ユッコ・ミラーを初めて聴いた
しかし、日本ジャズの女子力は衰えることを知らないようだ。今回、このサックス奏者の新盤を聴いて、改めて思った。ルックスは「カラフルでド派手」。どうも人気優先、話題優先のサックス女子かと思って、暫く静観してきた。が、今回の新盤はさすがに「聴いた」。で、思った。やっぱり日本ジャズの女子力は素晴らしい。
その新盤とは、ユッコ・ミラー『Kind of Pink』(写真左)。サックス奏者ユッコ・ミラーの3rdアルバム。今年9月のリリース。ちなみにパーソネルは、Yucco Miller ユッコ・ミラー (as, ss), Simon Cosgrove (p), Pat Glynn (b), Gene Jackson, Dennis Frehse (ds)。ゲストとして、David Matthews (p), Luis Valle (tp), 川嶋哲郎 (ts)。うむむ、知っている名前は、ゲストのマシューズとテナーの川嶋くらいだぞ。
まずは「ユッコ・ミラー」とは何者か、である。エリック・マリエンサル、川嶋哲郎、河田健に師事。19歳でプロデビュー。 2016年9月、キングレコードからファーストアルバム「YUCCO MILLER」を発表し、メジャーデビュー。10万人を超えるチャンネル登録者数が今なお増え続け、「サックスYouTuber」としても爆発的な人気を誇る、実力派サックス奏者ユッコ・ミラー。と、僕は彼女の名前を最近知った。
「名探偵コナン」メイン・テーマや吹奏楽シーンでも圧倒的人気を誇る「宝島」などの人気曲を、グラミー賞受賞の世界的アレンジャーであるデビッド・マシューズが本格ジャズ・アレンジして披露している。ポップで聴いていて楽しい演奏の数々。まず、ユッコ・ミラーのサックスの音が凄く良い。カラフルでド派手なルックスだけで、決して「キワモノ」と思うなかれ。流麗かつ力強さがあるレベルの高いブロウ。聴き応え充分である。
彼女の奏でる音楽スタイルは、ファンク&フュージョンがメイン。自作曲にはハイブリッドなコンテンポラリー・ジャズもあって、意外と硬派な一面が垣間見える。流麗なサックスで聴き易くはあるが、決してイージーリスニング・ジャズには走らない。バックのリズム&ビートがしっかりとジャズしているので、決して、ポップロック風にも流れない。しっかりとファンク&フュージョン・ジャズに軸足を置いているところが実に潔い。
でも、なんで女子力ばかりなのか。良く判らないが、この新盤を聴いて、日本ジャズの女子力の裾野の広さを改めて思い知った。以前の様に、ルックス優先、ルックス頼りの人気優先の女子ジャズ奏者はもういない。実力のあるジャズ奏者ばかりなのだ。逆にルックス優先、ルックス頼りの女子ジャズ奏者はデビュー早々に陶太される。凄い時代になったもんだ。
東日本大震災から8年7ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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