« 音楽喫茶『松和』の昼下がり・74 | トップページ | 基本に始まり、基本に終わる »

2020年2月27日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・161

我が国では、米国西海岸ジャズの情報がまだまだ不足している。基本的に我が国のジャズは米国東海岸ジャズ偏重だったから、もともと米国西海岸ジャズの情報は不足しているのは当たり前なんだけど、資料レベルの情報がどうにもこうにも不足している。マイナーなジャズマンについては、生年月日や経歴について調べるのは大変で、まず日本語のものは無い。英語の資料が殆どで、時々、ドイツ語が混じったりする。

The Pete Jolly Trio『Yeah!』(写真左)。1995年10月10, 11日、ハリウッドのSage & Sound Studio での録音。ちなみにパーソネルは、Pete Jolly (p), Chuck Berghofer (b), Nick Martinis (ds)。Pete Jolly(ピート・ジョリー)って、1950年代以降、米国西海岸ジャズにおける代表的ピアニストの一人。1970年代より一旦、録音は途絶えたが、1993年に復活。この盤は復活後第3弾である。

ジョリーは2004年11月、72歳で逝去しているので、この盤はジョリーの晩年の好盤と言える。1993年復活以降もこの盤を含めて、4枚ほどしかリーダー作を出していないので、貴重なリーダー作でもある。バックのリズム隊の二人、ベースのチャック・バーグホファーは録音当時58歳、ドラムのニック・マルティニスは録音当時64歳、リーダーのジョリーは1932年の生まれだから、録音当時63歳。平均年齢61.6歳の高齢ピアノ・トリオである。
 
 
Yeah-pete-jolly  
 
  
高齢のピアノ・トリオ演奏なんで、聴く前の印象は「渋くて粋な、燻し銀のような」落ち着いた演奏なんだろう、と思うのだが、聴いてみてビックリ。バリバリ溌剌とした、硬派でダイナミックなインタープレイではないか。まるで若者の様な演奏。パーソネルとかジャケットとかを見ずに聴いたら、きっと今時の若手ジャズメンのネオ・ハードバップなトリオ演奏と思うだろう。

まず、リーダーのジョリーの溌剌としたピアノが素晴らしい。1950年代には、クールで小粋で明快なタッチだったが、この63歳のジョリーはそれにダイナミズムが加わっているのだ。米国西海岸ジャズらしくファンクネスは控えめ、大仰なテクニックのひけらかしは全く無いが、逆に、よくアレンジされた小粋な展開、素敵な響きのアンサンブルが個性。この盤でのジョリーのピアノは聴きものだ。

バックのリズム隊、バーグホファーのアコベは締まった低音でトリオ演奏のリズムを活性化し、マルティニスのドラムは堅実なドラミングでバンドに躍動的なビートを絶え間なく供給する。いやはや、素晴らしいピアノ・トリオである。これが平均61.6歳の高齢ピアノ・トリオの演奏だから恐れ入る。ジョリーは寡作のピアニストだったが、リリースしたリーダー作は一様に充実した内容ばかり。この『Yeah!』も、そんなジョリー盤の一枚である。
 
 
 
東日本大震災から8年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
  


« 音楽喫茶『松和』の昼下がり・74 | トップページ | 基本に始まり、基本に終わる »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 音楽喫茶『松和』の昼下がり・74 | トップページ | 基本に始まり、基本に終わる »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カテゴリー