邦題『昼と夜のバド・シャンク』
さて、年の暮れである。今年もあと2日を残すのみ。当ブログ「ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログ」も今年の最後のアップになる。明日から1月2日まで、記事のアップはお休み。年末年始のご挨拶のみをアップする予定。今年も我がブログをご愛顧いただき、ありがとうございました。uu: も1,000を超える様になり、記事を書く励みになりました。ありがたいことです。
今年は米国西海岸ジャズのアルバムを結構、しっかり聴き込んで来たのではないか、と思っている。今年の「ジャズ鑑賞」の最大の成果は、この米国西海岸ジャズのアルバム・コレクションの見直しと聴き直しであろう。米国西海岸ジャズの主なアルバムを100枚程度、聴き込むことによって、米国西海岸ジャズの個性や特徴を再認識した。聴いた事の無いアルバムも多く発掘した。実りある一年であった。
さて、今日はこのアルバムである。『Bud Shank-Shorty Rogers-Bill Perkins』(写真)。邦題が『昼と夜のバド・シャンク』。1954〜55年の録音。LP時代、LPのA面が「デイ・サイド」、B面が「ナイト・サイド」。パーソネルについては、Bud Shank (as, fl, ts, bs)は「昼夜両方」に出演。デイ・サイドについては、Shorty Rogers (Flh), Jimmy Rowles (p), Harry Babasin (b), Roy Harte (ds)。ナイト・サイドについては、Bill Perkins (as, ts, fl), Hampton Hawes (p), Red Mitchell (b), Mel Lewis (ds)。
米国西海岸ジャズにおける人気アルト・サックス奏者、バド・シャンクの傑作である。昼は、フリューゲルホーンのショーティ・ロジャースとの双頭フロントにしたクインテット編成、夜は、シャンクと同じサックスを担当するビル・パーキンスを双頭フロントとしたクインテットによる編成。米国西海岸ジャズを代表するピアニスト二人がそれぞれ担当するリズム・セクションに鼓舞されて、シャンクが吹きまくる。
バド・シャンクはアルト・サックスがメインだが、テナーもバリトンも出来る。サックス奏者の「ポピュラーな余芸」とされるフルートも良い。この『昼と夜のバド・シャンク』では、シャンクの演奏する楽器の全てが網羅されている。そういう意味でも、この盤は、サックス奏者「バド・シャンク」を知る上で、最適のリーダー作だと言えるだろう。確かに、「デイ・サイド」部分でも「ナイト・サイド」部分でも、バド・シャンクは好調である。
バックの2種類のリズム・セクションも好調で甲乙付けがたい。ちなみにこの盤、LP時のジャケットが粋。表面が日中の景色で、6曲目までの演奏メンバーと曲が書かれており(写真左)、裏面は同じ景色の夜の風景で、7曲目からのメンバーと曲が書かれている(写真右)。ネットや雑誌の紹介記事にはジャケットの表面しか出てこないので、「あれ? ビル・パーキンスは何処いった」となるんだが、実は裏面にいるんですね。
東日本大震災から8年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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