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2019年8月23日 (金曜日)

4300番台の発掘リリース盤・3

この盤のジャケット・デザインを見れば、この盤がリリースされた1970年のジャズのトレンド、ソウル・ジャズやフラワー・ムーブメントをベースとしたサイケデリック・ジャズをベースとした内容ではないか、と想像する。しかし、いかに前進する改革精神旺盛なジャキー・マクリーンでも、まさか純ジャズを捨てて、売らんが為のトレンドの追求に走るかなあ、とも思う訳だ。

その盤とは、Jackie Mclean『Demon's Dance』(写真左)。BNの4345番。1967年12月22日の録音。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Woody Shaw (tp, flh), LaMont Johnson (p), Scotty Holt (b), Jack DeJohnette (ds)。フランシス・ウルフのプロデュース。まだ、ブルーノート・レーベルらしさが残っている時代の録音である。
 
この盤、我が国のジャズ盤紹介本やジャズ雑誌で採り上げられることが多い盤で、このジャケット・デザインから、ソウル・ジャズやフラワー・ムーブメントをベースとしたサイケデリック・ジャズを想起してしまい、なんでジャズ入門盤として相応しいか、よく理解出来ない時代が続いた。が、1990年代、紙ジャケ再発されて、やっと入手し、この盤を聴いて「あれ、これってモード・ジャズやん」と思った次第。
 
 
Demons-dance  
 
 
慌てて録音年月日を確認したら1967年とある。発売が1970年、しかもこのジャケット・デザイン。何故、内容的には硬派なモード・ジャズなのに、このサイケデリックなジャケット・デザインになるのか。やはり、ブルーノート・レーベルの4300番台は理解に苦しむ盤が多い。しかし、確かにこの盤に録音されている音は、内容のある「新主流派の音=モーダルなジャズ」である。
 
パーソネルを見渡せば、トランペットのウッディ・ショウ、ドラムのジャック・ディジョネットが興味深い。どちらもほぼ完璧にモード・ジャズを演っている。特にディジョネットのドラミングは今の耳にも新しく響く。で、リーダーのマクリーンは、と聴けば、これもまたほぼ完璧にモード・ジャズを演っている。そう、このおどろおどろしい、サイケなジャケット盤、実はモード・ジャズの成熟した演奏を聴かせてくれる好盤なのだ。
 
年長のマクリーンが、ほぼ一回りも若い若手と組んで、年長のマクリーン自身が、モーダルでちょっとアバンギャルドな「新主流派ジャズ」の音世界を吹きまくるのに刺激されて、若手の他のメンバーが溌剌とした演奏を繰り広げる。モード・ジャズの成熟した演奏を楽しむ事の出来る好盤。モード・ジャズって何?、の答えにもなる様な、モード・ジャズのお手本の様な好盤でもある。
 
 
 
東日本大震災から8年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
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