ブラジル音楽と米国西海岸ジャズ
米国西海岸ジャズの好盤を漁っている。米国西海岸ジャズのアルバムは、まだまだ聴いたことの無いアルバムがゴロゴロしている。1980年代の終わりまで、我が国では米国西海岸ジャズはマイナーな存在だったことが大きな要因。そもそも我が国で米国西海岸ジャズのアルバムが流通する様になったのは、1990年代の後半辺りからか、と記憶している。
Laurindo Almeida & Bud Shank『Brazilliance Vol.1』(写真)。ブラジルの名ギタリスト、ローリンド・アルメイダが、米国西海岸ジャズのアルト奏者バド・シャンクを迎えたカルテット編成。1953年9月、1954年4月22日、ロサンゼルス にての録音。ちなみにパーソネルは、Bud Shank (as), Harry Babasin (b), Roy Harte (ds), Laurindo Almeida (g)。
ブラジル音楽の伝道師ギタリスト、ローリンド・アルメイダ。アルメイダ。米国西海岸ジャズ屈指のアルトサックス奏者バド・シャンクと組んだ好盤。バド・シャンクのアルトは、端正で切れ味の良い鮮烈さに溢れた音。アルメイダの洗練された柔らかなアコースティック・ギターと好対象。この対比が実に良い。
ブラジル音楽とジャズとの邂逅。米国西海岸ジャズのアレンジの優秀さと西海岸ジャズメンのテクニックの優秀さ。それらが『ゲッツ/ジルベルト』よりも10年も早くジャズとブラジルの融合を実現していた。ラテン音楽のどことなく俗っぽいところ(そこが良いのだが)を、西海岸ジャズのアレンジがソフィスティケートし、落ち着いた聴き応えのある上質のジャズに昇華させている。
ピアノレスという編成で、アルメイダのギターを抑制しなかったのが正解だろう。とにかくお洒落で粋。それでいて、しっかりとジャズしていて、ブラジル音楽している。これがこの盤の一番凄いところ。当時の米国西海岸ジャズの懐の深さが偲ばれる。加えて、この盤、いろいろなジャケットのバージョンがあるが、僕はこの鋭い目のブラジルの踊り子のイラストのジャケットが好きだ(写真左)。
ちなみに、この『Brazilliance』シリーズは、このVol.1から、1958年のVol.2、1963年のVol.3 まで3アルバムある。Vol.2以降は、ブラジル音楽とジャズの融合ってこんな感じだよね、という予定調和なところや慣れたところが見え隠れする。そういう観点では、Vol.1が初めてのラジル音楽とジャズの融合の記録ということでスリリングな部分や新鮮な部分が散りばめられていて、一番聴き応えがある。
東日本大震災から8年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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