が、ジョナサン・ブレイクは臆すること無く、しっかりとその役割を果たしている。これが、今回のこのピアノ・トリオの成功の要因の1つだと睨んでいる。

もちろん、他のレジェンド級の大ベテランのパフォーマンスは申し分無い。総合力勝負のピアニストの代表格、ケニー・バロンについては、相変わらず「堅実かつ明快」なタッチで、適度なスイング感とドライブ感を維持しつつ、流麗なアドリブ・フレーズを展開する。さすが76歳で、バリバリに弾き回すことは無いが、悠然と余裕を持った弾き回しが「粋」である。ホランドのベースも相変わらずで、重低音ベースを心地良く聴かせてくれる。トリオ演奏のビートの底をしっかり押さえて、鋼を弾くが如く「唄うような」流麗なベース・ソロは見事。

1985年、ケニー・バロンのリーダー作『Scratch』で共演、2012年にはデュオ盤『The Art of Coversation』をリリースした、ケニー・バロンとディヴ・ホランド。今回のこの『Without Deception』の共演も内容は良く、お互いの相性の良さが窺い知れる。そして、親子ほど年齢の離れた、中堅ドラマーのジョナサン・ブレイクの健闘が光る。純ジャズのピアノ・トリオ盤として、しっかりとツボを押さえた好盤です。
 
 
 

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