エディ・ハリスを侮るなかれ
実は僕は「Eddie Harris(エディ・ハリス)」のテナー・サックスが好きだ。レス・マッキャンと組んだ『Swiss Movement』を聴いて、このハリスのテナーを聴いて感心した。とにかくテナーが良く鳴っている。だけど、ずっと我が国での評価は芳しくない感じがずっと続いている。純ジャズはもちろんのこと、ファンクあり、ラップあり、冗談音楽のようなアプローチもやったりするから、ジャズをシビアに捉える我が国ではまず「ウケない」。
「際物」扱いされることもしばしばである。それでも、1990年後半からの紙ジャケ・ブームに乗って、先の『Swiss Movement』などがリイシューされて喜ばしい限り。但し、先にも述べたとおり、エディ・ハリスは、器用貧乏というか、プレイヤーとしての焦点が定めにくい。よって、代表作を絞りにくい。ハリスの様々な「芸風」毎に、ハリスらしい好盤を選んだ方が良いみたいだ。
『The Electrifying Eddie Harris』(写真左)。1967年3月20日でのニューヨーク録音。ちなみにパーソネルは、Eddie Harris (ts, varitone), Jodie Christian (p), Melvin Jackson (b), Richard Smith (ds) がメイン。Melvin Lastie, Joe Newman (tp), King Curtis (ts), David Newman (ts, bs),Haywood Henry (bs), Ray Barretto, Joe Wohletz (perc) が客演している。
いち早く電気サックスを取り入れたエディ・ハリスの好盤。パッキパキのファンクネス溢れるソウル・ジャズかしら、と思いきや、冒頭の「Theme in Search of a Movie」の様に映画音楽のような美しいバラードからノリのいいミディアム・テンポのナンバーまでバラエティ豊かな内容が魅力。後のフュージョン・ジャズを先取りした様な内容におもわず頬が緩む。
4曲目の「Sham Time」がこれまたエディ・ハリスらしい、ラテン調のソウル・ジャズ大会。とにかく楽しい音世界。ジャズって良いなあ、って思う。エディ・ハリスって、曲調毎にテナーの「芸風」を変えているのだ。素晴らしいテクニックである。しかも、テナー・サックスがとても良く鳴っている。どんな音のテナーも耳に馴染む。これって、良い楽器が良い楽器らしく「鳴らされている」からなんだよね。
エディ・ハリスについては、サブスク音楽サイトで、かなりの数のリーダー作がアップされている。良い時代になったもんだ。今回のエディ・ハリスとの再会を機会に、ハリスのリーダー作を一気聴きしようかと考えている。なんだかワクワクする。これだから「ジャズ盤鑑賞の旅」は止められない。暫くは「エディ・ハリスの森」を彷徨うことになりそうだ。
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