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2020年1月19日 (日曜日)

新しいリズム&ビートへの取組み

「The bad Plus(バッド・プラス)」。米国ミネソタ州ミネアポリスの出身のピアノ・トリオ。アコースティック・ジャズでありながら、それまでの亜アコースティック・ジャズの音の概念を覆す「轟音サウンド」で、ジャンルを超えた幅広い人気を獲得した。音楽性については、グランジ・ロック、テクノ、フリー・ジャズ等の要素を取り入れた豪快なプレイが身上。

しかしながら、このピアノ・トリオについては、この「轟音サウンド」、硬派なジャズ者の方々からのウケが悪く、「品がない」「これはもはやロックだ」「ジャズを冒涜している」と揶揄され、我が国ではなかなか真っ当に評価されなかった記憶がある。それってライヴのことでしょ、と思うのだが、CDで聴いてみると、従来のピアノ・トリオの音と比べて、強烈にメリハリが付いている。でも、良い再生装置で聴くと耳触りではない。CDで聴く分には、とても真っ当なピアノ・トリオである。

The Bad Plus『Give』。2003年、イングランドでの録音。ちなみにパーソネルは、Ethan Iverson (p), Reid Anderson (b), David King (ds)。メンバー3人ともに米国出身。ロックやポップスの要素を上手く取り込みつつ、伝統的なピアノ・トリオに、バッド・プラス独特のアレンジを施した演奏は今までに無い音世界。「轟音サウンド」と言われるが、CD再生ではそれは感じ無い。とりわけドラムの音がデカい。手数が多くて小技もイケる。
 
 
Give-the-bad-plus
 
 
演奏内容については、決して奇をてらったピアノ・トリオでは無い。現代の純ジャズ・ピアノトリオの音。演奏そのものは圧巻、聴けば聴くほどその良さが感じられる。ピアノ・トリオのど真ん中をいく好盤。大胆なアレンジが小気味良い。選曲もユニークで、オーネット・コールマンの「ストリート・ウーマン」、ザ・ピクシーズの「ヴェロリア」、ブラック・サバスの「アイアンマン」などの、個性的な楽曲のカバーが含まれているところが面白い。

「轟音サウンド」という揶揄は忘れて良い。但し、リズム&ビートには過剰なほどにメリハリがある。ドラムの音がデカい。しかし、ドラムの音は良い音している、かつテクニックが優秀なので耳に付かない。このドラムの音がこのバンドの個性を形成している。このドラムに合わせて、ピアノをガンガンに弾き回し、ベースをブンブン響かせる。音の大きなピアノ・トリオと言われるが、五月蠅くは無い。メリハリが効いている分、個性的で癖のある旋律を持つ楽曲のカヴァーが実に映える。

このメリハリの強烈なリズム&ビートをどう聴くかで評価は分かれるだろう。ロックを楽しく聴いた経験のある耳には、決して五月蠅くない。プログレッシヴ・ロックのようなチェンジ・オフ・ペースがスリリングな部分もあり、従来のジャズとは全く異なる、リズム&ビートへのアプローチがこのピアノ・トリオの「肝」なのだろう。フリー・ジャズやモード・ジャズとは異なる、自由度の高いリズム&ビートへの取組みが「耳に新しい」。僕はこのピアノ・トリオ、お気に入りです。
 
 
 
東日本大震災から8年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
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