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2019年10月25日 (金曜日)

70年代タイナーの魅力的な音世界

1970年代のマッコイ・タイナーは、コルトレーン・ジャズの継承者としての演奏がメインだった。どの辺りのコルトレーン・ジャズか、というと、インパルス・レコードに移籍した時点の、自由度の高い「モード・ジャズ」なコルトレーン・ジャズがベース。加えて、コルトレーンが演奏していた自由度の高い「モード・ジャズ」より、シンプルで判り易い。

演奏の形態としてはコルトレーンの『アフリカ/ブラス』のビッグバンド編成の音作りを踏襲している。音の響きは、アフリカン・ネイティヴなルーツ・ミュージック。特にサックスについては、コルトレーンのフォロワーの優秀どころをどしどし採用しては、タイナーのリーダー盤でデビューさせている。そして、自らは、例の「ガーン、ゴーン」といったハンマー奏法に磨きをかけている。

McCoy Tyner『Focal Point』(写真)。1976年8月の録音。ちなみにパーソネルは、McCoy Tyner (p, dulcimer), Joe Ford (as, ss, fl), Gary Bartz (as, ss, cl), Ron Bridgewater (ts, ss), Charles Fambrough (b), Eric Gravatt (ds), Guilherme Franco (perc, conga, tabla)。3サックス+ピアノ・トリオ+パーカッションの7人編成、セプテットである。
 
 
Focal-point-mccoy-tyner
 
 
冒頭の「Mes Trois Fils」から、モーダルなスピリチュアル・ジャズ全開である。フロントのサックス3管の音が分厚い。タイナーのハンマー打法なピアノも音も分厚く、セプテットではあるが、工夫されたアレンジも相まって、演奏全体の音の厚さはビッグバンド級。コルトレーン・ライクなスピリチュアルなモード・ジャズが万華鏡の様に、様々なニュアンスを持って展開される。

1970年代のマッコイ・タイナーの音楽には欠かせない「ソプラノ・サックス、フルート、コンガ」が大活躍。そこにクッキリと浮かぶ、マッコイのメリハリが効いたエネルギッシュなピアノ。特に打楽器隊が「ミソ」。エリック・グラヴァットの豪快に冴えわたるドラム、ギレルミ・フランコは、軽快なリズムに乗ったコンガ。特に、この「コンガ」の音が印象的。アフリカン・ネイティヴな響きが心地良い。

この盤、コンセプトの良く判らない、ボンヤリした地味なジャケットで損をしている。ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌では、まず採り上げられない盤ではあるなあ。でも聴くと判るのだが、ダイナミックで破綻無く、内容的にカッチリまとまった、1970年代マッコイ・タイナーの好盤だと思います。ジャケットに怯まずに手に取って一度は聴いて頂きたい、1970年代タイナーの魅力的な音世界です。
 
 
 
東日本大震災から8年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
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