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2020年2月22日 (土曜日)

ながら聴きのジャズも良い・38

ジャズは「お洒落な音楽」とされることがある。私の経験では、今までジャズを聴くのが好きだ、とすると「ジャズは難しい音楽」と言われることがあっても、「お洒落な音楽」と言われると、なんだか違和感がある。お洒落なカフェやレストラン、雑貨店などは積極的にジャズを流しているんで、そういう点から、「お洒落な音楽」とされるのだろう。
 
では、何故「お洒落なカフェやレストラン、雑貨店では積極的にジャズを流す」のか。私もこのブログで「ながら聴きのジャズも良い」というカテゴリーを設定している位なので、ジャズの演奏の中に「ながら聴きするに心地良い」ものがある。どんなジャズでも「お洒落に聴き流せる」かといえばそうでは無い。ジャズには「主張する」ものと「主張しすぎない」ものとがある。
 
「主張する」ジャズは、演奏するジャズマンのテクニックや演奏方法、演奏スタイルに重きを置いて、それをメインに聴いて貰おうとするもので、「主張しすぎない」ジャズは、アレンジや演奏コンセプトに重きを置いて、演奏する音楽そのものを聴かせる、聴いて貰おうとするもので、双方、演奏する狙いが異なる。「ながら聴きするに心地良い」ジャズは、この「主張しすぎない」ジャズなのだろう。
 
ヴィーナス・レコードというジャズ・レーベルがある。1992年、ジャズ混迷期に立ち上げられたレーベルなのだが、このレーベルのコンセプトが実にはっきりしている。「聴き心地」に重きを置いて、音の艶や甘さを強調し、耳に心地良いビート音を推しだし、独特のエコーをかける。
 
 
Love-is-a-manysplendored-thing-1
 
 
いわゆる「聴く為のジャズ」を徹底的に追求したレーベルだと感じている。ジャケットは、美しい女性をジャケットに配する点で統一されているが、一方で「ジャケットがエロすぎる」というマイナス評価もある(笑)。
 
Roma Trio『Love Is A Many-Splendored Thing』(写真左)。邦題『慕情』。ちなみにパーソネルは、Luca Mannutza (p), Gianluca Renzi (b), Nicola Angelucci (ds)。2006年7月2 & 3日、イタリアでの録音。とても心地良いピアノ・トリオの演奏で、その録音はいかにも「ヴィーナス・レコード」の音である。演奏内容自体も立派なもので、現代の新しいピアノ・トリオの音がする。
 
メロディックに展開するアドリブが魅力。クラシカルな技法もさりげなく取り込んで、耳に付くことも無く、逆に「アレンジの妙」として良い効果を上げている。もちろん、ジャズとして、その基本であるグルーブ感やジャジーな雰囲気はしっかり維持されている。いわゆる「主張しすぎない」ジャズであり、「演奏する音楽そのものを聴かせる、聴いて貰おうとする」ジャズである。
 
「ジャケットがエロすぎる」ヴィーナス・レコードであるが、私は、純ジャズとして聴き応えがあればあるほど、ジャケットの「エロ度」は下がる、と睨んでいる。このRoma Trio盤のジャケットもちょっとお洒落が過ぎる感があるが「エロ度」は低い。純ジャズとしての「聴き応え」度は高い。
 
 
 
東日本大震災から8年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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コメント

音楽で客を選別しているんです。
演歌やエグザイルやAKBがお似合いの人には来て欲しくないということですね。
昔、暴走族のたまり場になった喫茶店がジャズで選択的に追い出したという故事があります(笑)

ジャケがエロなのは、レーベルがヴィーナスなんですから、いいんじゃないでしょうか(笑)

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