西海岸独特のピアノ・トリオ盤
Mode Labelの「西海岸の肖像画ジャケット」のシリーズ、ちょっと古風な肖像画の様な、やけにリアルな顔がアップのジャケットのシリーズの3作目になる。この人の名前は西海岸ジャズの名作『踊り子』『お風呂』の紙ジャケで、優秀なアレンジャーとして知った。米国西海岸ジャズにおけるアレンジャーの第一人者。そう「マーティ・ペイチ」。
マーティ・ペイチは、1925年1月23日米国オークランド生まれ。最初はジャズ・ピアニスト。M.C.テデスコに楽理を学び、アレンジャーとしても注目を浴び、ピアニストよりも、アレンジャーとしての活動が中心となっていった、米国西海岸ジャズらしい、変わり種のジャズマンである。
『Marty Paich Trio』(写真左)。1957年6月の録音。ちなみにパーソネルは、Marty Paich (p), Red Mitchell (b), Mel Lewis (ds)。西海岸ジャズのファースト・コールなベーシスト、レッド・ミッチェルと、小粋かつ堅実なドラミングが身上のメル・ルイスを擁した堂々のピアノ・トリオ編成。
マーティ・ペイチの、アレンジャーでは無い、ピアニストの側面にスポットライトを当てた、ピアニスト=ペイチの素敵な「ピアノ・トリオ」盤である。冒頭の「I Hadn't Anyone 'Til You」の愛らしいイントロのピアノの響きを聴くだけで、ペイチの、その趣味の良く愛らしい小粋なピアノが良く判る。
米国西海岸ジャズらしく「聴かせる、聴いて貰う」ジャズ・ピアノである。聴き耳を立てたくなる、じっくり聴き味わいたくなる演奏である。決して叩かない、決して高速フレーズは弾かない。聴き易く聴き応えのある「ミッド・テンポ」な演奏が心地良い。淡々とシンプルに流麗に弾き進めているが、以外と複雑なフレーズを織り込んでいる。テクニック度は高い。
収録されたどの曲もアレンジ良好。さすがアレンジの才人。とても趣味の良いピアノ・トリオ盤で、こんなピアノ・トリオ盤は東海岸ではちょっと見当たらない。西海岸ならではのピアノ・トリオ盤と言えるでしょう。ペイチのピアニストとしての力量を再認識出来る好盤です。ピアノ・トリオ者の方々に特にお勧め。
東日本大震災から8年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« ジャス喫茶で流したい・156 | トップページ | 大江千里『Hmmm』は愛らしい »
コメント