ロソリーノのトロンボーンが良い
Mode Labelの「西海岸の肖像画ジャケット」のシリーズ、ちょっと古風な肖像画の様な、やけにリアルな顔がアップのジャケットのシリーズの2作目になる。この人の名前はつい10年前くらいに、紙ジャケのシリーズで知った。米国西海岸ジャズにおけるトロンボーンの第一人者。そう「フランク・ロソリーノ」。
『Frank Rosolino Quintet』(写真左)。1957年6月、ハリウッドでの録音。ちなみにパーソネルは、Frank Rosolino (tb), Richie Kamuca (ts), Vince Guaraldi (p), Monty Budwig (b), Stan Levey (ds)。トロンボーンとテナーサックスの2管フロントのクインテット編成。ケントン楽団、ライトハウス・オールスターズなどで活躍した実力派トロンボーン奏者のリーダー作。
トロンボーンが入っていたら、その低音を活かすべく、もう一本、トランペットかアルト・サックスなどの管を入れて3管フロントにしそうものなのだが、ここでは、ロソリーノのトロンボーンを前面に押し出すべく、2管フロントにしたのだろう。確かに全編に渡って、ロソリーノのトロンボーンがしっかりと目立っている。
2管だと双方の相性が決めてになるが、この盤でのロソリーノのトロンボーンとリッチー・カムカのテナー・サックスとの相性は抜群。フレーズのテンポもしっかり同期が取れているし、音の質も良く似ている。これだけ相性が良いと、米国西海岸ジャズの十八番である「ユニゾン&ハーモニー」のアレンジがバッチリと活きてくる。
それが証拠に、この盤でのトロンボーンとテナーのユニゾン&ハーモニーが実に心地良い。流麗でありハモりが心地良い。この心地良いユニゾン&ハーモニーのテーマ部があるので、その後のアドリブ部でのそれぞれの楽器のソロが更に映えるのだ。ロソリーノのソロは結構、自由度が高い。凄まじいテクニックで自由度の高いアドリブを繰り広げる。そんなロソリーノのソロが映える。
加えて、演奏がとても端正で聴いていて気持ち良い。何とか努力して端正な演奏をしているのでは無く、自然と楽しみつつ端正な演奏をしている。この普通に自然に、端正な演奏を実現してしまうところが、なんとも西海岸ジャズらしい。この盤には米国西海岸ジャズの良いところがギッシリ詰まっている。ロソリーノのトロンボーンが良い音してる。聴いていてホノボノ心地良い。
東日本大震災から8年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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