軽快でポップなオルガン・ジャズ
ブルーノート・レーベルの4300番台は、ブルーノートらしいところと、ブルーノートらしくないところが混在している。良い意味で「ブルーノート・レーベルらしくない」ところは、4300番台のアルバムは全体的に「ポップ」な味付けがされているところ。ポップスやロックの台頭に対して、ジャズについても気軽に聴く、楽しんで聴く、というところに重きを置いていたようだ。
Lonnie Smith『Move Your Hand』(写真)。ブルーノートの4326番。1969年8月9日、ニュージャージー州のAtlantic City、Club Harlem でのライブ録音。プロデューサーは「フランシス・ウルフ」。ちなみにパーソネルは、Lonnie Smith (org, vo), Rudy Jones (ts), Ronnie Cuber (bs), Larry McGee (g), Sylvester Goshay (ds)。
主役のリーダー、オルガンのロニー・スミスとバリトン・サックスのロニー・キューバー以外は知らないジャズマンばかり。でも、なかなかブルージーでファンキーな演奏に仕上がっている。特に、バリトン・サックスが効いている。オルガンがバックに回った時、フロントが2管あると、オルガンの音に負けずにフロントの旋律がクッキリと浮かび上がる。
ロニー・スミスのオルガンはグルーヴィー。そして、軽やかでポップ。ブルージーさがスッと抜けて、軽やかなグルーヴ感が前面に出てくる。もともとオルガンはアーシー感が増幅される楽器なのだが、キューバーのバリトン・サックスが、そんなオルガンのアーシー感を増幅させる。軽やかでポップでアーシー。僕にとっては実に魅力的なオルガンである。
このライブ盤では、ロニー・スミスはボーカルもとっている。このボーカルのせいかもしれないが、ロニー・スミスのオルガンって、どこかR&Bっぽいところがある。軽快でポップな、そう「モータウン」の様な響き。それでいて、アドリブ展開ではしっかりとジャズを押さえている。そうか、このオルガン・ジャズのライブって、全体の雰囲気は「ソウル・ジャズ」なんだ。
しかし、ジャケ写がなあ(笑)。ブルーノートの4300番台って、ジャケ写があんまりなものが多いのだが、この盤もその例に漏れず、酷いものですなあ(笑)。しかし、ロニー・スミスがメインのライブ演奏を通じて、この盤に詰まっている、ライヴ盤ならではの臨場感、そして、このクラブの持つ雰囲気。この『Move Your Hand』、良い感じのライブ盤でもあります。
東日本大震災から8年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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