ジャズ喫茶で流したい・157
1970年代の米国ジャズは、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズの時代。ポップス&ロックが商業路線に乗って台頭〜人気を博し、ジャズがマイナーな存在に追いやられていった時代。さぞかし、純ジャズは「絶滅危惧種」だったんやろな、と思いきや、意外とコンスタントに新盤がリリースされていた。いわゆる「どっこい純ジャズは生きていた」である。
米国の音楽界の中ではマイナーな存在になっていったんだろうが、一定数のニーズはキープしていたと思われる。1970年代は、我が国ではクロスオーバー〜フュージョン・ジャズがもてはやされ、純ジャズは「過去のジャズ」として扱われていた。過去の人気ジャズメンのリーダー作以外、ジャズ雑誌などで紹介されることは少なかった、と記憶している。
Hugh Lawson Trio『Prime Time』(写真)。1977年10月20日の録音。ちなみにパーソネルは、Hugh Lawson (p), Bob Cranshaw (b), Ben Riley (ds)。当時、なかなかの強者ベーシスト&ドラマーを擁して、ヒュー・ローソンがピアノを弾きまくっている。ローソンの初リーダー作である。気合い十分である。
僕は1988年録音のジョージ・アダムスの『Nightingale』という盤でローソンの名を知った。が、ローソンのリーダー作には出会うことは無かった。僕がこのローソンの初リーダー作を聴いたのはつい最近のことである。力感溢れる正統な純ジャズ・ピアノトリオ盤。ピアノのヒュー・ローソンは「隠れた名手」。スカッとする弾き回しが実に良い。
ヒュー・ローソンは「隠れた名手」と評価されている。確かに「名手」、胸の空くようなテクニックである。爽快感抜群の弾き回しがとても良い。バックのリズム隊もそんなローソンをガッチリとサポートしている。過去のハードバップ時代に無い、新しい響きと弾き回しの「1970年代のピアノ・トリオ」といった雰囲気がとても魅力的。
ローソンのリーダー盤は、1977年に録音されたこの『Prime Time』。1983年に『Colour』、1989年に『Casablanca』の3枚のみ。寡作であるが故、我が国では紹介されることは、まず無かった。つまりは「隠れた名手」。がしかし、最近、ジャズ盤のダウンロード・サイトでこのローソンのリーダー番を聴くことが出来る様になった。良い時代になったものである。
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