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2019年9月13日 (金曜日)

カシオペアの40周年記念盤

我が国、日本でのフュージョン・バンドと言えば、CASIOPEA(カシオペア)とT-SQUARE(ティー・スクエア)が2大フュージョン・バンド。正統派フュージョン&バカテクのバンドであるカシオペア。ちょっとロックとイージーリスニングが入った、ポップで聴き易いT-SQUARE。この2大フュージョン・バンドは実力については甲乙付けがたく優秀。フュージョン者の中では人気は全く真っ二つに分かれていた。

そんなカシオペア、今では「Casiopea 3rd」とバンド名を変えて、現在も活動中。そして、今年、デビュー40周年記念盤をリリースした。Casiopea 3rd『PANSPERMIA』(写真左)。2019年7月の録音。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 鳴瀬喜博 (b), 大高清美 (key), 神保彰 (ds)。野呂とサポート・メンバーではあるが、ドラムの神保の2人が以前からメンバー。他の2人は1990年以降の新メンバー。

アルバムタイトル「PANSPERMIA」=「パンスペルミア」と読む。宇宙からの微生物などが物体にくっついて地球にやって来て生命の根源となったという理論。このアルバムのサブタイトルは「宇宙からの贈りもの」。う〜ん、ジャズらしからぬタイトルやなあ。『スピード・スリル・テクニック』というキャッチフレーズのままに、スペーシーな感覚満載。
 

Panspermia

 
フュージョンというよりは、ロック色が色濃くなり、ボンヤリ聴いていると「これってプログレッシブ・ロック」って思ってしまうほど。バカテクのプレグレ、という雰囲気。恐らく、大高のキーボードが、今回、さらに「キース・エマーソン」風になっているということ。成瀬と神保のリズム隊が、大高のキーボードに呼応して、ロックっぽくなっていること。それらが大きく作用している。

そこに野呂のエレギが参入すると、バンドの音の雰囲気はぐっと「フュージョン・ジャズ」に寄る。野呂のエレギは唯一無二の個性。フュージョンでもなければロックでも無い。野呂独特の個性的な音。この野呂のエレギが他のメンバーによる「プログレ色」を中和し、従来のカシオペアの音に仕立てる。そんな役割を果たしている。そう、この盤での「カシオペアらしさ」は野呂のエレギに依存している。

出てくる音はとことんポジティヴ。特に大高のキーボードの進化は特筆に値する。そこに、ナルチョのチョッパー・ベースがブンブン鳴り響き、神保の千手観音ドラミングが炸裂する。そして「決め」は野呂のエレギ。「カシオペアの音」から深化した「Casiopea 3rdの音」。この盤の評価のポイントはこの「深化」を認めるか否かにあるだろう。
 
 
 
東日本大震災から8年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

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