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2019年12月12日 (木曜日)

静的でエモーショナルなロイド

21世紀に入って、チャールズ・ロイドを再発見した。が、リリースはECMレーベル。どうも、チャールズ・ロイドとECMレーベルとが結びつかなくて、ECMレーベルにロイドの名前を発見した時は、僕は同姓同名の別人かと思った。しかし、ファースト・ネームの「Charles」は同名はありそうだが、「Lloyd」はどう考えても同姓は無いよな〜、ということで、やはり、ロイドの再発見である。

そして、やっとつい最近、再発見後のロイドの聴き直しを始めた。どうにも印象が曖昧になって、ECMレーベルのロイドの音世界がイメージ出来なくなっていた。メジャー・デビュー当時、1960年代後半のロイドは「コルトレーンのええとこ取り」。そのイメージが強くて、ECMレーベルでの「耽美的で静的でスピリチュアルな」ブロウがどうにも据わりが悪い。

Charles Lloyd『Notes from Big Sur』(写真左)。1991年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Charles Lloyd (ts), Bobo Stenson (p), Anders Jormin (b), Ralph Peterson (ds)。ピアノのステンソンとベースのヨルミンはスウェーデン出身で、ドラムのピーターソンは米国出身。ロイドは米国出身なので、スウェーデンと米国の混成カルテットということになる。
 
 
Notes-from-big-sur-1
 
 
この盤に詰まっている音は「静的でエモーショナルな」音世界。全編、ロイドの淡々とクールで耽美的な、流麗でスピリチュアルなブロウが印象的。決して、ホットにエモーショナルになることは無い。当然、変にフリーに傾くことは無い。演奏のベースはモード。モード奏法の良さを最大限に活かして、悠然とした、耽美的で伸びの良いフレーズが心地良い。

バックのリズム・セクションも好調。ピアノのステンソンとベースのヨルミンがスウェーデン出身なので、出てくる音は明らかに北欧ジャズ。しかし、ドラムのピーターソンのドラムの音は米国東海岸ジャズ。当時の若きピーターソンのドラミングが北欧ジャズへの傾倒を緩和させていて、意外と国籍不明なリズム&ビートに落ち着いている。これがまた面白い。

水墨画の様なテナーの音が、時には幽玄に変化し、時には霧のように漂っていく。1960年代後半のロイドの「コルトレーンのええとこ取り」とは全く異なる、唯一無二なロイドの個性。これがロイドのテナーの本質なのか、と思わず感心する。こんなロイドの本質的な個性を引き出したECMレーベルは凄い。マンフレート・アイヒャー恐るべし、である。
 
 
 
東日本大震災から8年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
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