« ビッグバンド共演盤での一番人気 | トップページ | ハロルド・メイバーンのソロ盤 »

2019年8月 4日 (日曜日)

軽快でポップなオルガン・ジャズ

ブルーノート・レーベルの4300番台は、ブルーノートらしいところと、ブルーノートらしくないところが混在している。良い意味で「ブルーノート・レーベルらしくない」ところは、4300番台のアルバムは全体的に「ポップ」な味付けがされているところ。ポップスやロックの台頭に対して、ジャズについても気軽に聴く、楽しんで聴く、というところに重きを置いていたようだ。

Lonnie Smith『Move Your Hand』(写真)。ブルーノートの4326番。1969年8月9日、ニュージャージー州のAtlantic City、Club Harlem でのライブ録音。プロデューサーは「フランシス・ウルフ」。ちなみにパーソネルは、Lonnie Smith (org, vo), Rudy Jones (ts), Ronnie Cuber (bs), Larry McGee (g), Sylvester Goshay (ds)。

主役のリーダー、オルガンのロニー・スミスとバリトン・サックスのロニー・キューバー以外は知らないジャズマンばかり。でも、なかなかブルージーでファンキーな演奏に仕上がっている。特に、バリトン・サックスが効いている。オルガンがバックに回った時、フロントが2管あると、オルガンの音に負けずにフロントの旋律がクッキリと浮かび上がる。
 
 
Move-your-hand
 
 
ロニー・スミスのオルガンはグルーヴィー。そして、軽やかでポップ。ブルージーさがスッと抜けて、軽やかなグルーヴ感が前面に出てくる。もともとオルガンはアーシー感が増幅される楽器なのだが、キューバーのバリトン・サックスが、そんなオルガンのアーシー感を増幅させる。軽やかでポップでアーシー。僕にとっては実に魅力的なオルガンである。

このライブ盤では、ロニー・スミスはボーカルもとっている。このボーカルのせいかもしれないが、ロニー・スミスのオルガンって、どこかR&Bっぽいところがある。軽快でポップな、そう「モータウン」の様な響き。それでいて、アドリブ展開ではしっかりとジャズを押さえている。そうか、このオルガン・ジャズのライブって、全体の雰囲気は「ソウル・ジャズ」なんだ。

しかし、ジャケ写がなあ(笑)。ブルーノートの4300番台って、ジャケ写があんまりなものが多いのだが、この盤もその例に漏れず、酷いものですなあ(笑)。しかし、ロニー・スミスがメインのライブ演奏を通じて、この盤に詰まっている、ライヴ盤ならではの臨場感、そして、このクラブの持つ雰囲気。この『Move Your Hand』、良い感じのライブ盤でもあります。
 
 
 
東日本大震災から8年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« ビッグバンド共演盤での一番人気 | トップページ | ハロルド・メイバーンのソロ盤 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ビッグバンド共演盤での一番人気 | トップページ | ハロルド・メイバーンのソロ盤 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2023年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

カテゴリー