アジマスは英国のジャズ・トリオ
久々にECMレコードの聴き直しシリーズ。やっと1977年辺りまで来ている。この頃が、ECMレコードの最初の「充実期」で、ニュー・ジャズをメインに、キラ星の如く、好盤、佳作が目白押し。ECMレコードの音が、欧州ジャズのイメージをバッチリと固めた頃である。でも、我が国ではECMレコードのアルバムは、有名盤以外は入手し難かったなあ。
『Azimuth』(写真左)。1977年3月の録音。ECM 1099番。ちなみにパーソネルは、John Taylor (p,syn), Norma Winstone (vo), Kenny Wheeler (tp, flh)。メンバー3人ともイングランドの出身。珍しい「純英国」なメンバー構成。収録された全ての曲は「John Taylor & Norma Winstone」による。
さて改めて、アジマス(Azimuth)は、英国のジャズ・トリオ。トランペット奏者のケニー・ホイーラー、ボーカリストのノーマ・ウィンストン、ウィンストンの夫でピアニストのジョン・テイラーというトリオ構成。僕はこの「アジマス」については、存在は知っていたが、なんだかパチモンみたいな響きのバンド名なので、どうにも手を出さずにいた。
しかし、アルバムと言うもの、まずは聴いてみるもので、このアジマスの奏でる音は、明らかにECMレコードがプッシュする「ニュー・ジャズ」である。クールなホイーラーのトランペットとテイラーのピアノ、そして、そこに流れるウィンストンの「女性スキャット」は、現代の「クールなスピリチュアル・ジャズ」に直結するもの。静的なエモーショナルは「ニュー・ジャズ」に相応しい。
そして、トランペットのケニー・ホイーラーが実に良い。クールでエモーショナルな、加えて耽美的で伸びの良いトランペットは実に聴き応えがある。このアジマスでのホイーラーのトランペットって、彼のベスト・プレイの1つに数えられても良い物だと思う。テクニックも確か、フレーズは流麗。明らかにこのトランペットは欧州ジャズのトランペットである。
実にECMレコードらしい「ニュー・ジャズ」なアルバムである。基本はモードだと思うんだが、飽きが来たり、ダレたところが無く、適度なテンションをずっと維持しつつ、音の広がりが芳しいニュー・ジャズな演奏に思わず聴き惚れる。こんなに優れたアルバムがなかなか、我が国では入手するのが難しかった。今の時代に感謝、である。
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