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2020年3月 3日 (火曜日)

ボブ・ジェームスらしさ満載

フュージョン・ジャズ全盛期をリアルタイムで体験しているので、21世紀の今になっても、フュージョン・ジャズがお気に入りである。ジャズを聴き始めた時も、純ジャズの歴史的名盤を聴き漁るかたわら、フュージョン・ジャズのアルバムをちょくちょく買っては聴いていた。今でも、フュージョン・ジャズの盤については、毎月チェックする。今はネットがあり、サブスクの音楽サイトがある。チェックをするにも良い時代になったものだ。

フュージョン・ジャズの最初のお気に入りミュージシャンが「ボブ・ジェームス(Bob James)」。本格的にジャズを聴き始める前、高校時代にFMのエアチェックで、ボブ・ジェームスの「はげ山の一夜」や「カノン」を聴いていたのが切っ掛けだと思う(他には、デオダートやリー・リトナーをエアチェックして聴いていた)。ジャズのアルバムを初めて購入した時、ボブ・ジェームスの『ヘッズ』が入っていたのだから、よっぽど、お気に入りだったのだろう。

Bob James『Playin' Hooky』(写真左)。1997年の作品。ちなみにパーソネルは、Bob James (key), Steve Gadd (ds), James Genus (b), Fareed Haque (g), Dave Samuels (vib), Cyro Baptista (perc), Emedin Rivera (perc), Lenny Castro (per), Boney James (ts), Chris Walker (b), Chuck Loab (g), Nathan East (b), Nick Moroch (g), Billy Kilson (ds), Hilary James (vo), Rick Braun (tp, flh), etc.。ボブ・ジェームスお得意の曲によって、ミュージシャンの編成を変えて録音する「プロデューサー・スタイル」。
 
 
Playin-hooky-1  
  
 
実は不覚にも、僕はこのアルバムを聴き逃していた。1997年なので、まだネットの情報が不足していた時期。CDショップからのニュー・リリースの情報もチープで、ジャズ系の雑誌が「スイング・ジャーナル」だけ。昔あったフュージョン・ジャズ系の雑誌「アドリブ」は編集方針が良く判らず、フュージョン〜スムース・ジャズの情報には偏りがあった。つまりは情報不足でリリースを見逃した訳で、不徳の致すところである。今では、まず、こういうことは無い。ネットがあるし、サブスクの音楽サイトもある。

この盤、昔のボブ・ジェームスに戻った感のある雰囲気が実に好ましい。打ち込み系のスムース・ジャズもあるが、アルバム全体の雰囲気はフュージョン・ジャズ。特に、ボブ・ジェームスが、CTIやCBS時代を彷彿とさせる、フェンダー・ローズを結構、弾きまくっているのだ。う〜ん、ボブ・ジェームスにはローズが良く似合う。で、アレンジの腕も大いに振るっていて、冒頭の「Playing With Fire」なぞ、ショパンのエチュードのフレーズを拝借して、バラエティー溢れる展開。

随所にボブ・ジェームスの手癖、アレンジ癖が散りばめられていて、往年のボブ・ジェームス者にとっては堪らない内容。リズム&ビートについては打ち込みが結構あるが、この盤では、ボブ・ジェームスのキーボードが前面に押し出されている分、気にはならない。この盤での唯一の課題はこの「打ち込み」の存在。非常に良くプログラミングされているが、やはり、人のパフォーマンスには及ばない。でも、この『Playin' Hooky』、ボブ・ジェームスらしさがよく出ていて好印象です。
 
 
 

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