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2019年9月27日 (金曜日)

幻のコルトレーン・フォロワー

コルトレーンはジャズ・テナーマンの共通の指針である。コルトレーン存命中は、当然、本人がいるので、スタイルを真似ることはあまりなかったが、コルトレーンが、1967年7月に急逝した後、出てくる出てくる、コルトレーンのフォロワーが続々出てくる事態になる。とにかくコルトレーンの奏法は魅力的で、とにかくフォロワーになりたい。いわゆるジャズ界最高の「ミュージシャンズ・ミュージシャン」がコルトレーンなのだ。

猫も杓子もコルトレーン・スタイルになっていく訳だが、時代は1960年代後半から終盤、米国ではポップスやロックが台頭し、人気を獲得しつつあった。その結果、ジャズはその人気を落とし、徐々に売上も下降線。特に、コルトレーンのスタイルは硬派でストイックで自由度が高い。よって、音楽を気楽に聴いたり、なにかをしながらの「ながら聴き」には「ほぼ向かない」。

つまりは、コルトレーン・スタイルのテナー盤は売れない、という事態に陥る。逆に言うと、コルトレーンはジャズにとって良い時代に出現し、そして、ジャズ人気が大きく傾きだした頃、あの世に去って行ったことになる。当時、コルトレーン・スタイルのテナー盤は売れ行きが悪かったか、音源自体お蔵入りになったものが多かった。世知辛いものである。
 
 
Natural-essence-tyrone-washington
 
 
Tyrone Washington『Natural Essence』(写真左)。1967年12月29日の録音。ちなみにパーソネルは、Tyrone Washington (ts), Woody Shaw (tp), James Spaulding (as, fl), Kenny Barron (p), Reggie Workman (b), Joe Chambers (ds)。タイロン・ワシントンは、当時、ブルーノート・レーベル期待の若手テナーマンだった。バックを張るメンバーも充実、満を持してのリーダー作である。

スタイルは明らかに「コルトレーン・テナー」。コルトレーンに比べると穏やかで端正な「コルトレーン・スタイル」なテナーである。圧倒的な「パワフルでフリー」なブロウ。流麗、またはアブストラクトな展開。聴き応え充分なテナーは聴き所満載。演奏曲をそれぞれ聴くと、アブストラクトでフリーな側面と、ポップで流麗で端正な側面を上手く合わせて配置している。この盤1枚でワシントンのテナーの個性をしっかりと確認することが出来る。

バックのメンバーも粒ぞろい。特に、ウッディ・ショウのトランペットとケニー・バロンのピアノが好調、好印象。そして、タイロン・ワシントンのテナーはコルトレーンの後継の一人として期待をかけても良い位の内容。しかし、ワシントンがこれだけの実力派テナー・マンであったにも関わらず、1974年に『Do Right』をリリースした後、忽然と姿を消した。聴衆の「嗜好の変化」とは残酷なものである。
 
 
 
東日本大震災から8年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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