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2020年3月31日 (火曜日)

マルチ楽器奏者の第一人者

ジャズの中で、サックスは花形楽器。当然、サックス奏者の数も多い。サックスも種類が豊富で、ソプラノ、テナー、アルト、バリトンとおおよそ4種類ある。そして、面白いのは、サックス奏者はフルートも得意だということ。運指が同じ感じで、吹き方も同じマナーで吹ける。僕もアルト・サックスが少し吹けるが、実はフルートも吹ける。確かに、吹く「フィーリング」が同じなのだ。

Yusef Lateef(ユセフ・ラティーフ)というマルチ楽器奏者がいる。1920年、米国テネシー州生まれ、惜しくも2013年に93歳で亡くなっている。この人は典型的なマルチ楽器奏者で、メインはテナー・サックスだが、ソプラノ・サックス、バリトン・サックス、フルート、オーボエも吹く。このオーボエにしろ、フルートにしろ、オーケストラのマエストロの門を叩いて、アカデミックな教育環境の中で演奏技術を習得した本格的なもの。軽く見てはいけない。

Yusef Lateef『The Centaur and The Phoenix』(写真左)。1960年10月と1961年6月の2回に分けての録音。ちなみにパーソネルは、Yusef Lateef (ts, fl, arghul, oboe), Richard Williams (tp), Clark Terry (flh, tp), Curtis Fuller (tb), Josea Taylor (bassoon), Tate Houston (bs), Joe Zawinul (p), Ben Tucker (b), Lex Humphries (ds)。幾つか珍しい楽器を含めたノネット(9人)編成。
 
 
The-centaur-and-the-phoenix  
 
 
ラティーフ自身、オーボエとフルート、そして、アルグールという古代リード楽器を吹いている。バリトン・サックスとフリューゲルホーンとバズーンが入っている。このオーボエとアルグール、そして、バリサクとバズーンがユニークな音を出していて、ラティーフの真骨頂である「異国性溢れる」不思議でオリエンタルな響きを生成している。

この盤でのラティーフのテナー・サックスもなかなかで、コルトレーンとは全く違い、少しポップでシンプルで判り易いテナー・サックスを吹いている。この盤では、ラティーフは意外と正統なメインストリーム・ジャズをやっていて、捻れたエキゾチック・ジャズは時々、節度良く顔を出す程度。だが、この捻れたエキゾチック・ジャズの部分に、当時のジャズとしての革新性を聴くことが出来る。

メインストリーム・ジャズ部と捻れたエキゾチック・ジャズ部とのバランスがとても良く、ラティーフもマルチ楽器奏者として大活躍している。タイトルは「ケンタウロスとフェニックス」と、ジャズ盤らしからぬタイトルが付いているが、この盤は、ラティーフのマルチ楽器奏者としての特徴が良く理解出来、彼のメイン楽器であるテナー・サックスの個性がバッチリ確認できる好盤である。
 
 
 

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