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2019年11月 4日 (月曜日)

西海岸の女性ボーカルの好盤

今でもあまり知られていないが、米国西海岸ジャズのボーカルものはお洒落なものばかり。といって、我が国で有名なものは殆ど無い。ジャズ・ボーカルのレジェンド、エラとかサラとかカーメンとかとは全く異なる。ジャズ歴を十年ほど積み、更に十年ほど積み込んだ「ジャズ者」のみが理解できる、というかできそうな、お洒落でシンプルでポップな味わい。

Pinky Winters『Pinky』(写真左)。1954年の録音。彼女(ピンキー・ウィンターズ)のデビュー盤。ちなみにパーソネルは、Pinky Winters (vo), Bud Lavin (p), Jim Wolf (b), Stan Levey (ds)。シンプルに、ピアノ・トリオをバックにピンキーのボーカルのみ。ジャケットからして、あまりにシンプル過ぎて、このジャケットだけみたら、このボーカル盤は絶対に見過ごすだろう。

彼女は1931年、米国インディアナ州生まれ。ミシガンシティーでラジオやTVで活躍した後、1954年, ロスへ進出。すぐにVANTAGEレコードのボブ・アンドリュースに認められてズート・シムズと共にレコーディング。そして、このデビュー盤『Pinky』をVANTAGEレコードにて録音する。当時のリリースは10inchのLP。全8曲で24分程度の短さだが、内容が充実しているので余り気にならない。
 
 
Pinky-first  
 
 
淡い雰囲気のアンニュイな女性ヴォーカル。おさえた低い声でささやくように情緒をこめて歌う、いわゆるクルーナーである。渋く甘くちょっぴりキュートな表情が見え隠れするところがなんとも可愛い。ネットの解説を見ていると「ホワイト・サラ。サラ・ボーンのアクを抜いてサラリと軽くしたような感じ」とありますが、けだし名言。良く判ります。

とにかく素直でスマートな味わい。スウィンギーにスローに、若々しい柔らかな躍動感とベテランの如く切々とした情感。歌に気持ちをこめて歌うタイプで、シンプルな歌唱であるにもかかわらず、聴く者の心にしみ込んでくる。クールでシンプルが故に歌唱のテクニックと想いがダイレクトに伝わってくる。米国西海岸ジャズの個性がボーカルにも反映されているんですね。

バックの伴奏もシンプルだけど味がある。アレンジが良いのだろう。この「ほどよく」アレンジされた伴奏と共に、西海岸ジャズの女性ボーカルのサンプルの様な盤。「瑞々しい若さと老成した味わい」の両方を持ったお洒落でシンプルなボーカル。こんなボーカルは米国東海岸ジャズには見当たらない。僕はこの盤、このボーカル、お気に入りです。
 
 
 
東日本大震災から8年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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