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2020年2月12日 (水曜日)

追悼「ライル・メイズ」です。

パット・メセニー・グループ(PMG)の重鎮キーボード奏者、ライル・メイズ(Lyle Mays)が再発性疾患との長い戦いの末に亡くなった。昨晩、Twitterからの情報から、パット・メセニーのオフィシャル・サイトでその詳細を知った。ライル・メイズは米国ウィスコンシン州出身。1953年11月生まれなので、享年66歳。早過ぎる逝去である。

僕がライル・メイズの名前を知ったのは、Pat Methenyの『Watercolors』というアルバムだった。まだ、パット・メセニー・グループ(PMG)が存在しない時代、パット・メセニーのソロ盤で、耽美的で透明感抜群なピアノと印象的なエコーと伸びのシンセの音に耳が釘付けになった。そのピアノとシンセが「ライル・メイズ」であった。そう、あれは1978年の秋だったと記憶している。以来40年以上、PMG共々、ライル・メイズのキーボードを聴き続けてきた。

Lyle Mays『Fictionary』(写真左)。1992年4月23日ニューヨーク、パワーステーションでの録音。ちなみにパーソネルは、Lyle Mays (p), Marc Johnson (b), Jack DeJohnette (ds) のトリオ編成。このパーソネルを見ただけで、このトリオ演奏はその内容が保証されたようなもの。耽美的で透明感抜群、クリアで硬質なタッチでモーダルに弾きまくるメイズにとっては、最高のリズム隊である。
 
 
Fictionary-1  
 
 
このトリオ盤、ライル・メイズのピアノ&キーボードの個性を知るには格好の盤である。冒頭の「Bill Evans」を聴くと、メイズのアコースティック・ピアノの個性が手に取るように判る。耽美的ではあるが、そのタッチは硬質でクリア。ファンクネスは皆無。透明感が強く流麗なフレーズ。耽美的なジャズ・ピアノ、いわゆる「エヴァンス派」にいそうでいない、唯一無二の耽美的ピアノの個性である。

そして、2曲目の「Fictionary」から3曲目の「Sienna」を聴くと、PMGのキーボード・ワーク、キーボード・フレーズの音作りは、ライル・メイズ主導であることが良く判る。このトリオ演奏に、パットのギター・シンセが絡んだら「PMG」そのものである。適度なエコーがかかった、透明度が強く流麗なフレーズが乱舞する。ライル・メイズのピアノとは「これ」である。

ライル・メイズは生涯で、数枚のソロ・アルバムしかリリースしなかった。メイズの活動の大凡は「PMG」。しかし、今回のソロ・セカンド盤『Fictionary』とソロのファースト盤『Lyle Mays』(2010年6月27日のブログ参照)は、メイズを知る上で必聴のソロ・アルバムである。このソロ・アルバム2枚でライズ単体の音の個性を掴みつつ、PMGの一連の好盤を聴く。これが「ライル・メイズ」の楽しみ方である。ご冥福をお祈りしたい。
 
 
 
東日本大震災から8年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 


 

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