Jing Chiというフュージョン楽団
1970年代後半から1980年代前半にかけて、猛威を振るったフュージョン・ジャズのブーム。それでも、1980年代半ばの「純ジャズ復古」に併せて、フュージョン・ブームは沈静化に向かい、口の悪いジャズ者の方々からは「フュージョン・ブームは終わった」「フュージョン・ジャズは間違いだった、一時の気の迷いだった」などと揶揄され、ジャズ雑誌などからは見向きされなくなった。
しかし、21世紀に入っても、フュージョン・ジャズは生きている。今の耳で聴く、1970年代後半のフュージョン・ジャズも、今のフュージョン・ジャズも内容的にはなかなかのもの。フュージョン・ジャズにはフュージョン・ジャズのトレンドと展開というものがあって、やはり、一世を風靡しただけある、ジャズのひとつのスタイルになった、と言って良いだろう。
Vinnie Colaiuta, Robben Ford, Jimmy Haslip『Jing Chi』(写真左)。2002年のリリース。「Jing Chi」はバンド名でもある。「Vital Energy」の中国語読みだそうだ。元Yellowjacketsのジミー・ハスリップが提唱し、ギターのロベン・フォード、ドラムのヴィニー・カリウタが加わり結成したトリオ編成のフュージョン・バンドである。
このバンドの音は「フュージョン」。「クロスオーバー」では無い。基本はジャズとロックの融合なんだが、「クロスオーバー」は、ジャズ:ロックの割合が「7:3」か「6:4」でジャズの割合が高い。「フュージョン」は「5:5」か「4;6」でロックの割合が少し高くなる。言い換えると「クロスオーバー」の方がやや難解、「フュージョン」の方がポップで判り易い、と僕は解釈している。
この「Jing Chi」というバンドは、もともと、ギターのロベン・フォードがハード・ロック寄りのギンギンのエレギを弾きまくるので、このエレギの音に引き摺られて、ハスリップのエレベは重低音なウォーキング・ベースを轟かせ、カリウタのドラムはロック調のポリリズムで叩きまくる。エレギはハード・ロック基調なんだが、ベースとドラムはフュージョン・ジャズ時代のアプローチを基調としている。
そして、フュージョン・ジャズの「高テクニック」という面は、この「Jing Chi」というバンドについては申し分無い。3者の個性とテクニックがぶつかり合って、しっかりと「化学反応」を起こしている。ロック基調のフュージョン・ジャズとして、心ゆくまで楽しめる。実は僕がこの「Jing Chi」を知ったのは、つい数年前。しかし、それ以来、僕のお気に入りのフュージョン・バンドのひとつとして愛聴している。
東日本大震災から8年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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こんにちは、Jing ChiでHITしましたので寄らせていただきました。私、このBANDの印象としてはブルース・ロックとJAZZ・ROCKの合体と感じております。
熱い演奏が聴ける”Jing Chi Live!”がお気に入りです。
投稿: tasan | 2019年12月21日 (土曜日) 18時22分